素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

「みんなの党 タウンミーティング」に参加。 VOL2

    




    「1000億円のものを100億円で売って悪いというが、なぜ1000億円も
    かけてつくった方が悪いと言わない!」



   「かんぽの宿」については、刑事告発されていることであり、今さら述べる気もしないのだ
  が、こんなねじまがった、ご都合主義で理屈もへったくれもない、しかも現場を知らない言
  説は聞いたことがないぞ。
   自民党・河野氏は、「かんぽの宿は(不良債権処理だから)バルクセールでいいんだ」と述
  べた。でも、あの時点はまだ国有財産であり、民間とは違うと思うけどね。それに、「バルク
  セール(要するにバナナの叩き売り)でいい」といっても、しょせん一つの商慣習に過ぎ
  ない。
   以前のブログで述べてように、CBS「60minutes」によれば、学会における学説ですら、
  フラフープ(一種の流行のこと)に過ぎないのだから、まして商慣習というものは・・・。
   (実例は後述します。)

   それでも、河野氏の言説は一応、知ったかブリの「現場」が伺える。
   それに比べ、この御仁は不案内で都合の悪いところはフタをして、論点すり変え
  ちゃうんだから話にならない。
   

   
   もっとも、「かんぽの宿」不正取引を主張する側にも、若干、誤謬がふくまれて
  いる。

   「1000億円」といっても、固定資産税評価額857億円に基づき、割り戻したに過ぎない。
   詳細な内訳知らないことから「1000億円」が正しいかどうか、定かでないが、とりあえず
  正しいと仮定しよう。基になった固定資産税評価額は、土地、建物価格を合算した積算価格
  であり、「かんぽの宿」という複合不動産(旅館、ホテル)の「時価」(市場価格)とはい
  えない。
   
   旅館、ホテルはまず積算価格では売れない。
   やや細かくなるが、収益価格と実際の取引事例に基づく価格を考慮して価格形成される。 
   積算価格1000億円が500億円になってしまうことも、決してすくなくはない。
   逆に一等地なら、少し前のファンド・バブルのように、1000億円が2000億円になること
  もあり得る。
   ワケ有り、難ありの不良物件だらけのバルクセールなら、10分1になってしまうことも
  決してないわけではない。
   結局、売れる価格⇒プレイヤーの求める価格で決まるわけだ。
   プレイヤーっていっても、2~300者、コアなところ数10者のインナーサークル
  だね。
   もちろん、彼らも売り抜ける「出口戦略」があるわけで、結局、キャピタル・ゲイン
   (売買差益)が目的であることは言うまでもない。
   「安く仕入れて高く売る」――NHK版「ハゲタカ」の鷲津のセルフどうり。


   どこぞの副知事でもある作家先生がのたまう「商業用不動産の価格は収益性によって
  決まる」なんて呑気な事態ではないのである。ましてや、積算価格と収益価格の違いす
  らわからないであろう、講演当日の御仁など論外である。

   それでは、「かんぽの宿」不正取引主張派は間違いで、やっぱりバルクの叩き
  売りでよかったのではないか?そんなことはなく、以下の二つの理由で刑事告発に
  値するだろう。


    ①いくら民間で支配的な商慣習とはいえ、あの時点ではあくまで国有財産であったこと。
   
    ②国有財産の売り払いに、民間のインナーサークルの論法が持ち込まれた如く、手続き
     に公正性と透明性を著しく欠くと疑義を持たれても致しかたないこと。

   ①について、いくら支配的な商慣習もしくは方法論であっても所詮「フラフープ」に過ぎ
  ない事例を一つ紹介します。

    一時期、ゴルフ場も収益性を中心とした価格形成により背後の雑木林地よりも安い価格
  で外資に叩き売られていた。それはいくら何でもおかしいでしょ、というわけで造成費、
  建築費、再開発困難性(希少性)etcを考慮して積算価格的アプローチも重視されるように
  なりました。
   (積算価格?さっきまで言っていたことと逆じゃん!と思われるかもしれないが、
    この辺が不動産の一筋縄でいかないところです) 
  
   民間ですらこれですから、「公(おおやけ)」の財産は、何がなんでもひと山いくらで、
  叩き売らなければいけないことはないと思います。見直されるべきでしょう。      
  

   ②については、「民営化」の美辞麗句が実は「私物化」に他ならなかったことがあちらこち
  らで既に語られておりますので、ここでは繰り返しませんが、やや傍系ですが最近の事例
  を一つ取り上げましょう。最初がデタラメだと、その後いかに凄まじいことになるかの一例
  です。

   北海道の「かんぽの宿 層雲峡」(02年竣工)は34億円の建築費にも拘わらず、07年に
  1億7000万円で叩き売られた。落札者は再生困難とみるや固定資産税を逃れるため、外
  壁を重機で破壊し、資産価値ゼロにしました。廃墟のように放置された「かんぽの宿」だが、
  ジャスダック上場企業が発表した第三者割当増資の際、注目を集めることになる。
   東京の小さなコンサル会社が、旧「かんぽの宿 層雲峡」を現物出資したからだ。
   この会社は、今年1月に原落札者から旧「かんぽの宿」を取得し、2月に現物出資して
  いる。
   どういうマジック使ったかわからないが 資産価値ゼロのはずが、現物出資の際に
  は、5億2000万円の価値に跳ね上がっていたそうだ。

   とはいえ、旧「かんぽの宿」は、廃墟のままで利用されることもなく、町に固定資産税も入
  らず住民は困り果てているという。 

   この手の「化ける不動産」は我々不動産屋の間では、よくある話です。
   不良債権ビジネスで、副知事兼作家の「商業用不動産は収益性で・・・」なんて「鉄火場」
  を知らない素人のたわ言だ。その一方で、あくまで国有財産は国有財産であるわけで、どう
  しても二律背反、矛盾するわけです。この辺の事情を知ることもなく、「すべて市場に任
  せればいいんだ」という確信もなく、ただ取引過程にはほうかむりして、「1000億円
  もかけて作った方が悪い」なんてねぇ・・・・・。


   岩崎弥太郎も似たようなことしているのだから、国のものを政商が安く払い下げるのは、
  明治時代なら許されたろう。でも、現代では通用しないんだよね。

   不透明、不公正な取引をめぐって刑事告発されているにも拘わらず、東京地検特捜部が
  全く動こうとしないところに、「闇の深さ」が伺い知れよう。

   いくら書いてもキリがないのだが、「理事長」の「1000億円もかけて作った方が悪い(責め
  るべきだ)」は、あまりに見当違いで杜撰な発言だ。身分不相応なぜいたくしたのだから、
  ポルシェ盗まれても、ポルシェ買った方が悪いと言っているようなものだ。
   この御仁は、ほんとうに法治国家の住人か!
   
   何か、こんな調子じゃ最後まで聞かなくても「見えてきたな~」と思っていたら、私の
  悪い予感は的中してしまったのである。

                   (つづく)





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