素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

消費税はいらない。 後編

     



     税金を払わない企業はもちろん他にもあります。
     でも資本金100億円超の巨大企業の法人税実効負担率が9.67%で、資本金1000
    万円以下の企業の半分以下であるとはどうしたことだ。
     どうしてそうなるとかというと、まず「受取配当金不算入制度」があげられる。
    
      子会社や関連企業の株式等にかかる配当については、課税ベースに100%
      不算入が認められています。子会社や関連会社に出資して配当金を得ること
      があっても、その金額は課税対象にしなくてもいいのです。
      また、子会社や関連会社以外の企業の株式についても、50%の益金不算入
      なのですから、株式投資をしても、利益の半額は目をつぶっていても非課税と
      なるわけです。
 
                   (中略)

      そして、この制度を利用した課税除外分は48兆979億円であり、このうち
      巨大企業が約9割の42兆4538億円を占めました。
      この受取配当金に課税すれば、国税の法人税だけで12兆4830億円
      もの財源がまかなえたはずでした。                                       
      2014年に消費税が5%から8%に増税されましたが、内閣府は増税による消費
      の落ち込みがなければ、4兆円の税収増を推計していました。受取配当金を課
      税対象にした場合の法人税額は、増収推計額の実に3倍以上の金額です。
      ということは、巨大企業の受取配当金を課税所得にすれば、増税する必要など
      なかったのです。       

                 ~ 富岡 幸雄 著 「税金を払わない巨大企業」 ~


     

     商社などに適用されている「外国子会社配当金不算入制度」も見逃せない。

      これは、一定の要件を満たす海外子会社であれば、受取配当額の一律95%
      を益金に算入しないという制度です。

                        ~ 引用 同上 ~


     これは単に巨大企業に有利な税制であるばかりか、どうぞグローバル化してくだ
    さいと、グローバル企業推進の税制であり、国税庁だけの知恵とは思えない。
     この他にも巨大企業は以下のような方法で税逃れしているという。

      ① 企業の会計操作
   
      ② 企業の経営情報の不透明さ

      ③ 受取配当金を課税対象外に

      ④ 租税特別措置法による優遇税制

      ⑤ 内部留保の増加策

      ⑥ タックス・イロージョンとタックス・シェルターの悪用
   
      ⑦ 移転価格操作

      ⑧ ゼロタックスなどの節税スキーム

      ⑨ 多国籍企業に対する税制の不備と対応の遅れ

                           ~ 引用 同上 ~


     大企業がちゃんと法人税を払えば消費税を払う必要ないことを行きつけの居酒屋の
    店主に説明すると、あきらめた口調でこう返ってきた。

     「政府自民党は大企業とつながっているからね~(しょうがないさ)」

     あきらめちゃダメでしょ。
     それにこれはそんな大雑把なことではなく、我々の未来社会にもつながることなの
    です。
     日本の大企業のみならず、世界のグローバル企業がタックスヘイブンを使ったス
    キームで租税回避していることは多くの人が承知している。
     前回、リストアップしたソフトバンク、ファーストリテイリングのみなず、世界的に見て
    グーグル、アマゾン、スターバックスなど“ イケテル会社 ”は軒並み国際的租税回避
    しているといえる。スターバックスなど課税逃れが明るみに出て不買運動が起こった
    ほどだ。

     私は共産党ではないので企業叩きしたいわけではない。
     問題は税の不公平よりもっと深刻なのだ。

      日本を含めた先進各国において税収確保が困難に陥っている大きな要因は、
      無国籍化したグローバル巨大企業が、コンプライアンス(法令順守)と企業倫理
      を前提に組み立てられた税制を逆手にとって、世界規模で「ゼロ・タックス化」
      (租税極小化)戦略を追求するのに対して、有効な防衛措置がないことです。

                                  ~ 引用 同上 ~


     富岡氏は不況の原因は消費税にあるといい、グルーバル企業の租税回避は民主
    主義社会に大きな格差を生み出してしまったと主張する。
     以前、述べたように21世紀には民主主義が資本主義に敗北することがはっきりし
    てしまうと考えています。すなわち、

