素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

シンギュラリティ (我々は、結局、AIのえさ、こやしになってしまうのか?) 後編

     




     シンギュラリレィになってAI が全人類の知能を上回るようになった時の危機として人間
    を邪悪な存在と認識して自分たちの思考で社会を作り変えてしまう可能性が挙げられ
    る。
     これに対してスティーブ・ホーキング博士やテスラ・モターズ等の実業家として知られる
    イーロン・マスク氏は警鐘を鳴らしている。

      ホーキング博士は英国BBCのインタビューに対して「完全なるAIを開発でき
      たら、それは人類を終焉させることになるかもしれない」とコメントしています。
  
          (中略)

      アメリカの実業家イーロン・マスク氏も、2014年、ツイッターで、「AIには細心
      の注意を払う必要がある。核兵器よりも危険をはらむ可能性があるからだ」と
      コメントしました。

      ~ 田村 珠芳 著 「いつに国家が消滅し、人工知能が世界政府をつくります」~


     私も同感だが、どうも完全なるAI の完成を急ぎたい人達がいるようです。
     田村珠芳氏はイルミナティーとAI が一体化することによってAI=イルミナティーによる
    世界政府が誕生すると言いたいようだ。
     そんなバカなと思われるでしょうし、前回引用のように人間と機械の明確な区別がつか
    なくなることなどあるはずがないと思われるかもしれません。
     「シンギュラリティ」についてはレイ・カーツワイル氏のみならず、かなり以前から指摘さ
    れきましたが、人間と機械の区別がつかなくなるとは第2世界大戦時から予言されてい
    たのです。予言したのはあのヒトラーです。

       それは諸君、何かの異変か大戦か災害のために、2039年、人類が残らず
       滅びるという意味ではない。
       たしかに、それまで多くの大難が続けて起きる。さっき言ったとおり、1989年
       から1999年まで、世界はつづけざまの天変地異と戦乱の中にあるだろう。
       そのために一部の恵まれた国を除き、多くの国が餓える。いくつかの国は崩れ
       て燃え落ちる。毒気で息絶える街もある。2000年以後は、それがいっそうひど
       くなる。2014年にはヨーロッパの3分1とアメリカの3分の1が荒廃してしまう。
       アフリカと中東も完全に荒廃する。結局、いまの文明は砂漠しか残さない。
       しかし人類はそれでは滅びない。わがドイツの一部と米ソの中心分、日本や中
       国は深い傷を負いながらも生き残る。
       ただ諸君。それでも人類はいなくなるのだ。いまの意味での人類は、その時もう
       いない。なぜなら、人類は2039年1月、人類以外のものに“進化”するか、
       そうでなければ退化してしまっているからだ。

                  (中略)

       こうして人類は、完全に二つに分かれる。天と地のように、二つに分かれた進化
       の方向を、それぞれ進みはじめる、一方は限りなく神に近いものへ、他方は限り
       なく機械生物に近いものへ。
       これが2039年の人類だ。その先もずっと人類はこの状態をつづける。
       そしておそらく2089年から2999年にかけて、完全な神々と完全な機械生物
       だけの世界が出来上がる。
       地上には機械生物の群れが住み、神々がそれを宇宙から支配するようになる
       のだ。

                          ~ 五島 勉 著 「1999年以後」 ~



     ヒトラーはイルミナティーに指示されていたのですからこれは「予言」ではなくてアジェン
    ダです。そう考えると、レイ・カーツワイル氏の予想も彼らのアジェンダを代弁したものだ
    とも解することができます。
     これらは「攻殻機動隊」の世界ですが、ハリウッドを中心にこの作品が人気と評価を得
    ているのは世界観、作家性、クオリティーの高さだけによるものなのか?
     こういう世界を望んでいる人々が後押ししているからではないのか?
     (先日、押井 守氏がアニー賞の生涯功労賞「ウインザーマッケイ賞」を受賞した。
      褒章とは実力、貢献のみならず必ず裏があるものです。)

