素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

アベノミクスは1.5本しか的を射ていない

     



     まもなく衆議院選が公示されることから連日各党党首らがメディアで発言している。
     まあ~、何ともしらけた調子で政治ブログ書いている私ですら関心が薄いのだから政
    治にあまり関心のない国民はさらに興味がないだろう。「(無党派層は)寝ててくれりゃ
    いい」といった元首相がいたが、このしらけムードを助長して投票率が低ければいい
    と与党側の意思を受けてかマスゴミは「史上最低の投票率になるかもしれません」な
    どと実に公平な報道に徹している。

     安倍首相が「アベノミクスの是非を問う」とシングルイッシュー作戦を展開しても、ほか
    にも論点がある、「集団的自衛権だ」、「秘密保護法だ」、「原発再稼働だ」と言ってもも
    のごとには旬というものがあるのであって、どうにもこうにも唇寒しというものだ。
     それではアベノミクスで雇用が増えた、いや派遣だけだ、賃金が上がった、いや実質
    賃金が下がったとやったところで政権与党の土俵に乗ってしまって、メディアが公平
   な報道
してくれるのだからどうにも旗色が悪い。
     
     「景気回復にはこの道しかありません」と言われて、野党が異を唱えても説得的な対
    案を出せていない。それじゃいっそ、安倍ちゃんの土俵に乗って、政策の軌道はそのま
    までもさらに良い方法があるとしたら如何か?
     具体的に言うと、アベノミクス3本の矢のうち1の矢、異次元の金融緩和しか実は効を
    奏してしないのではないか。だから景気回復を実感できない、消費が伸びない、大都市
    と地方の格差は広がるばかりとなるのだ。3本目の矢、成長戦略がダメなのはいわずも
    がなだが、2本目の矢、機動的財政出動(公共事業)も十全に的を射ているとは言い難
    いと思うのです。

     実質的賃金が下がったというのは全国的要因のようでやはり東京(大都市)目線だと
    考える。地方は大企業の城下町か特別な観光資源がないのなら、やはり、土木、土建
    屋が地域経済のベースを支える。これらにポッポと火がともってからようやく「地方創生」 
    の議論ができるのだ。そもそも「地方創生」など1~2年で出来るものではない。  
     金融政策が一番足が早く、財政出動(公共事業)は半年~1年くらいかかるかもしれ
    ないが、「地方創生」とやらよりも早い。
     何を言っているか、財政出動(公共事業)は既にガンガンやっているではないか。
     どうもそうとは言い切れない事態が生じている。
     公共事業の入札不調が連発、増大しているそうだ。

      公共工事 入札不調、例年の2倍超 建材高騰・人手不足で   
       
       都道府県が平成25年4~12月に実施した公共工事の入札のうち、
       受注業者の決まらない「入札不調」などが占める割合は平均7・8%で、
       例年の2~3%に比べ急増していることが9日、共同通信のアンケート
       で分かった。 
                      ~ 産経ニュース ~



       入札不調:東海で急増…公共工事敬遠 名古屋、1年で3倍

       公共工事を発注しても業者の参加がなく成立しない「入札不調」が、
       東海3県の各自治体で急増している。2013年度、名古屋市では
       計180件と前年度の55件の3倍以上になり、岐阜市や津市では
       5倍に達する。今年度上半期も同様の傾向が続いている。27年
       に東京・品川−名古屋間の開業を目指し、13年には走行ルートや
       中間駅が公表されたリニア中央新幹線を見据え、名古屋駅前再
       開発など民間の工事が活況で、業者が公共事業は利益が出にく
       いと敬遠しているとみられる。
                             ~ 毎日新聞 ~



       北関東の公共工事、入札不調相次ぐ

       北関東の自治体で公共工事の入札不調が相次いでいる。
       茨城県坂東市と日立市は新庁舎の着工を来月以降に遅らせる。
       群馬県は県営住宅の電気設備の改修で近く4回目の入札を実
       施する。自治体は工事価格を上げているが人件費上昇に追い
       つかない。東京五輪を控えて人手不足はより深刻になる見通しで、
       公共施設の整備が遅れれば市民生活にも影響が及びそうだ。       
 
                              ~ 日経新聞 ~



       入札不調、震災前の4倍…被災3県・32市町村

       東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県と、沿岸部の32市町
       村が発注した工事の「入札不調」の発生率は2013年度、18・2%で、
       年度末に震災があった10年度(4・8%)の4倍近くに上ることが、読売
       新聞の調査でわかった。                                  
                      ~ YOMIURI ONLINE 



