素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

いつになったら東北は復興するのか? VOL.2

   



   東北は津波、原発事故があったのだから阪神大震災や四川大地震の時とは比べてもしょ
  うがないという言説あるが本当だろうか?
   原発事故のあった福島はともかく、津波のがれき処理は1年程度で済んでいるはずだ。
   中国の四川大地震では2年半あまりで500万戸の住宅建設をほぼ終わらせているのに
  日本はがれき処理がほぼ済んだ約2年で何をやってきたのか?
   2万1811戸の災害公営住宅のうち完成したのは509戸(2%)に過ぎない。
   中国は共産党独裁国家であって用地買収もいざとなれば強制収用できる。
   北京オリンピックの際、北京の胡同(フートン)があちらこちらで姿を消した。
   民主主義国家と独裁国家の違いを加味しても日本は遅すぎる。

   SAPIO 2014年4月号によれば遅々として住宅建設が進まない理由をして以下の項目
  が挙げられている。

    【用地確保の難航】
     東北のリアス式海岸は海のそばまで山が迫っており、そもそも移転できる平地が
     少ない。
     さらに境界や正確な面積が確定されないうえに未登記で相続関係がはっきりし
     ない土地も少なくないことが用地確保の困難性に拍車をかけている。

 
    【マンパワー不足】
     土地の相続人が不明の場合、家庭裁判所から相続財産管理人が選定されるが、
     この相続管理人が不足している。この事態を受けて安倍政権は特別措置を講じ
     管理人約500人を確保。裁判所の手続きも半年かかるところを3週間に短縮
     した。それでもまだ事態の全面解決には至らない。相続管理人は相続人が一切
     不明の場合に限られているが、被災地は一部だけ不明な場合が圧倒的に多いと   
     いう。日本商工会議所は一部の相続人が不明な場合も特別措置を講じるように
     要請している。
     さらに集団移転や区画整理のノウハウを持った職員が絶対的に不足しているこ
     も事態を遅らせている。

    
    【資材、人件費の高騰】
     国土強靭化のもと東北の他、全国の至るところで公共事業が行われ資材、建設
     労働者が不足し公共事業の入札が不調に終わっていることは既に報道されて
     いる。東京五輪開催がこれに追い打ちを掛けているのだ。
     取引先のゼネコンによると、今、設計は積算するのが怖いのだそうだ。  
     契約時、着工時、竣工時とどれだけ建築費が高騰するか不安だからだ。
     「3.11」前、2010年と今ではRC(鉄筋コンクリート造)だと建築費
     が1.5倍に迫るほど高騰している。
     12年か昨年に今ごろで1.25倍くらいだったから恐ろしい程の建築費高騰だ。
     

    【難航する住民の合意形成】
     遅々として進まぬ公的住宅整備にしびれを切らせて自力で自宅を確保する人や
     人口流失が元の街再建、高台移転の際の住民の合意形成をさらに妨げている。

   これらのうち、物理的にどうにもならないのは東北のリアス式海岸くらいだろう。
   その他は法律・制度の問題、リーダー不在の問題といえる。政治家はリーダーでなけばな
  らないし、法律は政治家によって作られ変えられるのです。
   つまり、復興が進まないのは政治家の問題と結論づけられる。

   遅々として進まない住宅建設、町づくりとは逆に着々と進行しているのが総延長400km
  総事業費約8500億円の防潮提だ。   

    震災後、政府は国土交通省と農林水産省の課長通知(11年7月)で、復旧・建設す
    る防潮提を明治三陸沖地震など「レベル1」(L1)と呼ばれる「数十年から数百年に
    1度」の規模の津波を防ぐ高さにする基準を定めた。 
    例えば、気仙沼の奥に位置する鮪立(しびたち)地区では町史に明治三陸沖津波の
    高さが4mと記録されている。だが、県の担当者が説明会で示した防潮提は2倍以
    上の9.9m。
    「5mで十分」という住民たちの声に県側は「L1の津波を想定したシミレーションの
    結果だ」と押し切った。
    宮城県の村井嘉浩知事も会見で各地の住民の要望に対してこう強調した。
    「住民の皆さんが『この高さでいい』と言っても、どう考えても命を守れない場合は
    わかりましたとは言えない」

