素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

放射能汚染水が大変だ!では、広島は?長崎は?ビキニ環礁は? 中編

   



   今から60年以上前、1950年代は大気圏内の核実験がすごい勢いで行われた。
   前回、ピックアップしたのは米国が太平洋上で行った核実験だけ、同国はネバダ州の実
  験場で63年までに13回、その他ニューメキシコ、アラスカで1回づつ核実験を行っている。
   大気圏内の核実験はこれにイギリスが6回、フランスが3回、さらに旧ソ連等の核実験が
  加わる。部分的核実験禁止条約が63年に締結され、以後、核実験は地下実験の限定さ
  れるまで大気圏内は放射性物質が渦巻いていたと言っても過言でないだろう。
   いや、これら放射性物質はすぐに消えたわけではなく、60年代は似たような状況だった
  のかもしれない。

   もう一度、太平洋上に限定して米国の核実験に絞っても、1946~63年の核実験を
  単純に累計すると爆発総数109回、総出力量合計約154.2Mt(154,203Kt)の
  核実験が行われたことになる。広島原爆の総出量は15Kt、長崎原爆は21ktだから、
  この二つの原爆総出量合計の約4283倍相当になる。

   広島、長崎の合計の約4283倍!
  
   米国当局は問題ないと言うのだろうが、H氏曰くのように軍事機密なのだから本当のこと
  など言うはずがない。
   どう考えても太平洋は、少なくてもマーシャル諸島は放射能汚染したでしょう。

   米ソ冷戦という時代背景で昨今のような環境問題など俎上に上がらなかった。
   1951年には米国で世界初の原発が稼働し、「原子力の平和利用」が信じられている
  時代でもありました。原子力の50年代であると同時に宇宙、コンピュター、半導体、
  軍事兵器(核兵器)等々が次々と開発に着手された時代であった。
   いくつか例示するなら、

    ○ 形状記憶合金発表(51年) ○ 太陽電池発明(54年) ○ 東京通信工業(ソニー)
     トランジスタラジオ発売(55年) ○ 日本電気コンピュター開発に着手(55年)
    ○ 放送用VTR実用化(56年) ○ ダートマス会議(人工知能会議)開始(56年)
    ○ 人工衛星スプートニク打ち上げ(57年)○ ICBM(大陸間弾道ミサイル)開発
     (57年) ○ NASA設立(58年) ○ ソニー誕生(58年)○ VTR国産化(58年)

   「科学の世紀」と言われる20世紀の基礎となる科学技術の多くは30年代から戦中に
  かけて芽生え、50年代から60年代にかけて爆発的に開発されていったのであります。   
   50年代から60年代初頭にかけては、「科学」がもたらす未来を信じて疑わない、
  まさしく「科学の時代」であったといえよう。


    1951年
     1951年 米国で原発が始まる。小さくて見づらいかもしれないが、
     「電子力と原子力」の欄の一番上には「ネバダ州で初の核兵器使用演習」
      一番下には「電力再編で9電力会社が誕生」と書かれている。
      これら三者はやはり連動する。

                      ~ 出典 松岡正剛 編 「情報の歴史」~
      
   
   「科学の時代」は同時に「モダン」がモダンらしかった時代でもあります。
   1954年、プレスリーが旋風を巻き起こし、ロックの時代が始まり、以後、Brandnew
   Single、Brandnew Albumが科学技術のイノベーションと呼応するがごとく、「時代」
  を塗り替えていく時代が始まります。すなわち、「モダン」がモダンらしかった時代だった
  のです。この時代、基本的に後なんか振り返らないのです。 
   自動車の後から出る排ガスが問題となるのは70年代になってからです。
   核実験の排ガスたる放射性物質は確かに問題ですが、遠い国で起こっているぶんには
  今ほど神経をとがらせなかったと思います。
   そうは言っても、太平洋が放射能汚染されていなかったとは考え難い。
   ハデにどんぱちやっていたのだから。
   太平洋全体の視点に立つと不謹慎と言われようが、汚染水を巡る言説の“ チャブ台返
  し ”と言われようが敢えてこう暴論を吐きたくなります。
  
    「福島原発汚染水漏れ!たかが原発事故じゃないか!」

   どう考えても太平洋で行われていた核実験に比べれば原発事故は矮小化して見えて
  しまう。(確かに遥かに遠いマーシャル諸島ではなく、福島が現場だという点では
  重大で深刻だが、太平洋全体から見ればこのような結論に辿りつく。)
   ドイツのシュミレーションでは福島原発の汚染水で太平洋全体が放射能汚染まみれに
  なるそうですが、ホントでしょうか?  
   仮にホントだとしても、50年代の太平洋上の核実験でとっくの昔に汚染まみれではな
  いのかな?いやいや、核実験は瞬間だけど福島の汚染水はずっとダダ漏れだから
  こちらの方がヤバイ?でも、米国の太平洋上の核実験は50年代毎年のようにやって
  いましたよ。
   何たって46~63年の太平洋上の核実験総出量合計は広島、長崎の4283倍ですから。
   米国西海岸のマグロが1年前から放射能汚染されているって?
   50年代だってそうだったんじゃないでしょうか?
   秘匿され発表されないだけだったんじゃないのかな?

                                     (つづく)   


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