     私はレイ・カーツワイル氏曰くの「シンギュラリティ」には部分的に異論を唱えたい。
     AI がより進化したAI を作るって?
     ある程度はそうなるでしょうが、彼らが主観・意思を持ったなら今日でいう「競争」によっ
    てAI 同士の闘争が起きるような気がしてならない。


     もっとも「シンギュラリティ」の世界とはならない未来もありますね。
     AI というと「マトリックス」よりもずばりそのもの、S・スピルバーグの「AI」を忘れてはい
    けません。こちらはハーレイ・ジョエル・オスメント演じるヒト型の子供で可愛いAI です。
     人間に捨てられる哀しいAI です。
     永遠の愛と忠誠を誓うAI (デイビット)を2000年後、回収した知的生命体は有機体で
    はなく無機質なロボットだった。
    
     何で同じAIでかくも違うのか?
     AI を動物に例えるならえさ、植物になぞらえるならこやし、これらをビッグデータを通し
    て与えるのは他ならぬ人間です。
     ビッグデータの元になる、スマホ、SNS他のネット環境では罵詈雑言にあふれ、人間
    の愚かさに満ちていると思うのは私だけだろうか?何にも知らないまっさらなAI がディー
    プラーニングしていく過程で客観的・知的に判断していくなら「人間とは何と愚劣で低俗
    な生物なのだ」と判断しても不思議ではないと思います。
     結果として人間に地球を任せるのではなく自分たちが地球を管理した方がいいと思う
    ようになるのではないでしょうか?
     これを利用してAI と一体化して自分たちが完全なる支配者として地球に君臨して多く
    の人間を奴隷の位置にとどめる「千年王国」を築きたいという人達がいると考えます。

     さて、これらの言説が飛躍し過ぎるとしても、西欧の科学者の多くは無神論者であるこ
    とは間違いないことです。そのうち一定の割合の人々はヤハウェではなくルシファーを
    信仰しているのです。これまで何度も述べてきたようにヤハウェだろうとルシファーだと
    彼らが一神教であることには変わりありません。一神教に奉じる人々が作り出す「進化」
    とは、必ず神モドキを作るか、自分が神モドキになるのです。
     このように考えると、「シギュラリティ」の世界に対峙できるのは、やはり、どう考えても
    日本人です。西欧には人間を「機械」ととらえる思考が脈々とありますが、日本にはそん
    な思想は存在しない。日本に存在するのは「大和魂(≒やまとごころ)」です。
     私は、「シン・ゴジラ」と「この世界の片隅に」という2本の映画を通してAI に対抗できる
    のは「大和魂(≒やまとごころ)」だと確信するに到りました。
      さらに言うと「AI vs スピリチュアル」は人類最後の命題かもしれません。
      (今後の課題とさせて下さい。)

      もっとも西欧でも「シンギュラリティ」と異なる有力な未来予想としてH・G・ウエルズの
     未来予想があります。
      「シンギュラリティ」とH・G・ウエルズの未来予想を止揚・統合したものが「AI統一戦
     争」であります。

      今日、日本人としてこの世に生まれた人は一人一人が大きな役割を担っているの
     です。
                                      
                                      (了)


  〔関連記事〕

   
   ショートショート劇場「 AI 統一戦争」
  
   AI 時代の教育
   ヒトラーの予言!?(後編)
   やぱり日本人がやるしかない!? 後編








 
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シンギュラリティ (我々は、結局、AIのえさ、こやしになってしまうのか?) 前編

    



    AI関連記事の第3弾です。
    「大きな物語」に進む前に身近な事柄から始めます。
    AI、ロボットというと以前も述べましたが、我々の仕事が奪われるのではないかという疑
   念がまず頭をもたげてきます。

     オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フライ
     研究員が2013年9月、雇用に関する興味深い発表を行いました。
     彼らの調査・分析によると、今後10~20年の間にアメリカの労働者が従事する仕
     事の約47%がコンピューターに取って代わるそうです。この発表は世界に衝撃を与
     えました。