        DEMOCRACY ⇒ CORPORATOCRACY

     この転換は格差どころではなく、新しい階級社会を生むでしょう。
     かかる趨勢はグローバル化とIT化によって推進され、グローバル企業の租税回避
    によってさらに拍車がかかると考えます。 
     グローバル企業のみならず富裕層までもがジャック・アタリ曰くのノマドとなり、税
    率の有利な国から国へと渡り歩くのが21世紀のリアルだ。
     この側面からも国民国家の融解は進行していくだろう。
     テロや紛争、それに国際的租税回避等国民国家の手に負えない事態を解決すべ
    く「世界政府」が待望されることになる。
     そこまでの事態は承知していないだろうが、ロンドンのシティーでロードメイヤーに
    語ったのと同様、本年1月、安倍首相はダヴォス会議でグローバル企業に対してこ
    う語っている。 
    
      「法人税にかかる税金の体系も国際相場に照らして競争的なものにしな
       ければならない。本年、さらなる法人税改革に着手する。」 
     
                               ~ 引用 同上 ~


     グローバル企業のみなさん、日本も法人税下げますから私のこと支持してください
    ね、 という狙いだ。

     富岡氏は消費税が最後の税、究極の税というが、まだ先がある。
     究極の税とは炭素税のことだ。導入の仕方によっては息しているだけで税金が
    かかるのだからこれはヒドイ。生産されるありとあらゆるものに炭素税を課税する
    ことができる。恐るべき重税社会の始まりです。その炭素税は「世界政府」の財源
    に見込まれている。
     CO2地球温暖化はここまで視野に入れないといけない問題であって、「地球は
    温暖化しているかもしれないが、実は寒冷化しているんだ」とか飲み屋でくだまい
    ている事柄ではない。
 
     それにしても夢も希望もないことですな~。
     でもね・・・・・。

      「税金天国(タックスヘイブン)が廃止になったんです。どうします?
       地獄に行くことになるでしょうな。」
 
                        ~ ゴダール 「ソシアリスム」 ~


     タックスヘイブンが通じなくなり、欧米の富裕層の中には夜も眠れない人もいるとか。
     炭素税を既に導入したオーストラリアは撤回したと伝えられる。
     これは漆黒の闇の中に仄かにみえる曙光なのでしょうか?
     それとも庶民の次は小金持ちからむしり取るということなのだろうか?
     いずれにせよ、税(消費税)に無頓着ではいけない。
     バラまきはいけないというが、政治家の内政における究極の仕事はぶん取って(税を
    徴収して)、バラまく(社会保障をも含め予算をつける)ことだと思う。

     どんな時代、どんな税にも政治家は知らぬ顔の半兵衛ではいけないのです。

                                         (了)


   〔関連記事〕

    ゴダール 「ソシアリスム」 VOL.4(その3) 
    


  
巨大企業
アマゾンレビューで「連結でみないのは
変だ」とか言って一つ星評価する人は
工作員もどきでしょ。
そんな瑣末なことでなくて本稿のように
大局をみないと。








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政治 | コメント:1 |
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コメント

受取配当金の益金不算入制度をはじめ、各種税制には目的があります。
当該税制はその目的に対して効果的・効率的であるか、あるいは目的の設定自体が適切か、といった観点からの批判が必要であると思います。
そうした観点も無しに、見かけの金額の多寡だけで批判するのは、難癖をつけてとりあえず取れるところから取ればいいのだ、というお考えなのでしょうか。

あと、本書の批判として「連結を見ないのは変だ」と言うのは、企業グループ全体でみれば巨大企業(グループ)も法人税を負担していると言う主張です。
まさに「巨大企業は税金を払っていない」と言う主張に対する反論の核心なのですが、本当に瑣末ごとでしょうか。
2014-12-14 Sun 03:26 | URL | 哲学的会計士 [ 編集 ]

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