素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

夏の戦争映画 VOL.2 「 潜水艦イー57 降伏せず 」 前編

    



    それでは 「 夏の戦争映画 」 シリーズに戻ろう。
    日本本土が終戦へ向けてカウントダウンしている頃、太平洋で日本海軍はどうしていた
   のか?なかなか興味があるところだと思う。
    本作はいわゆる潜水艦もので樋口真嗣監督「ローレライ」にも影響与えているとか。
    
     太平洋戦争における日本の敗北を目前に控えた昭和20年の初夏、河本艦長
     (池部良)率いる潜水艦イー57は某国の親日派高官父娘を乗せて極秘裏に
     和平工作を図るべく、カナリー諸島へ向けて出航した。乗組員の多くは徹底抗
     戦を主張し、和平にも否定的だったが、敵との遭遇などさまざまな困難を経て
     皆の意思はひとつにまとまっていく。しかしやがてポツダム宣言が発令され……。

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    私の記憶が確かなら、もし日本軍が原爆を完成させていたら潜水艦で米国本土に原爆
   投下する計画があったはずだ。探しているのだが見つからない。
    実際、日本軍は朝鮮半島であの理研を中心として原爆開発の研究を進めていた。
    完成にはいたらなかったが、戦後、理研の研究費を若き田中角栄が懐へ入れてしまっ
   た。その金額を現在の貨幣価値に換算すると約2000億円とか。やっぱり角栄は桁はず
   れに「政治とカネ」なのです(笑い)。
    さて、仮に原爆開発に成功したとしても広島、長崎に投下された原爆、パンプキンやファ
   ットボーイの大きさと当時、魚雷はあってもミサイル技術はなかったことを勘案すると飛行
   機に搭載して原爆投下するしかない。飛行機搭載できる潜水艦などあるのだろうか?
    軍事オタクなら周知のことだが、飛行機搭載できる潜水艦は存在します。
    幾つかありますが近年注目されているのが伊四百型潜水艦です。


 潜水艦イ400
                ドイツのUボートのほぼ2倍の大きさ


    全長122m、全幅12m、3機の特殊攻撃機「晴嵐」が搭載可能な潜水空母であった。
    当時、米国海軍潜水艦より巨大で2012年中国で竣工した潜水艦に抜かれるまで世界
   最大の潜水艦だった。大日本帝国海軍は戦艦でも潜水艦でも世界最大艦船を保有して
   いた。しかも終戦後、アメリカ軍が接収した際、その巨大さに驚愕したというからこの潜水
   艦の詳細を米軍は承知していなかったのだ。航続距離は地球半周というから終戦間際、
   空母もなければ戦艦もないボロボロの連合艦隊ではあるが、伊四百型潜水艦は秘密兵
   器にして最終兵器だったのではないか。

    この「晴嵐」くらいでは原爆(パンプキンくらいの大きさ)を搭載することは不可能で、やは
   りB29くらいの爆撃じゃなきゃ無理じゃないか。それともこの飛行機にも搭載可能なくらい
   小さな原爆をつくるつもりだったのか、はたまた私の記憶違いか、この点は宿題にさせて
   頂きたい。伊四百型潜水艦は山本五十六によって構想され米国本土、ニューヨークやワ
   シントンを空爆する計画だった。戦局が厳しくなり「神龍特攻隊」として「特攻」するはず
   だったが、一度も「神龍特攻隊」として出撃することはなかった。
    それでは米国本土への日本軍の空襲は一度もなかったのか?
    何度か日本軍は米国本土への空襲に成功している。

     ○ 1942年2月 カルフォニア州サンタバーバラ エルウッド石油製油所
                 (伊号第十七潜水艦 搭載機)

     ○ 1942年6月 アラスカ ダッチハーバー軍基地

     ○ 1942年7月 オレゴン州ブルッキング近郊森林
                 (伊号第二十五潜水艦 搭載機) 

     ○ 1942年9月 オレゴン州オーフォード森林
                 (伊号第二十五潜水艦 搭載機)

    これら米国空襲実績と山本五十六の構想を重ね合わせれば潜水艦で最後の攻撃を仕
   掛けてやるという気持ちはわからなくもない。 
    映画と関係ないことを延々と述べているようだが、当時の日本軍は一億玉砕とか言って
   どんなに劣勢でも絶対あきらめない。
    連合艦隊はもはや空母も戦艦もないのだが帝国海軍はそれでもあきらめない。 
    米国本土原爆投下はともかく、「神龍特攻隊」まで組織した。
    そんな帝国海軍の気概を背景に本作を観たい。

    河本艦長(池辺 良)がペナンに呼び出されてホツダム宣言を日本に有利になるべく親
   日派外交官父娘をカナリー諸島まで輸送する任務を言い渡された際、「降伏を進める気
   ですか?」となかなか引き受けない様は既述の背景を前提にすると腑に落ちるだろう。
    「日本の一番長い日」(2015年)、いや、これから作られるであろう戦争映画と本作には
   決定的な違いがある。
    それは出演者に軍籍があるか否かということだ。
    本作の出演者、池辺 良、平田昭彦共に海軍ではないが陸軍の出身だ。
    監督・松林宗恵氏も海軍の経験があるという。
    一方、これからの戦争映画の出演者は軍籍のあるものは登場しない。
    (自衛隊出身者はいるかもしれないが、実戦を踏まえた軍籍とは違う。)
    池辺 良といえば「昭和残侠伝」シリーズで高倉 健と道行して殴り込みに行く相方とし
   て有名だ。本作で潜望鏡をのぞき判断し、部下を管理・掌握し、鼓舞して命令を下していく
   艦長役は「昭和残残侠伝」シリーズにも通じる演技の引き出しとも思えるが、本質的には
   軍務経験からにじみ出るものではないか。
    やっぱり海軍はカッコイイね。今じゃ当たり前だが、あの時代英語ペラペラな人は士官
   であり軍医長なのだ。
    一方、コメディータッチを狙っているのだろうが、下士官以下の水兵たちの呑気さ加減は
   どういうことだ。外交官娘の行水を覗いたりして。

    でも、それがリアルな戦場ではないかと思うのだ。

                                       (つづく)
    
    




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