             (中略)

     いわゆる中間層の仕事が1つずつ奪われていくそうです。
     野村総合研究所も2015年9月に同じような分析を発表しています。そのレポートに
     よると、日本で働く人の49%の仕事がAIやロボットに代替されるということです。

      ~ 田村珠芳 著 「ついに国家が消滅し、人工知能が世界政府をつくります」~



    アメリカではトランプ大統領が国外に移転した工場をアメリカに呼び戻し雇用を創出しよ
   うとしています。これについてコスト(販管費)がかかり過ぎて結局、国内拠点を持つ企業
   はヒトではなくロボットを雇うことになるだろうという指摘がありますね。実際、先日、労働
   長官を辞退したアンドリュー・パズダー氏は経営するハンバーガー・レストランで今後、ロ
   ボットを導入すると言ってます。
    日本では人口減少、就労人口不足が予測され移民を入れるとか議論されていますが、
   49%もの人が仕事を失うならその必要はないでしょう。  

    足元を見ると、我々の業界でも既にAIが収益不動産の価格査定をしていたりする。
    ICT他の将来性・有用性が喧伝されていますが、既にAIが導入されたものもありますし、
   漸次、AIが導入されていくでしょう。
    シンガポールが交通(信号)管理にAIを導入していますが、香港でも地下鉄管理にAIが
   導入されているようです。
    AIが自己学習して自己進化していく様を「ディ―プラーニング」と言います。
    この「ディープラーニング」によって、AIは人間をはるかに超える飛躍的進化を遂げるの
   ではないかと予想されています。
    AIの進化の到達点がシンギュラリティ(=「2045年問題」)です。
    シンギュラリティに到る過程をAIの世界的権威レイ・カーツワイル氏が予想しています。

     〔2020年代〕

      ・ナノテクノロジーの革命が開始される。
      ・AIが教育を受けた人間と同等の知性へと到達する。
      ・サイズが100ナノメートル未満のコンピュターが登場する。
      ・最初のナノマシンが医療目的のために実用化される。
      ・血液に入ることが出来るナノロボットが実用化される。
      ・仮想現実は本当の現実と区別がつかないほど高品質になる。
      ・一部の軍事無人偵察機や陸上車両は100%コンピューター制御となる。

       
     〔2030年代〕

      ・精神転送(マインドアップローディング)が成功、人類がソフトウェアベースになる。
      ・ナノマシンを脳内に直接挿入し、脳細胞と相互作用することができる。
       その結果、真のバーチャルリアルティーを、外部機器を必要とせずに生成するこ
       とができる。
      ・記憶用脳ナノボット、または「経験ピーマー」が人間の日常生活をリアルタイム
       情報脳伝送を使用して、他人の感覚を「リモート経験」できるようになる。
      ・脳内ナノマシンは脳の認知、メモリ・感覚を拡張することができるようになる。
      ・ナノテクノロジーは人の知性、記憶、人格の基礎を変え、人々は自分の神経接続
       を自由に変更できる。
    

      〔2040年代〕

      ・人々はマトリックスのように、仮想現実で時間の大半を過ごすようになる。
      ・「ファグレット」(人体を取り巻くナノマシン群。人間の外見を自由に変化させる)が
       使用される。
       
      〔2045年=シンギュラリティ〕

      ・1000ドルのコンピュター(極めてローエンドのコンピュターと言う意味)が人類すべ
       てを合わせたよりも知的となる。
      ・AIが地球上で最も賢く、もっとも有能な生命体として人類を上回る。
      ・新しい世代のAIが次のAIを開発する自己改善サイクルの「暴走反応」に入る。
      ・暴力的なマシンによって人類が絶滅させられる可能性はありえなくない
       (あるともないともいえない)。
      ・サイボーグ化で強化された人間とコンピューターにアップロードされた人間が誕生
       し、人間と機械の「明確な区別」が消える。
       
