素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

その先の「 町づくり 」 へ VOL.1

   


 
   たまには私の仕事関連の話をしよう。
   ずばりそのものではないが関連する分野、いわゆる「町づくり」についてです。
   今や「日本再生」を説かない政治家を探すのが難しいように「地域再生」が叫ばれて久しく
  「成功事例」というものがリストアップされている。例えば、

    ○ がんばる商店街77選(中小企業庁)
   
    ○ 街に人を呼び込んだ全国成功事例20(ダイヤモンド社)

    ○ 住みよい街ベスト50(心交社)

   医療や社会保障、待機児童等々、いろいろあるが地域行政で「地域再生」が重要かつ本
  質的な課題ではないかと思う。
   「地域再生」、「都市活性化」とは何なのか、久繁哲之介 著 「地域再生の罠」を中心にひ
  もといてみたい。

   久繁氏曰く、「成功事例」の模倣という発想自体がそもそも間違いの始まりだそうだ。
   「成功事例」は大きな欠陥があるのだと言う。

    Ⅰ 専門家が推奨する成功事例のほとんどが、実は成功していない。

    Ⅱ 稀にある「本当の成功」は、異国や昔の古い話であり、しかも模倣が
      きわめて難しい。


   そんなバカなことあるかと町おこしのリーダー、市町村の役人は成功事例の視察を繰り返
  し、結局、はかばかしい成果を上がられずにいるのが現状ではないだろうか?
   久繁氏は人口30~50万人の県庁所在地6つ(宇都宮市、松江市、長野市、福島市、岐
  阜市、富山市)にスポットをあて喧伝される「成功事例」というものが実態と如何にかけ離
  れているかを浮き彫りにする。
   (千葉市も県庁所在地。千葉市街の商業地域は地価下落率全国ワースト1位になったこ
    ともあるくらいでそのダメさ加減は他人事ではない。私が高校生の頃の千葉市街の方
    が人通りがあって賑わいがあった。)

   「がんばる商店街77選」にもリストアップされている長野市の「ぱてぃお大門」への来訪
  者はランチタイムの30分でも20人程度でとても賑わっているとはいえない。
   ネットに公開されているのはイベント開催時の賑わっている様子だと付言されている。
   「ぱてぃお大門」の場合、街を歩く人が少な過ぎるわけではないが、集客が売上につな
  がっていないようだ。メイン観光スポットの善光寺の裏手に位置してそもそも高齢者がわざ
  わ足を運ばないうえにレトロな外観を装っても値段が高くてランチ客も足が向かないと指摘
  している。久繁氏はその対策として次の2点を挙げている。

    ① 対象顧客はツアー観光客に絞り、観光業界と地域の連携を図る。

    ② スローフード飲食店として、まず地元市民に愛用される。
      その評判を個人観光客へ広げる。
   
   ①についてはいわゆる「小樽3点セット」、すなわち「鮨食わせて、運河歩かせて、お土産
  にガラス買わせる」を例示し、②については福島市街地で「屋台村」と全国チェーンの居酒
  屋どちらの店構えを若者が嗜好するか説明している。
   ①はこ洒落れたことやめて観光バスツアー客に絞り込む戦略で納得いくが、②について
  どうも違和感を感じざるを得ない。別に若者の迎合することが地域再生につながるとは思わ
  ない。
   そもそも私は「和民」」のような居酒屋チェーンが大嫌いなのであります。どうも学生の頃
  に引き戻されるようで酒がまずくなる。「和民」のような大手居酒屋チェーンが地域に食い込
  めば「太田和彦の居酒屋紀行」や「吉田 類の酒場放浪記」に出てくる居酒屋が厳しくなる
  ということです。日本全国同じような酒場になりそれこそ「ファミレス風土記」の世界ではな
  いか?確かにオヤジがとぐろ巻いている居酒屋はあっしも御免です。これら居酒屋と同じ
  酒、メニューを揃えたオヤジが入りづらく女子が入りやすい店を作ればいいのです。結構、
  じわじわ増えているような気がします。先日、入った牛タン屋も女子ばかりであっしは入りづ
  らかったですから。新宿のベルクなどは年配者も少なからずいますが、「オヤジぃ」はいま
  せんし、品揃えも良くていい店だと思います。(新宿BERGはこちら

   居酒屋談義しているわけじゃないので先へ進めましょう。
   模倣が困難な成功事例として全国的に有名な徳島市上勝町の「葉っぱビジネス」が取り上
  げられている。この「葉っぱビジネス」は80年代後半に既にある程度の成功を収めてい
  たのだが、筆者曰くの土建工学者の常識からはあまりにかけ離れていたのだ。
   彼ら土建工学者が認めるまでは相当な時間が必要だった。
   久繁氏はビジネスモデル、スキームの安易な模倣では成功できない事例として上勝町を
  引き合いに出しているが、模倣困難な部分は実はきわめて常識的だったりする。

    徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」が他の追随を許さない秘密もここにある。
    市場が求める葉っぱの種類と量をリーダーが市民に伝達すると、市民がしっか
    りとそれに応える仕組みと信頼関係が、上勝町にはできあがっている。

                ~ 久繁哲之介 著「地域再生の罠」~


   「リーダー」と「チームワーク」と「信頼関係」、常識的と言わざるを得ないだろう。  
     
   「ラーメン屋始めるのに失敗したラーメン屋の話を聞いてもしょうがない」
   確かにそのとおりだが、世の中には畑村洋太郎先生の説く「失敗学」なるものもあるの
  だから「成功事例」と共に「失敗事例」も必要かと思うのです。

                                (つづく)







 
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