                      ~ SAPIO 2014年4月号 ~


   気仙沼をはじめとする東北の海岸を10mもの防潮堤で固めることについては親友Iと話し
  た際、全く同じ意見で一致した。

    「バカバカしいの一言に尽きる。景観もへったくれもない海岸になっちゃう。
     数十年、数百年、千年に一度の大震災のために10mもの堤防つくるなんて。
     “ 地震の時はてんでんこ”、東北のおばあちゃんの言う通りだよ。
     自助努力で死ぬ人は死ぬ、助かる人は助かると割り切るしかない。」

   もちろん、万里の長城のようなこの防潮提建設に異議を唱えている論客もいるのです。
   東京大学生産技術研究所の太田浩史講師(都市再生学)はこう批判する。

    「津波防災には、高台移転や防災道路などいろいろな方法がある。防潮提はあくまで
    も選択肢のひとつ。本来なら各地で防災計画を先に策定すべきだったのに、国の中央
    防災会議は3.11の直後(11年6月)に防潮提建設提言し、震災から半年後には
    各地で建設計画がまとめられた。急いで決めたからシミレーションは粗いし、高さの
    検証も不十分。自治体は防潮提建設を前提に災害危険区域を指定したから、高さを変  
    更すると防災計画全体を見なおさなければならない。だから頑なに計画の高さを変え
    ようとしない」

                           ~ 引用 同上 ~ 

     
   ここから読み取れるのは昨今の定石「拙速」と従来型の「一度走りだした公共事業は止め
  られない」ということであります。しょうもないですね~。
   「その先の町づくり」で述べた土建工学の権化そのものではないか。
   そんなこと言っても津波が来たらどうするんだ。
   本日押し寄せたチリ地震による津波なら5mで十分だし、「3.11」のような千年に一度の
  大地震なら10mの防潮提でも足りないのです。L1ではなくてL2(レベル2)の防潮提でな
  いとならないそうです。つまり10m以上の防潮提でないと防ぎきれないというわけだ。
   そもそも「3.11」は天然の地震じゃない。人工地震というものが存在する限り、10mの
  防潮提作ってもそれを上回る規模の地震を起こし津波をつくればいいだけのことです。
   やはり「3.11」の真相が明らかになったら世の中変わる一つの具体例が防潮提建設だ
  ろう。
  
   SAPIOはどうにも止まらない防潮提建設について政・官・業の癒着構造で解説している。 

    自民党は参議院選を控えた昨年2月、日本建築連合会(日建連)に〈(自民党は)「強靭
    な国土」の建設へと全力で立ち向かっております〉という内容の文書で4億7100万円
    の献金を要請したことが判明している。

                          ~ 引用 同上 ~
  


   日建連はゼネコンやマリコン(海洋土木)が加盟する国交省の天下り機関だという。
   夜明け前が一番暗いというが、「急きょベンさん」で述べた「新しい時代の扉は確実に開き
  かかっている」とは真逆の事態が一方で進行している。
   どうしようもなく煮詰まった従来型が居座っている。
   静岡県や愛知県では東海地震や東南海地震に備えて巨大防潮提建設計画が動いてい
  て、このままではこの国の海岸線はコンクリートと鋼鉄の壁で固められてしまうとの危惧を
  表明してこの記事は締めくくられている。

   鳩山元首相は「コンクリートから人へ」と言って何をうすら甘いことを言っているんだとせせ
  ら笑われた。
   今こそ「コンクリートから人へ」ではないか!

   何でもかんでも公共事業止めればいいと言うものでもないが、逆に何でもかんでも公共
  事業やればいいというものでもあるまい。

   国土強靭化というが今こそ「コンクリートの壁」(=バカの壁)を打ち破る強靭な思想が必
  要とされていると私は考える。

                  (つづく)






    
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