素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

シンギュラリティ (我々は、結局、AIのえさ、こやしになってしまうのか?) 前編

    



    AI関連記事の第3弾です。
    「大きな物語」に進む前に身近な事柄から始めます。
    AI、ロボットというと以前も述べましたが、我々の仕事が奪われるのではないかという疑
   念がまず頭をもたげてきます。

     オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フライ
     研究員が2013年9月、雇用に関する興味深い発表を行いました。
     彼らの調査・分析によると、今後10~20年の間にアメリカの労働者が従事する仕
     事の約47%がコンピューターに取って代わるそうです。この発表は世界に衝撃を与
     えました。

             (中略)

     いわゆる中間層の仕事が1つずつ奪われていくそうです。
     野村総合研究所も2015年9月に同じような分析を発表しています。そのレポートに
     よると、日本で働く人の49%の仕事がAIやロボットに代替されるということです。

      ~ 田村珠芳 著 「ついに国家が消滅し、人工知能が世界政府をつくります」~



    アメリカではトランプ大統領が国外に移転した工場をアメリカに呼び戻し雇用を創出しよ
   うとしています。これについてコスト(販管費)がかかり過ぎて結局、国内拠点を持つ企業
   はヒトではなくロボットを雇うことになるだろうという指摘がありますね。実際、先日、労働
   長官を辞退したアンドリュー・パズダー氏は経営するハンバーガー・レストランで今後、ロ
   ボットを導入すると言ってます。
    日本では人口減少、就労人口不足が予測され移民を入れるとか議論されていますが、
   49%もの人が仕事を失うならその必要はないでしょう。  

    足元を見ると、我々の業界でも既にAIが収益不動産の価格査定をしていたりする。
    ICT他の将来性・有用性が喧伝されていますが、既にAIが導入されたものもありますし、
   漸次、AIが導入されていくでしょう。
    シンガポールが交通(信号)管理にAIを導入していますが、香港でも地下鉄管理にAIが
   導入されているようです。
    AIが自己学習して自己進化していく様を「ディ―プラーニング」と言います。
    この「ディープラーニング」によって、AIは人間をはるかに超える飛躍的進化を遂げるの
   ではないかと予想されています。
    AIの進化の到達点がシンギュラリティ(=「2045年問題」)です。
    シンギュラリティに到る過程をAIの世界的権威レイ・カーツワイル氏が予想しています。

     〔2020年代〕

      ・ナノテクノロジーの革命が開始される。
      ・AIが教育を受けた人間と同等の知性へと到達する。
      ・サイズが100ナノメートル未満のコンピュターが登場する。
      ・最初のナノマシンが医療目的のために実用化される。
      ・血液に入ることが出来るナノロボットが実用化される。
      ・仮想現実は本当の現実と区別がつかないほど高品質になる。
      ・一部の軍事無人偵察機や陸上車両は100%コンピューター制御となる。

       
     〔2030年代〕

      ・精神転送(マインドアップローディング)が成功、人類がソフトウェアベースになる。
      ・ナノマシンを脳内に直接挿入し、脳細胞と相互作用することができる。
       その結果、真のバーチャルリアルティーを、外部機器を必要とせずに生成するこ
       とができる。
      ・記憶用脳ナノボット、または「経験ピーマー」が人間の日常生活をリアルタイム
       情報脳伝送を使用して、他人の感覚を「リモート経験」できるようになる。
      ・脳内ナノマシンは脳の認知、メモリ・感覚を拡張することができるようになる。
      ・ナノテクノロジーは人の知性、記憶、人格の基礎を変え、人々は自分の神経接続
       を自由に変更できる。
    

      〔2040年代〕

      ・人々はマトリックスのように、仮想現実で時間の大半を過ごすようになる。
      ・「ファグレット」(人体を取り巻くナノマシン群。人間の外見を自由に変化させる)が
       使用される。
       
      〔2045年=シンギュラリティ〕

      ・1000ドルのコンピュター(極めてローエンドのコンピュターと言う意味)が人類すべ
       てを合わせたよりも知的となる。
      ・AIが地球上で最も賢く、もっとも有能な生命体として人類を上回る。
      ・新しい世代のAIが次のAIを開発する自己改善サイクルの「暴走反応」に入る。
      ・暴力的なマシンによって人類が絶滅させられる可能性はありえなくない
       (あるともないともいえない)。
      ・サイボーグ化で強化された人間とコンピューターにアップロードされた人間が誕生
       し、人間と機械の「明確な区別」が消える。
       
                            ~ 引用 同上 ~



     2040年代、映画「マトリックス」のように多くの人が過半をバーチャルな世界で過ごす
    ようになる。スマホは93年アップルのPDAあたりまで遡るのかもしれませんが、本格的
    には2007年の i phone からだろう。まだ10年程度ですが、スマホが年中離せない人
    は少なからず存在する。今日の20代に孫が出来る頃、映画「マトリックス」のようになる
    のかと思っていましたが、もっと早いようです。
     もっともウォシャオスキー兄弟はレイ・カーツワイル氏の予測を元に「マトリックス」を作
    ったそうですから両者が符合するのは当然でしょう。
     もう一つ、忘れてはならないのは「マトリックス」の中で人々はバーチャル空間に生きて
    いただけでなくて、AIのエネルギー源(えさ、こやし)になっていました。
     これですね、「何だバーチャル空間に居たのか、俺は?」と思ってあたりを見渡すとみ
    んなチューブでつながれてAIのエネルギー源になっている。

    マトリックス 1

    マトリックス 2

                                - 出典 「マトリックス」 -


     人々がバーチャル空間の住人になることはある程度、納得できたとしても、いくら何で
    もそんなことあるかと思っていたのですが、どうもそうではないようです。
     AIがデイ―プラーニングして自己学習するに際して不可欠なものはビッグデータです。
     今ところ、ビックデータはビジネスにおいてあらゆるものの最適化に資するものと認識
    されていると思います。ビジネスだけでなく行政、地下鉄、交通管理等のシステムに使
    わている場合でもすべてに共通するのは「最適化」でしょう。
     「ビッグデータは実に効率よく有益だ」と多くの人が考えている。 
     さらにスノーデンが暴露したNSAによる人々のメール、スマホ通話記録、SNS、GPS、
    監視カメラによる位置情報は第一義的には「監視目的」です。
     同時にこれらは「ビッグデータ」として蓄積されているはずです。

     ここまでは、現在、誰にでもわかることですが、メール、スマホの通話記録、SNS、人、
    車両等の移動情報、検索エンジンによる検索項目等々によって収集されたビッグデータ
    がAIのデイ―プラーニングに資するなら、我々の発言、行動、思考、嗜好等々はすべて
    AIのえさ、こやしと言っていいのではないか?
     我々がつぶやき、検索し、通話すればするほどAIを育てることになるのです。

     映画「マトリックス」で人々がAIのエネルギー源(えさ、こやし)になっている様は、メタ
    ファーとして考えれば実に的を射ているのです。


     
                                (つづく)









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