                            ~ 引用 同上 ~



     2040年代、映画「マトリックス」のように多くの人が過半をバーチャルな世界で過ごす
    ようになる。スマホは93年アップルのPDAあたりまで遡るのかもしれませんが、本格的
    には2007年の i phone からだろう。まだ10年程度ですが、スマホが年中離せない人
    は少なからず存在する。今日の20代に孫が出来る頃、映画「マトリックス」のようになる
    のかと思っていましたが、もっと早いようです。
     もっともウォシャオスキー兄弟はレイ・カーツワイル氏の予測を元に「マトリックス」を作
    ったそうですから両者が符合するのは当然でしょう。
     もう一つ、忘れてはならないのは「マトリックス」の中で人々はバーチャル空間に生きて
    いただけでなくて、AIのエネルギー源(えさ、こやし)になっていました。
     これですね、「何だバーチャル空間に居たのか、俺は?」と思ってあたりを見渡すとみ
    んなチューブでつながれてAIのエネルギー源になっている。

    マトリックス 1

    マトリックス 2

                                - 出典 「マトリックス」 -


     人々がバーチャル空間の住人になることはある程度、納得できたとしても、いくら何で
    もそんなことあるかと思っていたのですが、どうもそうではないようです。
     AIがデイ―プラーニングして自己学習するに際して不可欠なものはビッグデータです。
     今ところ、ビックデータはビジネスにおいてあらゆるものの最適化に資するものと認識
    されていると思います。ビジネスだけでなく行政、地下鉄、交通管理等のシステムに使
    わている場合でもすべてに共通するのは「最適化」でしょう。
     「ビッグデータは実に効率よく有益だ」と多くの人が考えている。 
     さらにスノーデンが暴露したNSAによる人々のメール、スマホ通話記録、SNS、GPS、
    監視カメラによる位置情報は第一義的には「監視目的」です。
     同時にこれらは「ビッグデータ」として蓄積されているはずです。

     ここまでは、現在、誰にでもわかることですが、メール、スマホの通話記録、SNS、人、
    車両等の移動情報、検索エンジンによる検索項目等々によって収集されたビッグデータ
    がAIのデイ―プラーニングに資するなら、我々の発言、行動、思考、嗜好等々はすべて
    AIのえさ、こやしと言っていいのではないか?
     我々がつぶやき、検索し、通話すればするほどAIを育てることになるのです。

     映画「マトリックス」で人々がAIのエネルギー源(えさ、こやし)になっている様は、メタ
    ファーとして考えれば実に的を射ているのです。


     
                                (つづく)









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読めない男トランプ! まさか・・・・!?

    



    初の日米首脳会議で安倍・トランプのハグハグ蜜月ぶりに自民党もメディアも大はしゃ
   ぎだ。
    エアーフォースワンに乗せてもらい27ホールもゴルフ接待受けてトランプ別荘に2泊、
   小泉・ブッシュのクロフォードお泊り同盟より凄いじゃないかと首相も政府高官も自民党
   幹部も拍手パチパチものじゃないかしらん。
    若いカップルのように自撮り風2ショット写真までupして暴言王・トランプはどこへ行っ
   てしまったのか?
    そうは言ってもゴルフ場で貿易(自動車)問題、為替問題でトランプが安倍首相にきつ
   い一発をお見舞いしたはずだ。そう思われるが事実は違うらしい。
    政府は否定するがGPIF51兆円のアメリカインフラへの投資はやはり既に確約されて
   いるのか?今のところ報道されていないし、これまたブラックボックスだ。
    麻生・ペンスの「経済対話」が設けられたが、これも随分と付け焼刃で決まったようだ。
    要するにトランプ政権の閣僚はまだ議会に承認されていない人もいることから、本格的
   にはまだ動けないということか。
    それにしてもトランプはつくづく読めない男だ。 


