素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

出雲路を行く 後編


   
   初日の宿「松琴館」では自販機を含めコーヒーはなかった。
   私は和食であろうと何であろうと朝、コーヒー飲まないといられないことから、宿の人に安
  来駅まで送ってもらってからコーヒー飲めるところはないかと街を彷徨い歩いた。
   この時期の出雲の天気はパラパラと雨が降っては止み、晴れるわけでもなくどんよりとし
  た空模様が続きまたパラパラ降ってはすぐ止んで重苦しい灰色の空が広がるという具合
  です。
   割烹
 この天候と同じとは言わないが、ロンドンは
 近いような気がする。「スカッ」と晴れるこ
 とがなく、鉛色の空が重くのしかかる日々が
 続く。でも、そんな気候のもとに文化は生ま
 れるのではないかと思う。文人墨客を多く
 輩出するこの地方の観光案内を見ていると
 そう思えてくるのだ。そんなことを考えなが
 ら安来駅前通りを歩いていると店舗は少なく
 ても割烹料理屋を見つけた。
   
         割烹 山常楼       
   
   「サルビア」という喫茶店を見つけ飛び込んだ。
   かなり本格派で「何でもいいからコーヒー」なんて言ったら怒られそうだ。
   あら、棚の上に見えるのはダイヤトーンのスピーカーではないか。

サルビア

    私  「ご主人、あのダイヤトーンのスピーカー鳴らしてもらえませんか?」

    主人 「よく、わかりましたね。お好きなんですか?」
    
    私  「ええ好きですよ。」

    主人 「もう45年使っています。最近はあまり鳴らしませんけど。」

   45年ということから、これはダイヤトーン(三菱電機)の2S-305Dと判明。
   NHKのスタジオモニター用に開発された名器2S-305を家庭用にしたもの。
   2S-305は中学生の頃、NHK千葉放送局で聞いて以来聞いていない。
   周波数帯域 50hz~15Khzとナローレンジなのだが実にバランスいい。 

    私  「アンプはどこのですか?」

    主人 「アンプはセパレートでプリもパワーも両方ともダイヤトーンです。」

   この頃にになるとうちとけてレジカウンターの裏側にズカズカと入ってカンター下の
  アンプをのぞいてみる。(後にDA-A100、DA-P100と判明)
   「パワーアンプは300W+300Wにもなるんですよ。」と説明してくれた。
   「凄いですね、マッキンのMC2300みたいですね。」「あれをマネして作ったら
  しいですから。」「それじゃ、トランスがあるのですね。だからちょっと球(真空菅アンプ)
  のような音がするわけだ。」などとマニアックな会話が続く。
   ここで少し注釈、若い方にとってMacintoshといえば、アップル、PCのことでしょう。
   でも、私らにとってMacintoshといえばPCの前にアンプのことです。    

MC2300 コーヒー雑誌
      MC2300                うず高く積まれたコーヒー雑誌

   さらにうちとけると、息子二人が共にバリスタだと主人は語り始めた。
   兄弟そろってバリスタ日本一となり、長男は3回、日本一になって、ついにバリスタ世界
  第2位にまでなったのだという。それは凄い!これは行くきゃないと「足立美術館」を経由
  して松江にある次男の店に向かう。
   そういえば、今夜の宿を決めていなかった。まあ~、いいやどうにかなると後回し。
   でも、松江城、塩見縄手など名所・旧跡を見ているヒマはない。これらをスルーして次男
  の店「VITA」へ直行する。

VITA
             CAFEE VITA   HPはこちら

VITA 店内 VITA カプチーノ
     何やら撮影していた。

   松江駅に戻ると、PC開いて出雲大社近くの宿を探すが、どこも一杯と表示される。
   PC上は無いと表示されても空いていたりするんだよと開き直り目ぼしい宿に電話する。
   ほら、出雲大社大鳥居そばの「竹野屋」さんが空いているじゃない。


竹野屋 全景

竹野屋 廊下 竹野屋 広間

竹内書1 竹内書2
   竹内まりあさんの書            竹野屋さんとはどういうご縁でしょうか
                           なんてトンマなこと言っていたら彼女の
                           生家でした。 
    
