素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

小林よしのり 「 シン・ゴジラ批判 」 に反論す。 後編

    



    それにしても「シン・ゴジラ」を巡る言説は賛否両論ともにあまりにもペラい。
    ネトウヨもどきの「一致団結してして日本を外敵から守ろうというのがテーマです」とか
   (笑い)、「『シン・ゴジラ』を批判する奴は左翼の宮崎 駿でも見てろ!」とか(苦笑い)。
    そうでもなければ庵野 ⇒ 「エヴァンゲリオン」、オタクという先入観か、その回りを
   空中旋回するのとか、それを斜め横から見てひっくり返すとか、・・・・その程度。

    これは「シン・ゴジラ」に限ったことではないのかもしれない。
    先日、ある新作邦画を観に行ったのだが、その前に延々と公開予定の邦画の予告編を
   見せられて呆れた。
    邦高洋低と言われ邦画は元気があるが、総じてレベルはどんどん劣化している。
    一番多いのはうすら甘いエセヒューマニズム映画だが、原作(漫画・小説)の再現フィル
   ムのような映画、芸能人の自主映画(すなわち楽屋おち映画)等々、全く食指が動かない
   映画だらけだ。
    別に私がひねくれ者なのではなく、イギリスの映画人も明言している。

     今の日本映画にもの申す・・・「レベルが本当に低い!」
     英映画配給会社代表が苦言


     英国の映画製作・配給会社「サードウィンドウフィルムズ」代表、アダム・トレル
     氏(33)と先日話す機会があった。アダム氏は日本をはじめアジア映画を海外
     に紹介しており、現在公開中の日本映画「下衆(げす)の愛」(内田英治監督)
     のプロデューサーも務めている。

     「日本映画のレベルは本当に低い。最近すごく嫌いになってきたよ!」

     アダム氏は憤っていた。断っておくが、アダム氏は日本映画をこよなく愛している。
     だからこその“苦言”なのだろう。

                               ~ 産経ニュース ~


    製作サイドの問題もあるがペラいレビューが多いことに象徴されるように観客の劣化も
   否めない。これは黒澤 明も言っていたことで、彼が生きていた頃から続くことだからか
   れこれ20数年経つだろう。
    じわじわ劣化は進んで21世紀になってこの状況は拍車がかかった気がする。
    福島原発事故の放射能がいまだ科学的知見のない新たな病気をまき散らしたのかも
   しれない(笑い)。名付けて「ペラい病」、脳のしわが伸びきって何にも思考せず脳が空
   回りする病気。 

    ノビテル、ノビテル、石原ノビテル!

    この病気は政治家の脳にも感染しているのかもしれない。
    稲田某防衛大臣は防衛省の制服組、背広組双方から総スカンくらっているそうだ。
    そりゃそうだ。
    あんな泣きべそ大臣に命預けられないもの。
    因みに稲田某防衛大臣は防衛省では「稲田ゴジラ」と言われているそうな。
    小林よしのり氏は「核攻撃される緊迫感が伝わってこない」とか言うが、政治がこんな具
   合だから今の日本に緊迫感などないのです。

    さて本論に戻ろう。
    こう言っちゃ申し訳ないが、「シン・ゴジラ」に関して「エヴァンゲリオン」と「クレヨンしん
   ちゃん」 しかないのかい?
    (「怪獣大戦争」のテーマ曲がクレヨンしんちゃんでもかかるそうだ。)
    世の中には「歴史」というものがあるのです。
    家具も100年越えてアンティーク、100年未満はビンテージだから、「歴史」とは100年
   超のものを言うのかもしれない。映画は誕生から110年超だからぎりぎり「歴史」があると
   いうことになるのかもしれないが、映画100年は小説の200~300年に匹敵するスピー
   ドで変遷を遂げたことから相応の「歴史」があるのです。
    人に歴史あり、庵野監督も50有余年生きていれば、「エヴァンゲリオン」や「新マン(帰っ
   てきたウルトラマン)」だけじゃないのです。 
    「シン・ゴジラ」は「エヴァンゲリオン」もあるだろうが、誰がどうみても村上 龍の系譜の
   映画だ。
    
