素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

映画「告白」 その2

   




    I  「それにしてもな~、やっぱりゲームだよね。
       ドストエフスキーに触れられていたけど、ドストエフスキーならもっと
       描き込んでいたと思うよ。」

    
    私 「確かにそれは一理ある訳で、ドストエフスキー引用して現代をどうのこう
       の言う人は多いが、あたしに言わせればそれでも足りない、ドストエフスキー
       でも足りないと思うわけですよ。」


    I 「――――」


    私 「ドストエフスキーは人間にはそういう一面がある、そういう面も含んで
       人間だというわけであって、それだけじゃ何で『告白』のような人間が
       増えてきたのか説明つかない。」
  
    I 「じゃ、どうしてそうなったの?」

    私 「まとも話すと長くなるので思いっきりはしょるが、あっさり言えば
       『ヘビ族』の仕業だよ。ドストエフスキー飛び越して『ヘビ族』まで描くと
       なると、もはや小説や映画じゃなくなっちゃうんだよ。
       少なくてもストレートストーリーじゃ無理だ、SFやファンタジーの体裁と
       らないと出来ない。」


        モモ
        この映画に出てくる「時間泥棒」は彼らのことらしい。
        私には「資本主義」そのもの見えるが、抽象のようで
        具象、固有名詞のようです。どうでもいいのだが、
        「オースティンパワーズ」のドクター・イーブルのスタ
        イルは「時間泥棒」から頂いているね。




    私 「いろいろあるけれど、『告白』は間違いなく現代を捉えていると思う。
       それ比べると井筒監督の『ヒーローショー』にはガックシだよ。」
       

    I 「そうなの?『パッチギ』良かったじゃん」

    
    私 「確かに前半は期待させるんだよ。バイトで戦隊(ヒーロー)ものやっている
       奴らがショーの最中、些細なことから子供たちの目の前でガチでどつきあい
       が始まるんだけどさ~。いいんですよ、現代を感じさせるわけ。」

    I  「何かおもしろそうじゃないの?」 


    私 「ところが後半、片田舎(勝浦)に舞台が移ってから、チンピラヤクザを
       暴走し過ぎて殺しちゃうわけ、その首領が地元有力者、政治家の息子なん
       だけどさ~、前半はどうなっちゃたの?って感じ」

    I 「う~ん」
   

    私 「そんなのは昔からあって、ここ20~30年だけどいくらでも描かれてきたんよ。
       現代の若者、現代の暴力に切り込むと見せかけておいて、結局、自分の得意な
       テリトリーに回帰しちゃったわけさ。つまり、監督自身、現代も若者もわから
       ないということだね。」

 
     ぱっと思いつくだけでも、映画・TVでいうと「遠雷」、「性的黙示録」、小説だと
     「シンセミア」、壊れた地方(田舎)については既に描き尽くされているくらいだ。
     これらは、時として「時代のカナリア」として存在したのであって、現実にそう
     なってから後追いされても今さら~、ですよ。
 

     井筒監督は、80年代から今日を基本的に認めたくない、もしくは受け入れたくない
     のだろう。ラストにピンクレディーの「SOS」がかかるのはその証と見た。
     別に彼を責め立てているわけではく、もはや世界中の監督がストレートストーリーで
     は「時代のカナリア」たり得ないことがわかっている。また、だからといって現実写
     し出してもしょうがないことも承知している。かつて、映画が担っていたこの役割は
     消滅するかもしれない。これに変わってますます台頭してきているのが、似て非なる
     プロパガンダ映画だ。

     チト長くなったが、これらを前提に「告白」の「ゲーム性」について考えてみたい。

                              (つづく)



        ダークナイト
        本作が評価され受け入れらるのは、ヒース・レジャー
        の怪演だけによるわけではないだろう。
        クルストファー・ノーランの世界観とアメリカの時代
        精神が切り結んでいるからだ。
        「MBAが云々」でチャラチャラ、ニヤついている時代は
        もう終わったんだよ。




     
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