素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

相模原19人刺殺事件に透けてみえる「現在」 中編

    



    私及びマスゴミが“ 犯人捜し ”に以前ほど力点を置かなくなっても政治のするべきこと
   は“ 犯人“を探し防犯対策、すなわちこのような事件に対応した施策を講じることだ。
    安倍首相は事件の真相究明と共に施設の安全強化策、及び措置入院後のフォローア
   ップを早急に実施するように指示したと伝えられる。
    経済的近代化を達成したこと、すなわちポストモダンに突入したことに無自覚な「保守」
   は、このような殺人事件に対してやはり「道徳教育」を強化しなければならないと説くよう
   になるのではないか?
    この事件は青年が引き起こしたものだが、少年犯罪は近年減ってきている。
    少なくても戦前よりは減少している。相模原19人刺殺事件のような際立った殺人事件
   は一定の間隔で再発しているが、少年犯罪そのものの絶対数が減少傾向にあることは
   近年だいぶ浸透してきている。
    戦前は昭和恐慌やら不安定で不穏な時代であったことから「修身」を子供たちに徹底し
   なければならない程少年犯罪は多かった。「修身」が少年犯罪撲滅にどれくらい効果が
   あったかは知らないが、一定の効果は認められたのだろう。
    これにならって「道徳教育」を強化すれば少年犯罪をしいては青年による残虐殺人を
   減らせるだろうか?

    私はそうは思わない。
    戦前と現代では「時代」も犯罪の質も全く違うからだ。戦前は貧乏、食えない、職がな
   い、疎外されているが犯罪の要因だったろう。現代ではこれらに要因も含まれているだ
   ろうが、さらに新たな要因がいくつも加わっている。
    アメリカは日本より先に新自由主義とサイバーグローバリズムで中産階級が没落した。
    中産階級の没落で佐伯啓志先生曰くの中間組織(地域コミュニティー、教会、職場等)
   が崩壊、若しくは大幅に衰退していった。
    それでもアメリカの方がまだ地域コミュニティーが残っていると思うが、これら中間組織
   と人々の紐帯が細く、脆くなってはいないだろか?
    自明のことだが日本もアメリカの後を追って中産階級が没落し中間組織が崩壊若しくは
   弱体化して中間組織(日本の場合、「教会」のような宗教施設はほぼ存在しない)から切
   り離された砂つぶのような個人が国家とダイレクトに結びつきたがっている様がネトウヨで
   はないかと私は考える。
    戦前、国家総動員体制のように見えても実は個人と国家(国体)がダイレクトに結びつい
   ていた訳ではない。
    家庭 ⇒ 隣組 ⇒ 町村 ⇒ 国家(国体)というように組織されていた。
    「戦メリ」でハラ軍曹が「お国のためにこの身を捧げると決めた」と言っても靖国神社行っ
   てそう誓ったわけではなく、地元の神社行ってからそう思ったのだ。つまり。「地域まずあり
   き」ということであります。
    鬱陶しいほど濃厚で強固な人と人の紐帯が地域コミュニティーにあったからこそ、「非国
   民になってしまっては大変だ」という強迫観念が醸成される。

    現代でも地元の神社へ行くが、「保守」及びネトウヨは地元の神社より基本的に靖国神
   社と一体化したがる。そもそも帰属すべき中間組織(地域コミュニティー、職場)が今や
   吹けば飛ぶようなものだからこそ、もっと強固なもの国家(国体)にすがりつきたがるので
   はないか?

                           (つづく)



オーバーザムーン
以前も貼ったがもう一度貼っておこう。
「卒業」で花嫁さらわれた側の一般家庭を
描いた映画。不倫(恋愛)はデコレーション
でしかない。地域一帯でサマーキャンプ行く
鬱陶しいほどの地域の絆、街の電気修理店、
不倫相手のシャツの行商、その後描かなくて
もみんな知っている。すべて無くなったのだ。
「卒業」の対蹠点的世界を描かないとならな
と製作に名を連ねるダスティン・ホフマンは
思わずにはいられなかったのだろう。







   
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