素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

豊洲問題 「空白の3ヶ月」とは?

    



    あるべきはずの盛り土がされていなかったという「豊洲問題」、じわじわ小出しに情報が
   提供され(形のうえでは「新たにわかった」とされている)次第にポイントが絞れてきた。
    当初、「空白の7ヶ月」とか言って、2010年11月から2011年6月の間に何があったの
   かと言われていたが、今や2011年3月4日の建設工事の基本設計について業者との契
   約が締結された時点から同年6月の基本設計書が出来あがった時点が「空白の3ヶ月」
   と言われている。
    すなわち3月では「地下空間」がなかったのに6月には「地下空間」を設けることになって
   いるのはどうしたことだ?この「空白の3ヶ月」に何があったのか?
    マスゴミは書類(議事録、設計図書)と関係者の証言を中心に取り上げ、例によって「犯
   人探し」に躍起だが、なんか安手の2時間サスペンスを見せられているようだ。
    わざとミスリードする伏線について詳述され、探偵(警部)にもわざと見当はずれの推理
   をさせ散々、「あ~でもない、こ~でもない」と視聴者を困惑させ、ますます迷宮の森へと
   誘い込み連続して視聴率を取ろうという魂胆かいな。
    
    書類と関係者の証言ばかり見ていては埒があかない。
    対象土地そのものを見ないといけない。この「空白の3ヶ月」に何があったかなんて誰で
   もわかることだ。それなのに核心にはふれないようにマスコミ全体にお達しがあるか如く
   だ。「空白の3ヶ月」に何があったのか?

   
    もちろん、「3.11」です。

    
    豊洲の液状化です。

豊洲液状化 週刊金曜日
 液状化したのは5街区(青果棟)、6街区(水産仲卸市場棟)の各予定地だけで7街区
 (水産卸市場棟予定地)は液状化しなかった。

                            - 写真出典 週刊金曜日 ブログ -

  
    何でこんな簡単なことをふれないのだろうとずっと思っていたが、サンデーモーニングで
   岸井氏がついに「空白の3ヶ月で東日本大震災があり、豊洲は液状化して封鎖されるま
   でになった」と述べた。
   
    東京新聞でも「地下水」の問題とぼかしながらもふれている。

     豊洲たまり水 専門家座長も「地下水」 液状化対策が必要

      築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の盛り土問題で、
      安全性を確認する「専門家会議」座長の平田健正(たてまさ)・放送大和歌山
      学習センター所長は二十四日、水質調査の結果から、建物下の地下空間に
      たまった水は地下水だと発表した。都の調査では地下空間の水も空気も環境
      基準を満たしているが、今後、調査地点を増やして検証を続け、液状化
      の備えなど必要な対策を専門家会議で議論する方針を示した。

                                     ~ 東京新聞 ~

 
    時系列は遡るが昨日のスポニチではこの記事の結論のようなことを図式的な見出しで
   取りあげている。


豊洲 スポニチ

                                   - 出典  スポニチ -



    大雑把な結論はこの図式のとおりでいいのだが、もう少していねいに検討しよう。
    まずよく用いられる「専門家」という言葉だが、これは主に環境・土壌汚染の専門家につ
   いてであろう。もちろん、建設・設計の専門家、液状化の専門家もいるが、全部まとめて
   「専門家」と呼んでいる。さらに、環境・土壌汚染の専門家は「盛り土」を主張しているが、
   どうも建設・設計の専門家は当初より「地下ピット(地下空間)」を作りたがっているように
   見受けられる。冷静に考えればあれだけの規模の建物を作れば普通、メンテナンス等の
   ため「地下ピット」は必要なのだ。マンションだって普通に「地下ピット」はある。もっとも
   地下2m程度あれば十分で4m以上も必要かと言われれば疑問符がつく。
    豊洲の液状化対策は検討されていなかったのだろうか?

