素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

いつになったら東北は復興するのか? VOL.3

   



   生活の基盤である住宅再建すらままならないというのに「ただの復興ではダメ!黄金の復
  興だ」といっても唇さむしというものだろう。
   確かにそうなのだが、まずは「黄金の復興」とやらを大前研一氏に聞かせてもらおう。
   2011年時点で大前氏は財源なき大型補正予算は国債暴落につながると警告を発したり
  計画停電について語ったりしている。
   これは当時は関心事であっても今となってはどうでもいいことなので省略するとして、彼
  はこの機会に中央集権から地方分権へと統治の大転換を図るべしと提言している。

    具体的な方法は、今、ローカルに大きな支持を得ている“ 変人知事 ”や“ 変人市長 ”
    のパワーを利用し、道州制移行に向けた第1ステップとして5つの「都」「州」を作る
    のだ。橋下徹大阪府知事の「大阪都」(できれば京都と合併して「本京都」)、河村た
    かし名古屋市長の「中京都」、泉田新潟県知事の「新潟州」、そして県内に政令指定都
    市が複数あり、その市長と知事の仕事がダブっていて非効率的な「福岡都」、「神奈川
    都」だ。
    この5つの「都」「州」それぞれに世界からヒト、企業、カネを呼び込んで自立する
    “ 経済繁栄ビジョン ”を描いてもらう。自立するために必要な権限は、すべて中央か
    ら移譲する。
                    ~ SAPIO 2011年 4月20日号 ~

  
   「ヒト、企業、カネを呼び込む」か、15~20年前の私なら諸手あげて賛成しただろう。
   大前氏の言うこととTPPが結合したらどうなるか今さら述べるまでもないだろう。
              (過去記事「やっぱり来たか!道州制推進!」参照されたし)

   大災害の後に新自由主義を一気に推進することは、「ショックドクトリン」そのものでは
  ないか!
   ここでも「3.11 人工地震」がコンサルティング脳に楔を打ち込む。
   「3.11 人工地震」の首謀者は日本からカネをせしめることが主たる目的の一つだった
  が、その下にぶら下がっているグローバル企業は「3.11」後のショックドクトリンを遂行
  せんとし手ぐすね引いて待っているのだ。
   東北の人には申し訳ないが、遅々として進まぬ復興はもっけの幸いかもしれない。
   「復興」の美名にもとにショック・ドクトリンを一気呵成に進められたらたまったものでは
  ない。”チームドラゴン ”と称していた松本龍氏が村井宮城県知事に「上から目線」でものを
  言ったことが不興を買った。見方を変えればこれは松本氏(土着利権)と村井氏(松下政経
  塾 ⇒ 新自由主義)の戦いでもあったのです。

   大前氏は大津波から住民を守るため巨大な防波堤、防潮堤の必要性を説いている。
   でも、すべての港に作るべしと言っているのではなく、宮古、釜石、仙台塩釜、気仙沼など
  重要な港だけに限っている。
   それが400kmになってしまうとは・・・・・。

   単に復旧ではジリ貧な産業があるのであって、その一つが漁業であります。
   データが雄弁に物語っている。
    
    【全 国】

     〇 漁獲総生産量 1280万t(80年代半ば)⇒ 480万t(1/3)

     〇 漁業従事者  109万人(49年)    ⇒ 20万人(1/5)


    【被災地】~岩手県~ 

     震災後では漁業従事者16%減。

   こんな状況だからか、宮城県内142漁港のうち60漁港を拠点港と位置づけ、水産
  加工施設などの機能に集約する計画だという。漁業を廃業にする意向の人も少なくない
  という。
   規模が小さくてこのままでは立ち行かない様は、耕作面積が小さい農業と構造的に似て
  いる。
   全国の漁業従事者の40%が60歳以上と高齢化していて沿岸漁業従事者の平均年収が
  251万円だという。農業同様補助金と漁業補償で何とか食っている人も少なくない。   
   片やノルウェーでは漁業従事者の年収は580万~1000万円で60以上の漁業従事
  者の10%程度であって日本と好対照といえる。
   
   漁業の特区構想には漁協が反対していると言う。
   彼らを「抵抗勢力」と一刀両断にするのはどうかと思うが、かと言って今のままでは
  東北、いや日本の漁業は衰退の一途を辿ることは自明のことだ。
   千葉県香取市の6次産業化した農業集団の平均年収は3000万円以上と記憶している。
   漁業も従事者の平均年収を上げないとならない。
   そうすればブラック企業より漁師の方がいいと若者も参入してくるだろう。

   東北の復興を考えることは日本の未来を考えることにつながると改めて思い知らされる。

                                  (つづく)




  


スポンサーサイト

政治 | コメント:0 |
<<いつになったら東北は復興するのか? VOL.4 | ホーム | いつになったら東北は復興するのか? VOL.2>>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

| ホーム |