素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

天皇陛下の生前退位と日本国憲法改正

    



    御存じのように天皇陛下の生前退位のご意思が報じられた。
    山本宮内庁次官はすぐさま全面否定した。
    なんだ、また宮内庁に良からぬ人材が送り込まれたかと思ったが、生前退位は皇室典
   範のみならず、憲法改正に及ぶことであるから「政治」に関与することであって、陛下が
   「政治」にかかわることなきよう慮った発言だった。 
    政府筋からは憲法改正だ、特別法だ、いやそもそも生前退位はできない等々、様々の
   言説が漏れ聞こえてきて喧しい。
    このような空気が醸成されたところで風岡宮内庁長官は「生前退位について官邸と相
   談しているということはない」としながらも「お務めの中で色々なお考えはある」として全
   否定から否定色のやや強い玉虫色の言葉で醸成された空気を受けた。
    御簾(みす)の向う側の「お上(かみ)」のお言葉を御側に控えるものが、忖度する世
   界が現代に一瞬甦る。

    天皇陛下が生前退位される理由として御公務の負担(健康上の理由)がまず考えら
   れる。陛下お抱えの理髪師によると、ここ1~2年はすこぶる体調がよいそうなので、こ
   れだけが生前退位の理由であるとは考えにくい。
    もう沈静化したが、皇太子と秋篠宮の皇位を巡る報道がそれぞれの勢力が代理する
   かたちで一時、メディアを賑わせた。
    天皇陛下が存命中にこれに終止符を打つことが生前退位の理由の一つとも考えられ
   よう。
    さらに、戦後民主主義を体現した天皇陛下にしてみれば、御自身の御世に平和を謳う
   「日本国憲法」が変えられてしまうのは忍びないと思われたのではないかと考えたたり   
   もするが・・・・・・。もっと踏み込んでいるようだ。

    参議院選で自民党及び改憲勢力が大勝し3分2を占めた今、天皇陛下が生前退位を
   仄めかされたのは憲法改正を阻止せんがためであるという言説が流れている。
    生前退位するには皇室典範のみならず、憲法改正及び各種法律の整備・改正に1~
   2年は要するという。安倍自民の憲法改正案は、天皇の生前退位に比べれば後回しに
   されて当然だろう。
    いや、逆ではないかとという観測もあって時間がかかるからこそ早く憲法改正しなけれ
   ばならないという改憲議論が盛り上がって自民党版改憲案も同時に推進されるという見
   立てだ。
    どうも両刃の剣のような感じだ。
    ただ、天皇陛下は自民党がこれから衰退し、衆議院の3分2を割る可能性があることを
   承知しておられるように思います。


    さて、話は変わるが、以前、皇太子殿下のお言葉にかすかに京言葉のニュアンスが残
   っていると指摘した識者がいた。明治維新の際、明治天皇は京都から江戸(東京)に遷都
   したと考えられているが、実は江戸(東京)へ行幸しただけで正式には遷都したわけでは
   ない。今だ行幸したまま、皇居(かつての江戸城)にお住まいということになっている。
    それ故にいずれ京都へ天皇がお帰りになるという説はいまだ根強い。
    天皇家の長い歴史の中では、東京にいらしたのは200年あまりに過ぎず、圧倒的に
   京都にいらした歴史の方が長いのだ。
    天皇家の歴史というと、軍隊=兵(つわもの)の行進の中心に天皇がいらした時代は、
   古代、平安、南北朝、明治、昭和(戦前)くらいであろう。(戦国時代は中心にいたわけ
   ではない。)
    多くの時代、天皇は御簾の奥にいて侍従のものが、お言葉を忖度して政(まつりごと)
   に影響を与えていた。
    現代と中世、近世、近代が違うのは間違いないが、日本の天皇家の伝統はあからさま
   に「改憲だ!中国打つべし!」と声高に叫ぶ連中とは相いれないものであり、京言葉のよ
   うにそこはかとなく事態の浸透につとめようとしたものだと思う。

    「保守」は伝統を重んじるが、明治~昭和だけが「伝統」ではないぞ。
    現代の「保守」は「我こそは保守なり」と「真性保守」たらんとするが、私は天皇陛下こそ
   「真性保守」だと考える。
    
    これについては議論が尽きないだろうからこれ以上進めないが、某TVコメンテーターが
   語っていたように象徴天皇と平和主義を体現された天皇陛下から「生前退位」という言葉
   が漏れてきたことの意味を各人が噛みしめてみる必要があることは間違いないだろう。
    




     
   



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