    技術会議(正式名称:豊洲新市場予定地における土壌汚染対策工事に関する技術会
   議)は18回行われていて、次の4つが論点となっている。

     ① 土壌汚染、汚染地下水対策

     ② 液状化対策

     ③ 市場施設完成後の地下水管理システム

     ④ 専門家会議の報告と同等又はそれ以上の効果が期待できる総合的な対策

                             ~ 粉屋の大阪TO考想 ~



    今回のダマテンの「地下空間」は直接的には③、根本的には②、東京都担当職員の背
   中を押したのは④だと思う。特に④は怪しいのだ。役所が「総合的」というフレーズを用い
   る時は「何かを隠す、誤魔化す」、若しくは将来そうせざるを得ない時だ。

    さて、もう一度時系列に戻ろう。

     3月 4日 基本設計について業者と契約締結

     3月11日 東日本大地震。豊洲液状化。

     3月12日 福島原発1号機 水素爆発

     3月14日 福島原発3号機 水素爆発

     この頃、東日本では、福島原発の放射能はどこまで飛んでくるのか、それが最大の関
    心事だった。「モニタリング」という言葉がメディアを賑わせた。豊洲の「地下モニタリング
    空間」という言葉もこの後、使われるようになったのではないか。

     6月    基本設計書完成。

     
     2016年時点の思考ではなくて2011年時点の「空気」にするため福島原発事故もリ
    ストアップしました。あの時点で我々が考えたことは、「地震で福島原発も爆発するくら
    いだから地震では『想定外』のことも起こる」ということでした。
     東京都では豊洲の液状化についてどう考えていたのでしょう。 

      液状化により地表へ土壌の噴出があったとしても、土壌及び地下水中の汚染
      物質は除去・浄化しており、さらに新市場は閉鎖型施設として整備することから、
      問題はないと考えている。 

                                 ~ 引用 同上 ~

 

     これは「第5回技術会議」での言説で、その後も液状化について様々の考察、検討を
    加えて「液状化問題なし」としているようだ。
     そうはいうもののそれらはすべて「想定」のこと、「3.11」、福島原発事故で当時どれ
    ほど「想定外」という言葉が喧伝されたことか。しかも福島原発事故による農産物、海産
    物の風評被害がどれほど懸念されたことか。もう一度思い出してみよう。
     いくら専門家が「液状化は大丈夫」といっても東京都職員は心配でならないだろう。
     それに福島原発事故の副産物といえば、「『想定外、想定外』ばかり口走り、専門家は
    アテにならない」ということではなかったか。
     そうすると役人が以下のような行動に走るのは理解できる。
     首都直下型地震は30年以内に70%以上の確率で起こると言われる。
     10年後か、5年後か、1ヶ月後か定かではない。20年後ならもう退職だ、知ったこっち
    ゃない。「3.11」直後では5年後に大地震がやってくるが如くの「空気」だった。
     地震さえ、液状化さえ起こらなかったら、土壌汚染対策は「盛り土」で十分だ。
     「盛り土」でも通常の地震なら防げる。でも・・・・。「想定外」の地震が来たら、5年以内
    に来たら、私(担当職員)は、まだ都庁にいるだろう、どうしたらいいんだ。
     液状化しても対策できるように「地下空間(ピット)」を作っておけばいいんだ。
     あの時ならそう考えてもしょうがないだろう。  

      ここで問題とするのは東京都の液状化での噴水、噴砂に対する姿勢が、絶対に
      建物内に噴水、噴砂を流入させないという事になっていくという事です。それは
      なぜかというと、地震により実際に建物内に噴水、噴砂があったとします。しか
      しそれによる汚染物質での汚染は市場にはありません。なぜかというとほぼ
      完ぺきに土壌、地下水の浄化をしたからです。だから基準値以上の汚染は有り
      得ません。砂を除いて、洗浄をすればOKなわけです。しかし、風評被害は東京
      都には止めることはできないんです。これは東京の食卓を預かる豊洲市場には
      致命的になります。現在のこのピット問題におけるマスコミ報道を考えるに、そ
      れは致命的なものになるでしょう。「液状化によって汚染された砂、地下水が
      豊洲市場を汚染した。もうダメだ」これは絶対に避けるべきことです。
      だから100%、液状化による建物への直接的な被害、そしてそれより深刻な
      風評被害を避けるために、ピットをこっそり東京都が設けたというのが私の推論
      です。仮に液状化により噴砂、噴水があってもそれはピットで受け止めるという
      事です。 
     