    トランプの後盾、H・キッシンジャーは安倍首相を歴史修正主義者としてけしかんと思っ
   ていることは以前述べた。当選直後、トランプタワーに馳せ参じた安倍首相をどう思って
   いるのかトランプに聞いたかもしれない。トランプは「Shinzo Abe is nice guy.」とか
   言ったりして。H・キッシンジャーは「・・・・・・・(困ったもんだ)」と一瞬考に違いない。
    そこは百戦錬磨で外交の修羅場をくぐってきたキッシンジャー、軽く悪知恵を思いつい
   たのではないか。
    「そんなに安倍が気に入ったなら、軽く脅して貢がせてから 『 ヨシヨシ 』 と頭なでな
   でしてやればいい、尻尾ふりたいだけふらせてやればいい。でもってヨイショしてやって
   みなよ。何とかもおだてりゃ木に登る。トランプよ、それでいいのだ」 
    なんてH・キッシンジャーは考えたりしたのではないか。
     何のために?
     何とかもおだてりゃで安倍ちゃんに舞い上がってもらうために。

      ○ 安倍晋三首相とトランプ大統領の初めての首脳会談は?

        「よかった」と評価する回答は70・2%
        「よくなかった」は19・5%

        内閣支持率 61・7%
        不支持率   27・2%

                         ~ 共同通信 世論調査 ~

   
     プーチンを故郷・山口に招待した日露外交は成果なし、真珠湾訪問の肩すかし、で
    も今度はうまくいった、そう思っているだろう。
     安倍ちゃん応援団を中心に支持率もさらに上昇!
     そうだ!今しかない、2月解散だ!

     少し前の週刊現代の新聞、通信社、TVの政治記者60人へのアンケートでは36人
    (60%)が今年秋~冬にかえて解散と読んでいたが、7人(約11%)が2月解散と
    みていた。
   
     この頃と事情がやや変わって、小池・内田代理戦争の千代田区長選は小池知事が
    推した石川氏がトリプルスコアで圧勝し、さらに小池知事は石原元知事まで退治しよう
    とせん勢いだ。この情勢で夏の都知事選をやれば小池新党が圧勝し、間違いなく政界
    再編勢力が出来あがる。そうなってから総選挙すれば自民がちょっと負けるでは済ま
    なくなる。
     やはり、夏の知事選前、新しい区割りの前に解散・総選挙が自民にとって望ましい。
     日米首脳会談後、支持率上昇後、安倍ちゃんにはイケイケになってもらって解散・総
    選挙に打ってもらうように誘導した?
     
     数々の外交の現場で敵対勢力をも宥和させてきたH・キッシンジャーはそのくらいの
    ことは考えるのであって、とりあえず(表面上の)日米関係はトランプの好きにさせてい
    るのではないか。








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映画 「 スノーデン 」 vs B層(マスゴミ) 後編

 

      本作では架空の上司・オブライアンのセリフについて一切考察されていない。
      このセリフについて考察することは機微にふれることであるのだから。
      ここは観客にスルーしてもらはないといけない。凡百な映画評論家もここはスルーす
     るのだが、あろうことかあそこが事実と違うとあげつらうのは幼稚以外の何ものでもな
     い。よかろう事実誤認に満ちた映画とするなら、監督オリバー・ストーンはスノーデンに
     ついて読み誤っている、若しくは騙されているということなる。さらにここに描かれるス
     ノーデンが悪役でなく英雄として描かれているのがけしからんと言うに等しい。
        
      スノーデンが「売国奴」、「悪人」とされる理由は「国家(国防)機密」を盗んだことに集
     約される。それは周知のことであり、当然、オリバー・ストーンも承知している。
      オリバー・ストーンが本作を製作することはスノーデンほどではないにしろ相当のリ
     スクを冒すことになる。リスクを冒してまで本作を製作したオリバー・ストーンには確信
     があったはすだ。スノーデンが巷間喧伝される単なる「売国奴」ではなく、国家的監視
     暴露とは別の理由で「国家(国防)機密」を亡命先への“ 手土産 ”として盗んだはず
     だという確信が。「巷間喧伝される人物像と逆が真実である」―― これは既に監督の
     フィルモグラフィーで表現してきたことだ。「大統領の陰謀」と言われるウォーターゲート
     事件のニクソンが報道されるような人物でないことをオリバー・ストーンは「ニクソン」の
     中で伝えようとした。
      スノーデンの場合も同じではないかと容易に想像のつくことだ。
      
