素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

検証!歴代米国大統領就任演説の謝意

    



    結構、バタバタしていてこのお題を書き損ねてしまった。
    もう、これは気の抜けたシャンパンのようなものになってしまったことからボツにしようか
   と思っていたが、やはりメモしておこうと思った次第です。

    何のことかというと、トランプ大統領が就任演説の冒頭で謝意を表すにあたって歴代大
   統領よりも先、真っ先に「ロバーツ最高裁判所長官」としたことであります。
    佐藤 優氏あたりが取り上げるかと思ったら、トランプが旧約聖書を引用したことで親イ
   スラエルであることはふれていたが、冒頭のこの一節はスルーだ。
    田中 宇氏もいつもながら緻密な分析をしているが、「トランプ革命の檄文としての就任
   演説」としたうえで、ワシントンDCの小集団・エスタブリッシュメントに宣戦布告し国民に
   この「革命」に参加するように呼びかけていると私と同様の箇所に着目しているが、この
   冒頭の謝意については全くふれていない。

    さ~て、私の勘違いであったか、調べもせずに直観だけで述べたので検証してみるこ
   とにした。ビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュ、オバマの一期目の就任演説をみてみ
   よう。

     我が同胞たる市民諸君よ。

     本日我々は、米国再生という神秘を祝う。

           (中略)

     国民を代表して、私は半世紀に亙って米国に尽くしてきた、前任者のブッシュ
     大統領に敬意を表する。   

                ~ Wikisource ビル・クリントン第1回大統領就任演説 ~ 



     
     クリントン大統領、来賓諸君、そして我が同胞たる国民諸君よ。

          (中略)

     就任に当たり、我が国に貢献してくれたクリントン大統領に感謝する。
     同時に、大統領選を見事に戦い、潔く終わらせた、ゴア副大統領にも感謝する。

          ~ Wikisource ジョージ・W・ブッシュ第1回大統領就任演説 ~



     国民諸君。

     私は、任務を前にして謙虚な思いを抱き、諸君から受けた信頼に感謝し、
     先人が払った犠牲を心に留めつつ、今日この場に立っている。ブッシュ
     大統領の我が国に対する貢献、並びに政権移行期間中に示した寛容と
     協力とに感謝する。

         ~ Wikisource バラク・オバマ第1回大統領就任演説 ~


    前大統領、選挙選を戦った対立候補に謝意を述べるのは当たり前のようだ。
    さらに第2期目になると オバマのようにこう語りかける。

     「副大統領バイデン氏、最高裁長官、合衆国議会の議員諸君、
     来賓各位、そして市民諸君よ。」

              ~ オバマ大統領第2回就任演説 ~ 
   

    1期目が終わったのだから、副大統領や最高裁長官の労をねぎらって謝意をストレー
   トに表さないでも呼びかけるようだ。ジョージ・W・ブッシュも同様だ。(クリントンは2期目
   でも相変わらず理念を前面に出しているが)

    やはり、どう考えてもトランプの就任演説の冒頭は異様だ。
    もういちど引用してみよう。

 
     Chief Justice Roberts, President Carter, President Clinton, President Bush,
     President Obama, fellow Americans, and people of the world: thank you. 

                             ~ ロイター ~


     ロバーツ最高裁判所長官、カーター元大統領、クリントン元大統領、ブッシュ元大
     統領、オバマ大統領、そしてアメリカ国民の皆さん、世界の皆さん、ありがとう。



    過去3大統領だけだが、第1期目でこんな謝意で演説切り出した大統領はいない。
    第2期目で謝意を表す呼びかけにしても「副大統領バイデン氏、最高裁長官、合衆国議
   会の議員諸君」となっていて、固有名詞を出すのは副大統領だけであります。
    3権分立の建前から「最高裁長官」、「合衆国議会の議員諸君」と儀礼的にやっているだ
   けだ。
    演説の冒頭、第一声から「ロバーツ最高裁判所長官」とトランプ大統領は切り出した。
    各大統領第2期目の“ 法則 ” に則れば「仕事」をしてくれたから労をねぎらったとみるの
   がやはり妥当だろう。
   
    考え過ぎ?トランプは型破りで政治素人だから、こういう演説の切り出しになった?
    そんなことはない、トランプは喧嘩屋だから言葉には神経使っているはずだ。
    暴言といいつつ、喧嘩上等の確信犯でやっているはずであって、単なるおバカさんでは
   ない。アメリカ大統領就任演説は日本の首相の所信表明演説と違い、お飾りではなくて
   意図・意義が反映されたものだ。どんな暴言王でも大統領就任演説の第一声がおざなり
   であるはずがない。暴言王と言われるトランプの言葉について田中 宇氏も同様のことを
   述べている。

     トランプは思いつきの出まかせばかり言う人だとマスコミは報じてきたが、
     全くの間違いだ。   

             ~ 田中 宇の「トランプ革命の檄文としての就任演説」 ~


    「ロバーツ最高裁判所長官」と切り出したのが「仕事」をしてくれたことへの謝辞とするな
   ら、やはり当初述べたように大量逮捕に署名してくれたことへのお礼ではないか。
    元大統領には司直の手は及ばず、その子分どもへの逮捕劇もメディアでは報道される
   ことはないのかもしれない。だからこそ、この「ロバーツ最高裁判所長官」を冒頭に持って
   くることで「わかる人はわかりましたよね」とトランプ大統領は言いたいのではないか。

    私にはどうもそう思えるのです。 







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