     
    アメリカでは「シン・ゴジラ」を国家主義とか言うようだが、そんな単純なものではなく政治
   家、官僚らのダメさ加減をこれでもかと描いているのであって、アメリカのマッチョな国家主
   義、愛国主義とは全く違う。肌あいはだいぶ違うが、臨時政府や民間人が敵を退治する
   様はむしろティム・バートンの「マーズアタック」に近い。あれを国家主義、愛国主義という
   かね。
    政治家、官僚らの膨大な専門用語のセリフがうざいなら、もっとセリフを詰めてこの重大
   事に到っても「官僚制」から抜け出せない「笑劇(ファルス)」として描けばよかったかもしれ
   ない。ロバート・アルトマンがよくやるように。邦画でいえば「東京原発」のテイストかな。 
    ゴジラさえ出てこなければその手があるが、ゴジラが出てきたらそうはいかない。


    「歴史」との関連を言いかけたが、ある歴史的事実を知っていればこの映画の膨大な専
   門用語の羅列は何なのか氷解する。これは私の「シン・ゴジラ論」からは漏れてしまった
   が、この映画を観ると歴史的事実といっても差し支えないだろうある言説を思い出すの
   です。

     過去も今もトップ&エリートは全部ダメ!

     ~ 菅沼光弘、北芝 健、池田整治共著 「サイバイバル・インテリジェンス」 ~


    そこまで言うかと思われるかもしれないが、元公安調査庁、元警視庁刑事、元防衛省幕
   僚が異口同音にそう言うと相応の説得力を持つのだ。
    「シン・ゴジラ」では「過去」は描かれていないが、「今」についてはこれでもかと描かれて
   いる。
    膨大な専門用語が乱れ飛び必死で政府、官僚、自衛隊が防衛作戦を展開しても結局、
   ゴジラに対して無力であることが完膚なきまでに描かれる。平泉 成演じる農水大臣上が
   りのお飾り総理大臣がこの事態を際立たせている。「トホホホ」という感じね。専門用語が
   膨大でもっともらしいほどこの脱力感は効果的だ。
    そういう意味でも防衛側を「地球防衛軍」的、若しくはハリウッドエンタメ的に整理しては
   いけないのだ。
    もっとも従前の総理も官僚も専門用語で武装しているからもっともらしく見えたのであっ
   て内実はこの農水大臣上がりの総理と変わらないのかもしれない。
    少なくない政治家が「シン・ゴジラ」を何度も観ているようだが、菅官房長官は「(シン・ゴ
   ジラは)1回見れば十分だ」と述べたそうだ。
    そりゃそうでしょ、官邸を始め政治家のダメさ加減をこれでもかと描いているのだから。

    「過去」については「夏の戦争映画」シリーズ、VOL.3でたっぷりと検証した通りです。
    小林よしのりさん、私はあなたの「戦争論」の第1巻しか戦争ものは読んだことがありま
   から、断定はしませんが、あなたの著作で「日本のトップ&エリートはダメ」という視点が
   今まであったのでしょうか?あなたの視点はその真逆で国家のために戦った美しき戦士
   ではないでしょうか?
    あなたの功績は認めます。でも、あなたのお陰で「日本のトップ&エリートはダメ」とで
   も言おうものなら、「それって、自虐史観でしょ」とうそぶくエセ保守もどきばかり量産され
   てしまいました。そんな連中は「シン・ゴジラ」観ても「一致団結してして日本を外敵から
   守ろうというのがテーマです。」とか言いだす始末。
    
    「日本軍の下士官以下は世界一。でも上に上がるに従いダメになる。」―― この歴史的
   事実を知っていたなら、「シン・ゴジラ」を観ても単純な「愛国主義」にはならない。
    トップ&エリートのダメさ加減を描きつつ、「しょうがない、我々下士官以下で何とかする
   か」という逆説的愛国心が「シン・ゴジラ」の真髄となるだろう。

    引用部分にはまだ先があるのです。

   過去も今もトップ&エリートは全部ダメ!
   この国は一般庶民たるあなたたち一人ひとりが≪主任分析官≫になるほかに道はない。

                            ~ 引用 同上 ~
 

    そういうわけで不肖、私は7年前からこのブログをやっているのです。


                                            (了)





スポンサーサイト

映画 | コメント:0 |
<<11月解散12月総選挙?(すべてはトランプ次第!?) | ホーム | マスゴミ交代33 「 ホワイトドラゴンTV 」>>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

| ホーム |