素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

太宰裁判(前篇)



ご覧になられた方もおられるだろうが、少し前、太宰治の「人間失格」を
題材として主人公・大庭葉蔵が「人間失格」であるか否かを裁く、
「太宰治“人間失格”裁判」がNHKハイビジョンでやっていた。

被告・大庭、証人である作中人物たちはの発言はすべて原文のままで、
検察と被告代理人だけ自分の言葉で発言する。裁判員裁判の体裁をとって
おり、以下のように裁判官の他、6人の裁判員で審理を重ねる。

 ○裁判官 小林恭二(作家)
 ○裁判員 中村うさぎ(エッセイスト)
 ○裁判員 枡野浩一(歌人)
 ○裁判員 小倉千加子(心理学者)
 ○裁判員 森 達也(作家)
 ○裁判員 木村綾子(タレント)
 ○裁判員 猪瀬直樹(東京都副知事・作家)


久しぶりにおもしろそうなTVだったので録画して観たのだが、結論から
言うとかなりおもしろかった。
審理される論点は、

 ☆道化
 ☆放蕩(酒、買春、薬物中毒)
 ☆女性問題
 ☆心中未遂、etc


最も罪が軽そうな「道化」が私にとって一番おもしろくて、その他は審理の過程は
たいへん興味深いのだが、基本的にどうでもいい。

当ブログの読者にも熱烈な太宰ファンがおられるだろうことから、そういう方には
申し訳ないのだが、私はどうも彼に触手が伸びないのだ。
理由は簡単明瞭で、三島由紀夫が太宰に浴びせかけてという痛烈な一言に尽きる。

「あんた(太宰)の悩みなんか乾布摩擦すれば吹っ飛んでしまう類のものだ」

猪瀬直樹は「ピカレスク」なる太宰の評伝をものしているが、ピカレスクというには
太宰はあまりに軟派だ。ピカレスクといったら松田優作が演じた大藪春彦の主人公や
三島の「青の時代」の山崎晃嗣などのことだと考える。
まあ~、それを言っちゃおしまいよ、というものでどちらかというと軟派で矮小化した
世界こそ日本文学のメインストリームなのだろう。
この番組を見てつくづくそう思い知らされた。
 


 恥の多い生涯を送ってきました。

この1行でもう大庭葉蔵は「人間失格」じゃない。
なぜ、そうなのかは後述するとして、例によって換骨奪胎して書き進めよう。


「女性問題」の件で歌人・枡野氏は「無責任男はもてる」といい、タレント
木村女史は「葉蔵タイプが好き」と続ける。中村うさぎ女史が曰くのように
葉蔵はダメンズであり、いつの世もダメンズにはまる女性は後を絶たない。

審理の過程で「尽くすのは女の幸せ」なんてフレーズがとびだした。
21世紀でも別に男と女の事情は変わらないのかな。

葉蔵がDV男でないのがせめてもの救い。
DV男にはまる女性は今でも少なくない。
私の身の回りにも夫のDVゆえに離婚した女性もいる。
いや、当節では鬼嫁に傘で殴られ、タバコの火を押し当られ、耐えられなくなり
警察に駆け込んだあげくに離婚した同級生もいる。
~日本の男よ!どこまで弱くなるのだ!!~

まあ~、本当に男と女はままならない。
事実は小説よりも奇なり。
              (つづく)




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