素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

いつになったら東北は復興するのか? VOL.4

  



   前回、東北の復興について考えることは日本の未来について考えることにつながると述
  べた。
   見方を変えるなら、今の東北復興の過程に従来型のどうしようもなく煮詰まった部分が集
  約されているとも言える。総延長400kmの防潮提(=バカの壁)に顕著な“ コンクリート
  信仰 ”がその一つです。
   土木における“ コンクリート信仰 ”とパラレルなのが原子力ムラの何が何でも原発推進だ
  ろう。今やアメリカやフランスよりも原子力にこだわる国が日本ではないか。
   (情報筋によると原子力大国・フランスでも自然エネルギーじゃない次のエネルギーを標
    榜し始めているという。)
   そんなに原子力にこだわるなら核のゴミにももっとこだわってもらいたいものだが、それに
  ついて「思考停止」と言われても仕方ない状態だ。これが原発事故のあった福島県の復興
  にも影を落としている。福島県住民が帰宅し復興するには、まず放射能を除染しないといけ
  ない、いや徹底的に除染するのだと際限なく無駄な金が除染に使われている。
   IAEAは「1ミリシーベルトにこだわる必要はない」言っているにもかかわらず、放射線
  量は低くければ低いほどいいと表面の土をひっくり返し、草刈り伐採し、道路をデッキブラシ
  でこすり続けている。「なんでこんな無駄のことしているのだろう」と訝しんでいる作業員も
  少なくないという。原子力を学んだ大前研一氏も指摘している。

   「人類の放射線被災のデータは広島、長崎、チェルノブイリ、スリーマイル島くらいしか
    なく100ミリ以下の線量の被災のリスクを評価するのは困難なのだ」と。

   ざっくり言えばこれが低線量被爆というものだろうが、80ミリシーベルトも20ミリシー
  ベルトも0.7ミリシーベルトも100ミリシーベルト以下であって十把一絡げに扱うのは
  あまりにも乱暴だろう。これらを踏まえつつも大前氏は語る。

    国立がん研究センター資料などによれば、「100~200ミリシーベルト」で
    がんのリスクは1.08倍になる一方、「野菜不足」で1.06倍、「高塩分」や
    「運動不足」で1.15倍前後とされている。そうした他のリスク要素がいくつ
    もあるため数十ミリシーベルトというレベルでは健康被害が出るかどうか検証でき
    ないのだ。
                    ~ SAPIO 2014年4月号 ~
 

   あちらこちらで指摘されていることだが、香港は東京の1.5倍、コロンビアの首都ボゴダ
  などは日本の10倍近い年間放射線量を受けている。昔はラジウム温泉など「放射線は体
  にいいい」と信じられていたし、今でもそう思っている人がいる。

   諸説ありますが、我々世代が生き証人だと思うのです。
   63年に部分的核実験禁止条約が締結されるまで太平洋でネバダ州で大気圏内核
  実験が行われました。米国は62年、核実験を105回もやった。
   おそらく、我々の親世代はこれら放射能汚染された魚介類を食していると思われます。
   そんな親世代から我々が生まれた。感度の高い子供時代、大気圏内で放射能物質が渦
  巻いていたろう。
   でも、以前も述べたように我々世代に奇形が多いとか、バカが多いとかそんなことはあり
  ません。さらに身の回り見回しても我々世代の子供に同様の兆候がみられるわけではあ
  りません。おそらく精緻に統計とっても事態は変わらないと思います。
   
   もっとも周辺で放射能が今も出続けているのと雨になって降ってくるのとでは大きな違い
  だと言えるだろう。でも、問題なのは子供達であって大人は世間が騒ぐほどの影響はないと
  言われる。
   それでもコンクリートの公共事業同様除染も走りだしたら止まらない。    
  
  
   放射能除染の予算は

    ○ 11年度 2459億円

   
    ○ 14年度 4924億円

   これまでの総額は1兆8899億円に達する。
   
   これらの除染作業はゼネコンのドル箱で競合がいない状態で落札されていく。
   
    ○ 大熊町  151億2000万円(清水建設・大林組等のJV)

    ○ 南相馬市 241億2900万円(大成建設等のJV)

    ○ 富岡町  573億3000万円(鹿島建設等のJV)
      
                         ~ 出典 同上 ~

   
   もう見えてきましたね。
   400kmの防潮提同様、政・官・業の例のトライアングルが見てとれます。
   
    そして恩恵を受けた業者は儲けのタネを生み出してくれる政治に献金で報いる。
    ゼネコンのみならず、下請けの事業者もだ。ここだけは他の公共事業と全く同じ
    政・官・業の悪しきトライアングルが踏襲されている。自民党が政権に復帰した
    12年、党の政治資金団体である「国民政治協会」には福島県の企業、団体から
    の献金が急増した。48の企業・団体からに献金額は約1730万円にのぼり、
    11年の実に約8.5倍の額だ。これは他の被災地(岩手/14社・団体、
    217万円 宮城/12社・団体292万円)と比べて突出して多い。
                    
                      ~ 引用 同上 ~

 
   大手ゼネコンは除染の研究、技術発展を目的とし学識経験者と民間企業が立ち上げた環
  境放射能除染学会にも参加したそうだが、福島県内中堅建設業者幹部は証言している。
   
    「ゼネコンは新技術の導入に積極的ではなかった。水で洗い流すのではなく、
     自動車の研磨などに使う工具で壁の表面の放射能を除去する技術などは内
     閣府の実証実験でも効果が確認されたが、現場では費用がかかるのでほと
     んど採用されず単純作業ばかりくり返されてきた。除染を早く終わらせる
     よりも、より長く多くのカネをかけてやる方が潤うという発想だったので
     はないか」

                        ~ 引用 同上 ~



   何度も繰り返しているが除染はあまり意味がない。
   A地点からB地点に放射性物質を移動するだけのことだ。
   「放射能そのものを消す」しか根本的解決にはならない。
   除染してもしても放射能が降ってきているのだから。
   高嶋康豪博士が福島県伊達郡川俣町でやった微生物による実験はカネがかかり過ぎる
  というが、ゼネコンの除染の方がよほどカネ喰い虫だ。
   証言にもあるように彼らは新しい技術を取り入れないし、今すぐカネにならない方法
  には興味を示さない。逆に言うなら、これらが「新しい科学技術の扉」が開かれんとす
  のを押し返している。「新しい科学寺術の扉」が開いたら困る大企業が他にもいっぱい
  いるのです。
   そうは言っても所詮、時間の問題。
   その時、この除染がいかに無駄だったか明らかになるだろう。

   残念だが、“ コンクリート信仰 ”と“ 原発推進教 ”に取り憑かれた人々が復興を
  やっている限り「黄金の復興」とやらにはならないと考える。
   2020年、東京オリンピックまでにカッコだけでも「東北復興」ということにする
  だろう。
   その前に総選挙があるね。
   もう一回、復興を仕切り直す機会が訪ずれると思う。

   是非、そうなって欲しいものです。

                       (了)
   
   
 〔関連記事〕
  
   放射能汚染水で大変だ!では、広島は?長崎は?ビキニ環礁は? 後編

   やっぱり放射能は消せる!!! 前編










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