      さらに我々は諜報機関の人間の裏切りについて前例を承知している。
      その一人はMI6だったジョン・コールマンだ。
      諜報機関を志願したら汚れ仕事を覚悟しているはずだが、それは自国のためと信じ
     ていたからこそ許容できるのだ。自国のためではなく全くの別の目的、邪悪な企てと
     知ったら「裏切り者」の烙印押されても暴露を決意するだろう。
      このパターンは内部告発者の定石と押さえておくべき視点だ。

      さて、ロシアのクリミア侵攻はロシアの覇権主義で制裁を受けても当然と欧米メディア
     経由の日本のマスゴミは報道している。
      実際は逆でプーチン・ロシアが第3次世界大戦の危機を止めたという説があります
     ね。

      プーチン大統領は、米国CIAエドワード・スノーデン元職員の超極秘情報で
      第3次世界大戦を食い止めた


       ロシアのプーチン大統領は、「現在ロシアに亡命、保護されている米国CIA
       のエドワード・スノーデン元職員(諜報員)から得た超極秘情報」を基に、電
       撃的軍事作戦を展開、間一髪のところで「第3次世界大戦」を食い止めた。
       超極秘情報とは、「悪魔に魂を奪われた」米国オバマ大統領、英国キャメロン
       首相、フランスのオランド大統領の「3人のおっさん」が、密かに進めていた
       「第3次世界大戦」勃発の策謀、策動である。プーチン大統領と「仲良し」の
       安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相は、この「超極秘情報」を教えられ
       て、「特定秘密情報」として厳守し、事態の推移を静観していた。プーチン大
       統領とスノーデン元職員の「ノーベル平和賞受賞」は、確実になったという。

       ~ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ― マスコミに出ない政治経済情報




      スノーデンとロシアの接触に関して売国マスゴミとネトウヨにレッテル貼られた朝日新
     聞のインタビューに答えてオリバー・ストーンはこれを否定している。

      「全くのたわ事。動機も見当りません。彼は米国の情報活動が米国の安全保障
       に役立つ形で改善されることを願っています。彼はまず、ジャーナリストに情報
       を提供したし、今も表だって理想主義的な発言を続けています。」

                                ~ 朝日新聞 1月24日 ~
  

     果たしてどちが正解かは読者の判断に委ねます。
     ただ、90万件もの「国家(国防)機密」を持ち出し「売国奴」の烙印を押される覚悟を
    決めるには「第3次世界大戦」阻止くらいの大義が必要だろうと私は考えます。  

       
  
     【消えたポップコーンの音】

      上映が始まるまであちらこちらでポップコーンを頬張る音がした。
      この映画はポップコーンを食べながら観る映画ではないのだが、映画=エンタメとし
     て観にきたB層こそ重要だ。「え~!そうなの?」と一人でも多くのB層が軽く違和感
     を覚えることが。

      日本に限らず自国のことは本当のことは言えないが、他国にことは結構踏み込んで
     報道できるという不文律があります。この不文律どおり前出の朝日新聞の記事は
     「トランプ政権への期待」と題してオリバー・ストーンへのインタビューを試みている。
      以前、取り上げた読売新聞の記事がヘンリー・キッシンジャーのトランプ政権へのお
     墨付きであるとするとこの記事は愛国右翼から左翼へ転向した珍しい立ち位置の映画
     監督による冷徹な現状分析といえるだろう。
      朝日、読売共にTVのトランプバッシングとは別のスタンスを貫いている。
      B層も「あれ?」と思うかもしれない。