   翌日の天気予報は「晴れ時々雨」だった。朝起きると、どんより曇っていたが、まだ降って
  きていない。さっさと参拝済ませようと出雲大社へ急ぐ。結局、雨に降られることなく参拝を
  すませたが、古代出雲歴史博物館で長居して一畑電車に乗り遅れる。次の電車まで1時間
  弱ある。昼飯食うひまはないし、サンドイッチでもつまむかと喫茶店に入る。
   隣の話好きのお婆さんがやたら話しかけてくる。若い、とても85歳には見えない。
   70歳くらいの印象だ。聞けば6人子供がいるそうで、全員、東京へ出すため保険の営業
  でがんばってきたとか。「あたしは出雲の奥の豪邸しか行かないの。いつもトップセールス
  でしたよ。」これをリフレインする。「旦那の商売は左前で、実質、私が家計を支えていた。」
  という。髪の毛はウィッグだろうが、肌なんかテカテカしちゃって若い。ニコニコ笑いながら
  話す様は大国主命(大黒さま)の化身のように見えてきた。 
   「はじめから保険の話をしちゃダメ。おうちを褒めるの、とにかく褒めるの、くさしちゃ
  ダメ。」ナルホド、トップセールスだった片鱗が伺える。
   そろそろ時間だ。「なんか『 鶴瓶の家族に乾杯 』 みたいになってしまいましたね。」と
  私が言うと、店内の一同、爆笑。
   さて、残りは長男の店だ。一畑電車の「出雲大社前」駅へ急ぐ。
   
一畑雪 一畑カラフル
  雪が一畑電車内にも
 
   長男の店、「CAFE ROSSO」は安来と米子の中間くらいに位置する。
   車じゃないといけない。結構、時間がタイトだ。1時間以内に駅に帰ってこないと、特急出
  雲に間に合わない。この特急逃すと、1時間以上、特急はない。チケット買った岡山発の新
  幹線に間に合わない。「どうしよう、諦めようか」と思ったが、それはもったいない。
   特急の中でグーグルマップ開いて駅から店までの所要時間を目測で計算する。
   どんなに道が混んでも30分はかからない。20分もあれば十分でしょ。
   往復40分で、コーヒー1杯、エスプレッソ1杯飲むのに10分もあれば十分だ。
   よしGOだ、よりタクシーがプールしている米子で降りてタクシーに飛び乗る。
   ここへ行ってくださいと地図を示す。「何分くらいかかりまか?」と問うと、
  「15分はかからないでしょ」と返ってきた。実際、12分で着いた。宿代を始末
  (節約)したのでいいだろうと「コーヒー1杯飲むまで待っていてくれませんか?」
  とタクシーに待ってもらうことにした。

ロッソ全景
            CAFE ROSSO  HPはこちら

ロッソ店内 門脇 兄
                           こちらはお父さんの店にあった。
   
   エスプレッソを注文した。
   ウマイ!!!  
   こんなうまいエスプレッソは始めてだ。
   今まで飲んでいたエスプレッソとは別物だ。
   コーヒー豆のエッセンスをまろやか~に絞り出した1杯でまさにエスプレッソだ。
   県外からの来店客がひきもきらないのがうなずける。
   さすがは日本一のエスプレッソ、世界第2位のエスプレッソだ。
   やっぱり来てよかった。
   味わってかなりゆっくり飲んだがレジ済ませ店を出るまでの所要時間17分。
   楽勝で特急に間に合った。

   帰りのタクシーで運転手さんに問いかけた。

    「(足立美術館やこの二人のバリスタを思い浮かべながら)こちらの人は、
     なんか日本一になってしまいますね。やっぱり松江藩があったのが大
     きいんじゃないでしょうか?何たって松平のお殿様ですから。」
   
   答えて曰く、

    「そうですね。明治維新の時も松江城は壊さなかった。米子城なんか壊して
     焚き木として燃やしちゃったんですから。それに大和朝廷の頃も出雲は
     独立した勢力だったらしいですから。」
   
   やはり地方は伝統とプライドがないとダメだな、フトそう思いました。

   松江城、塩見縄手、可部屋集成館、因幡の白ウサギの白兎神社、熊野神社、水木しげる
  記念館、水木しげるが妖怪描いた大山寺塔頭・圓流院、奥出雲たたらと刀剣館、出雲日崎
  灯台、倉吉白壁土蔵群等々。

   出雲、伯耆、因幡の名所・旧跡はほとんど見れなかった。
   (やはり、車でないと無理だな。)
   でも、私にとっては大満足の旅でした。
   それにDAIGO君も言っているように「縁」という言葉をかみしめました。

            運は一瞬、縁は一生。


   また、必ず出雲を訪れてみたい、そう思わせる素晴らしき出雲路でした。

                                  (了)

  





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