       国立競技場、解体工事の入札不調 東京五輪の主会場
       
       2020年東京五輪の会場計画見直しを舛添要一・都知事が表明した
       10日、主会場として建て替える国立競技場(東京都新宿区)の解体
       工事の業者を選ぶ入札が不調に終わったことが明らかになった。
       競技場を管理する独立行政法人、日本スポーツ振興センター(JSC)
       が9日付で入札価格が予定価格を上回る「不落」に終わったと公表した。
       JSCは近く再公告するが、7月中に解体に着手できない可能性が出てきた。 

                         ~ 朝日新聞 DIGITAL ~


 
     入札不調が例年の3倍だ、4倍だと言ったところで10~20%未満じゃないか。
     そう思われるかもしれないが、これらは2013年の対前年比であります。
     今年は10%増しで20~30%になってはしないだろうか?
     大手ゼネコンの営業マンから「設計は今、怖くて積算できませんよ」と聞かされたのは
    今年の前半ではなかったか。どうして怖くて積算できないのか、それは月単位といって
    いいほどの勢いで建築費が高騰しているからだ。積算しました、契約時には20%さら
    に建築費高騰していましたじゃ、話にならない。
     もはや建築費はバブルの頃に逆もどりだ。
     それなのに入札不調と資材高騰で仕事も利益もさほど多くはならない。
     それじゃ、地方経済は活性化しないでしょ。

     入札不調の具体例として吉田沙保里さんの名前を冠した津市のスポーツ施設をつけく
    わえておこう。入札の推移は次のとおり。

      ○ 1回目(昨年8月) :56億円  ⇒ 参加者ゼロ

      ○ 2回目(昨年11月):56億円  ⇒ 参加者ゼロ 

      ○ 3回目(今年5月) :80億円  ⇒ 清水建設を中心としたJV(94億円を提示) 

     3回やっても入札不調で89億円で公募することになった。
     松戸市の場合、市立病院の建て替えを136億円で公募して不調、入札を諦めて
     清水建設を優先交渉者に選び、193億円契約することになった。
      
                       ~ 日刊ゲンダイ より抜粋 ~


     56億円 ⇒ 80億円 ⇒ 89億円という予定価格の推移は月単位の建築費の高騰という
    表現が決して大げさでないことの証左だろう。
     さらに入札やめて随意契約となった松戸市の事例は、建築費暴騰時の入札制度その
    ものを再考させられる。「競争教」の信者は、競争入札こそ公正だと主張するが本当に
    それでいいのだろうか?入札しても中小建設会社には無理、スーパーゼネコンですら
    厳しいという状態になってしまっている。このままなら仕事は結局、スーパーゼネコン
    等体力のあるところに集中するだけだ。それも竣工予定を大幅に遅らせることにも
    なりかねない。
     ここは政治家の出番でしょ。こう言ってのける政治家はさすがに皆無か。

      談合でいいんです。

     デフレであるにもかかわらず、談合して不当に入札価格吊り上げて利益をむさぼって
    いるなら「談合はけしからん」ということになるだろうが、建築費暴騰時は違うような気
    がする。
     スーパーゼネコン1社に集中ではなくて、「A社はこっち、B社はこっち」と誰かが差配
    してさっさと工事着工した方が理にかなっている。いつまでも財政出動したカネが中に
    浮いて地方経済が沈んだままよりいいだろう。
     この差配ができるとした小沢一郎なのだが・・・・・。
     「また談合するつもりですか!」とか現場がわからないレンホーあたりがキャンキャン
    いいそうだから、誰もこんなこという政治家はいない。
     
     安倍首相が「景気回復の実感を全国津々浦々まで」というなら、公共事業の着工率
    をあげること、すなわち談合の復活こそ近道だと思う。
     「談合の復活」なんてとても言えないなら、せめて「公共事業推進法」とか何とか時限
    立法して一時的に入札を凍結して東京五輪後、建築費が正常化したらまた入札を始め
    ればいい。この法律には「建築費暴騰から各自治体は可及的弾力的な措置をとること
    ができる」とか何とか“ 霞が関文学 ”で煙にまいていつの間にかやっちゃえばいいのだ。

     「アベノミクス批判」、「実質賃金」とかいうもっともらしいフレーズで論争しているより
    足元のことに適切に施策することこそ政治家の仕事だと思うのだが・・・・・。




     


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