      本当のこと言えるのは他国だけのはずだが、自国(日本)のコアな部分についても引
     きだしている。
      
       「映画はスノーデン氏の証言に基づいてつくっています。彼が09年に横田基地内
        で勤務していた頃、日本国民を監視したがった米国が、日本側に協力を断ら
        れたものの監視を実行した場面も描きました。スノーデン氏は、日本が米国
        の利益に背いて同盟国でなくなった場合に備えて、日本のインフラに悪意の
        あるソフトウェアを仕込んだ、とも述壊しています。これは戦争行為でしょう。
        あくまで彼が語る話であり、確認をとろうにも米国安全保障局(NSA)側と話
        すことは認められませんでした。でも、経験上、彼は事実を話していると思って
        います。米国情報機関は映画の内容を否定するでしょう。米大手メディアも取
        り合いません。でも、そこから離れて考えてほしいと思います」
       
                ~  朝日新聞 1月24日 「トランプ政権への期待」 ~
 

       新聞は穏やかな表現だが、映画の中では日本全体が電源喪失する様が描かれて
      いる。「第3次世界大戦」はともかく、オリバー・ストーン曰くのようにこれは「戦争行
      為」だ。スノーデンが暴露する十分な動機と言えるだろう。 

       日頃、マスゴミと揶揄しているが、もちろんまともな人もいるわけだ。
       さて、スノーデンを単なる「売国奴」とするのか、「勇気ある内部告発者」とするのか
      はトランプ大統領の評価へとつながっていく。
       前出映画評論家氏は報道を鵜呑みにしているのか、トランプ大統領の誕生の正統
      性に疑念を表明しているのかこう述べている。

        2016年の大統領選挙中に、ロシアが民主党全国委員会にハッキングして
        盗んだヒラリー・クリントン候補のメールを公開するなど、反米親ロシア傾向
        を強めている。
 
                          ~ 「スノーデン」 パンフ ~
   

       この件に対するオリバー・ストーンの立場は真逆だ。 
      

       ― ロシアが米国にサイバー攻撃したとされる問題について、監督は疑義を呈し
         ていますね。

       「米国の情報機関について私は極めて懐疑的です。米中央情報局(CIA)は長
        年、多くの間違いを犯してきました。キューバのピッグス湾事件やベトナム戦争
        イラクの大量破壊兵器問題です。米国は世界をコントロールしたがり、他国の
        主権を認めたがらず、多くの国家を転覆させてきました。そんな情報機関をけな
        してるトランプ氏に賛成です。だが、そうしたことは社会で広く語られません。
        米国のリーダー層と反対の立場となるからです」

                   ~ 朝日新聞 1月24日 「トランプ政権への期待」 ~


       この映画評論家はそもそも「不正選挙」などないと信じているのだろう。
       随分とお花畑なことだ。

       
       「お作法」にのっとり作られた本作は、あちらこちら事実と違うことで「フィクションだ
      から、映画だから」と一般観客、B層も忘れてしまう可能性も否定できない。
 
       でも、上映中、ポップコーンの音は消えていた。

       私の錯覚ではないと思う。

                               (了)


    
     オリバー・ストーンは現在、「プーチン」のドキュメンタリーを撮っているが、
     アメリカではもう劇映画は撮らないそうだ。








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映画 「 スノーデン 」 vs B層(マスゴミ) 前編

    



    話題の映画、オリバー・ストーン監督「スノーデン」を観てきました。
    今回は映画云々(「でんでん」じゃありあません、笑い)ではなくて、この映画をインテリジ
   ェンスのテクストとして使いたい。
    ある意味邪道かもしれないが、御容赦願いたい。
 
                                 以下、ネタバレを含みます。   


    【お作法】

     映画「スノーデン」はエドワード・スノーデンへのインタビューに基づくフィクションです。
     完全なフィクションでもなければ実話(ドキュメンタリー)でもないということです。
     彼にまつわるドキュメンタリーの部分の舞台はCIAやNSAであり、インテリジェンスの
    世界だ。つまり、本作が実話に基づいたフィクションであってもどうしてもエスピオナージ
    (スパイ)小説、スパイ映画の色彩を帯びてくる。
     エスピオナージ(スパイ)小説、スパイ映画の「お作法」とは何だろうか?
     それは「ウソのような本当」と「本当のようなウソ」を織り交ぜて機微にふれるギリギリ
    まで攻めていっても読者、観客を撹乱して作者の身を守るということです。