                               ~ 引用 同上 ~


     全く同感だ。もっとも私はこの方ほど緻密には考えなかったが、それは「3.11」後、あ
    る公的仕事をしたからだ。それは千葉市埋め立て地域の液状化について調査するもの
    であった。
     同じ路線でも1ブロックはずれると全く液状化していないところもあった。
     某大手N社が分譲したマンション、戸建分譲地用地はほぼ液状化していなかった。
     ほんのわずかであるから「ない」といってもいいほどだった。
     この分譲はマンション、戸建とも売行き好調で同じ路線で液状化しているのにその
    影響はゼロといっていいほどだった。やはり大手のブランド力を違うと痛感したものだ。
     もっとも戸建住宅用地でも30坪程度に30本くらい杭を打って液状化に万全の対策
    をしていた。
     片やパワービルダーは悲鳴をあげて解約手付を捨てて分譲用地を手放した。
     両者の差はブランド力だというのは簡単だが、ブランド力とは何なのか?
     いろいろアプローチがるがその昔、流布した広瀬義州先生の3つにアプローチのうち、
    この場合、プレステージドライバーが当てはまるだろう。数式があるのだが、これを乗せ
    てもしょうがないことから簡単に言うと、分子に広告費がありますから広告に金かけてい
    ればこのアプローチではブランド力が高いということになります。
     N社の広告はTV、新聞、雑誌でしょっちゅう目にしますからブランド力が高いというこ
    とになります。もっともこれは広告を定量化してますが、定性化はしてません。
     マイナスの広告、ネガティブ広告なら逆にブランドを棄損します。
     この時、私は思ったのです、風評被害とはマイナスのブランディングだと。
     N社もパワービルダーも大きく捉えれば同じ地域に分譲用地を持っていましたから、
    風評被害というマイナスのブランディングがこの商品、すなわち土地に作用します。
     N社にはこのマイナスのブランディングを跳ね返すだけのブランド力がありパワービ
    ルダーにはなかったということになります。

    
     さて、本論に戻りましょう。
     例え1回でも液状化で噴水、噴砂が市場に噴出した時点で豊洲のブランド力は風評
    というマイナスのブランディングで回復不可能なほど棄損します。仮に汚染物質が検出
    されなくても風評は風評ですから。さらに言うと、液状化で市場に噴水、噴砂が吹き出
    ないように「地下ピット」を検討していることも2011年時点では、風評となり豊洲のマ
    イナスのブランディングに寄与してしまうでしょう。
     だから、わからないようにこっそりやる必要があったのです。

     それにしても「3.11」後、液状化及びその風評を恐れて「地下空間」を慌ててこっそ
    りと基本設計に盛り込んだであろうことくらい誰だってすぐわかることです。
     何でマスゴミは示し合わせたようにこれには今までふれなかったのでしょう。
     これは極めて政治的目的をもっているのだと思います。
     少しづつ少しづつ小出しに情報を出してずっと視聴者の関心をひっぱり、都議会が開
    催される直前に核心的なこの情報を出していく「小池劇場」そのものでしょう。
     都議会は28(水)から10月13日(木)までです。
     
     地下空間の是非について結論めいたことをいえば、現状では汚染水とかベンゼンが
    揮発性物質であるとか問題ですが、いざ地震、液状化となった場合、盛り土より地下空
    間こそ正解だったということになるでしょう。
     橋下 徹氏は「地下空間について壮大なから騒ぎになるかもしれない」と指摘していま
    すが、大騒ぎし過ぎなことは事実でしょう。でも、「小池劇場」は都庁サイドだけではで
    きません。実はもっと大きな「絵」が用意されているのです。
     だから「から騒ぎ」ということにはならないと思います。

     さて、どう転びますか、今後の展開がまだまだ楽しみです。








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