素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

朝生 「米中新冷戦時代と日本」 VOL.4





   番組内容に沿って、簡単に片づけるはずだったが、前回、やや脱線した。
   構成を考えている時、「ん~ん、何か、すっぽりと抜けてないか!隠されていないか?」、
  フトそう思えてきたのです。危ないところだった、まんまと術中にはまるところだった。
   世間は騙せてもあたしゃ、ダマされない。パネラーも違和感を持っていたようだが、
  タイトル「米中新冷戦時代」も古臭いだけじゃなくて、方向づけが感じられる。
   一見、フリー討論のようでも「日米同盟を強化して、中国と対峙せよ」、これがこの
  番組の隠された主張だ。



  
  田原氏が、先日放送された、倉本聰のTVドラマ「歸國」を話題にしていた。
  ご覧になられただろうかといいつつ、私は観ていない。
  食事をしながら、最後の方を少しだけ観たのだが、全編観ていようがいまいが、この番組に
 対する私の評価は変わらない。田原氏曰く、現代にタイムスリップした太平洋戦争の英霊た
 ちを通して作者は現代日本を全否定しているという。
  ここで私は、作者、倉本氏に問いたい。

   「あなたは英霊たちが、『昭和元禄』『一億総中流』の時代にタイムスリップした
    としても、彼らに同じセリフを吐かせますか?」と。

  おそらく答えはNOだろう。アッパークラスなら、戦前、大正、明治の方が(絶対的ではなく)
 相対的に良かったかもしれないが、一般庶民にとっては、戦後の「昭和元禄」の方が良かっ
 たに決まっている。もちろん、三島由紀夫的には「戦後の虚妄」なる言説があるのかもしれ
 ないが、それも「昭和元禄」の「余裕」を下地としたことである。
  三島は太宰に「あなたの悩みなど乾布摩擦すれば吹っ飛んでしまうものだ」と言い放ったと
 いう。
  あの~、三島先生、恐縮なんですが、21世紀の住人たる私達からすると、先生の悩みも漢
 方薬煎じて、湯治すれば治癒される類の悩み、苦悩だと思うんですけど。
  21世紀の住人たる我々の苦悩は、得体の知れないウィルスに脳を侵される苦悩であろう。
  
  え~と、何の話でしたっけ?「昭和元禄」の話でしてね。
  英霊たちが『昭和元禄』にやってきたら、違和感を覚え気に入らないこともあるだろうが、総
 じて満足してあの世に帰っていくであろう。これには倉本氏も同意すると思う。
  そうすると、彼が唾棄した日本とは「昭和元禄」以降(主に平成か)の日本だと推察される。
  観てもいないのに勝手なこと書くなと思われるかもしれないが、何故、日本がそうなったの
 か、作者は何らかの考察して作品に反映させているか?おそらくしていまい。
  何にも考察しないのは、作家として怠慢じゃないのか!と思わず言いたくなるが、それは正
 直、酷な要求というもんでしょう。これについて全的考察を作品に反映させることは、文学
 (戯曲)の範疇を越えることであり、たぶん、誰にもできないんじゃないかと思います。
  経済的側面については、前回、軽くスケッチしましたが、文化、社会的側面の考察的もしな
 ければならないわけで、それは至難の業だろう。
  ただ、これだけは断言できる。
  
   「日本人が愚かだからこうなってしまった」とあまり一途に考え込まない方がいい。
   それでは片手おち、肝心なところを見落とす。


  「日本人が愚かだから・・・」は、WGIP(War Guilt Information Program)の延長
 線上にある思考だろう。

  ドラマ「歸國」は、一見、このWGIPと真逆のようで、実はWGIPの延長線上にある思考だ
 と容易に推察される。基本的に「日本人が愚かだから・・・」なわけでしょ。この日の朝生も同
 様、「80年代、日本は目標をなくし戦略もなく・・・」⇒「日本人が愚かだから・・・」。
 前回の繰り返しになるが、日本がそんな状態の時、片や米国は20~30年の国家戦略を立
 案して諜報機関(日本のマスゴミも含む)まで駆使して、日本弱体化を推進すべく「戦争」
 のつもりで攻めてきたんだから、日本は衰退するでしょ。何でこれくらい言えないの?
  当日のパネリストは、中国人以外全員、いまだにWGIPの延長線上にいるんだと思う。
  換言すれば、最近の日本人は内向きとか言っている彼らの言論空間こそ閉ざされ
 ていて、「国内閉鎖モデル」で発言しているのだと思う。



   WGIPの延長線上の思考から脱し、21世紀の住人たる我々に必要な視点は、
  日本のみならず、日本人を劣化・弱体化させたい人々が世界には確固として存在
  し、かつ彼らは日本人劣化を実行できるということです。



   
   「朝生」、「戦争」つながりで思い出したが、以前の「朝生」でジャーナリストの大谷氏が
  元将校の老人に対して、「こんな奴ら(今の若者)のために命がけで戦ったわけじゃない、
  という思いはありませんか?」と尋ねたら、元将校氏は、「私らも若い時、いろいろ言われた
  んですよ。だからいいんですよ。」と言い放った。
   パネリストだった苫米地英人氏をはじめ、若い衆はやんやの大拍手だった。

   戦争行った人々は、古臭いばかりというのは先入観で、案外ふり幅が大きかったりする。

                        
                                    (つづく)


男たちの旅路
特攻隊の生き残り、吉岡(鶴田浩二)と若者
(水谷豊、桃井かおり、柴俊夫、森田健作)
の交流と葛藤を描くTVドラマ。
吉岡は若者に説教はするが、全否定などし
ない。「昭和元禄」の頃ならそうでしょう。
個人的には、根津甚八が歌手を演じた
「墓場の島」が印象に残る。  
   





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