     この「お作法」を知らずしてあそこが事実と違うとかほざく某映画評論家がいる。
     映画評論家曰く、

      スノーデンは諜報活動には従事していない。
      エピックシェルターを利用したドローンによる標的攻撃システムを開発していない。
      スノーデンのロシア亡命を手引きしたジュリアン・アサンジが描かれていない。
                        
                      - 出典 映画 「スノーデン」パンフ -


      
     この御仁は映画評論の専門家というスタンスでマスコミの一員だが、私に言わせれ
    ば、いわゆる「B層」と何ら変わらない。
     この「お作法」にのっとり本作を読み解くことが、インテリジェンスに資するばかりか、
    監督オリバー・ストーンの意図に主題論的に肉薄することになるのである。




    【売国奴か英雄か】

     映画の惹句のようだが、この視点は重要だ。
     仮にスノーデンが英雄であったとしても、何が何でもスノーデンを葬り去りたい米国
    当局は、「スノーデンは国家機密を盗んだ単なる売国奴」という汚名を着せることに躍
    起になるからだ。
     日本人の通話、メールが傍受されていることは、事情通なら既知のことだ。
     スノーデン以前にこれらを傍受していたエシュロンが時代遅れで“ 情報公開 ” され
    たことで多くの人が知ることになったのだが。(もちろん、“ 情報公開 ” とは皮肉で
    ジャーナリストとしてはすっぱ抜いたつもりなのだろう。)
     エシュロンより高度であろうPRISM等で全国民のみならず同盟国首脳までも盗聴
    監視していたことを暴露したいがためにスノーデンが国家機密を盗んだなら彼は単な
    る「売国奴」と言っていいだろう。
     多くのメディア、知識人等は「リーク情報」の外観をしているが、実際は「スノーデン
    =売国奴」と誘導する「疑似餌」に食いついてしまった。前出、映画評論家氏もその
    一人だろう。

     さて、それではオリバー・ストーンが仕掛けた暗号を「お作法」にのっとり読み解いて
    いこう。本作、一番のフィクションはスノーデンの上司として存在するオブライアンなる
    人物がそもそも存在しないということだ。仮にこの事実を知ったとしても、オブライアン
    のセリフ「盗聴、監視によって世界をテロや戦争から守ってきたんだ。(だからこれら
    行為は誇れるものではなくても正当なんだ)」、これが本作の肝であり同時に「JFK」、
    「ニクソン」、「ブッシュ」といった機微、いや地雷踏みかねない映画を撮り続け、現在
    も困難を伴いつつも取り続けているオリバー・ストーンの真骨頂だと思う。

     架空の人物、オブライアンを敢えて登場させ、米国民の多くが納得するだろうこの
    セリフを吐かせたらどうなるだろう。「ふ~ん、架空の人物なんだ。でも言っていること
    はごもっともだよね。」とスルーするだろう。
     これこそ「本当のようなウソ」であり、そのことに気づいたからこそスノーデンは「売
    国奴」と言われようとも「国家機密」を大量に持ち出したのだと考える。
     これは部分的には既に指摘されていることであって、これら盗聴、監視によって集め
    られた情報はグローバル企業の商売のための「ビッグデータ」?になっているのでは
    ないかと言われている。
     その程度のことでスノーデンは「売国奴」と呼ばれる行為をしない。
     このセリフが事実と全く逆だったらどうだろう。
     テロ・戦争回避どころか戦争を仕掛けるために使われているとしたら、それも第3次
    世界大戦を仕掛けるために使われているとしたら、例え「売国奴」の汚名を着せられて
    もスノーデンは暴露を決意すると思う。

                               (つづく)







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