素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

ドラッカーの言葉 #5

   



   辛卯(かのとう)の年と言っても、ウサギ年の今年、飛躍したいと考える人もおられると思う
  が、ひところの「起業ブーム」はどこへやら、あまり威勢のいい話は聞かれない。
   でも、そんな世の中でも起業したい人もいるわけです。
   そういうわけで今回は「起業家精神」についてです。


     【起業家精神とは気質ではない】

     起業家精神とは気質ではない。実際のところ私は、過去30年間、いろいろ
     な気質の人たちが起業家的な挑戦を成功させるのを見てきた。
     
                   ~ 「イノベーションと起業家精神」 ~


   ナルホド、誰でもその気になれば起業家になれるわけですね。
   でも、向かない人もいるでしょう。

     【起業に向かない人たち】

     確実性を必要とする人は、起業家に向かない。そのような人は政治家、軍の将校、
     外国航路の船長など、いろいろなものに向かない。それらのものすべてに意思決定
     が必要である。意思決定の本質は、不確実性にある。
     
                   ~ 「イノベーションと起業家精神」 ~

   
   不確実性とはリスクとも換言できます。
   まあ~、確かにそうですね。
   ここまではすんなりいきますが、ドラッカー先生は我々がイメージしがちな「起業家像」
  を、例によってバッサリと斬り捨てる。
 


    【天才的なひらめきはいらない】

     オーナー起業家に天才的なひらめきがあるというのは神話にすぎない。
     私は40年にわたってオーナー起業家たちと仕事をしてきた。天才的なひらめき
     をあてにするオーナー起業家は、ひらめきのように消えていった。
          
                   ~ 「未来企業」 ~


   「ひらめきのように消えていった」か、思わず笑ってしまった。
   では、ドラッカーは起業家をどのように定義しているか。

 
    【起業家精神の定義】

     起業家は、変化を当然かつ健全なものとする。彼ら自身は、それらの変化を引き起こ
     さないかもしれない。しかし、変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用
     する。これが、起業家および起業家精神の定義である。

                   ~ 「イノベーションと起業家精神」 ~


   「変化」はギャップとして現れるだろう。
    需要があるのに供給がない、時代とミスマッチ、価格と不均衡等。 


   「変化を探す」、「変化に対応する」、「変化を機会として利用する」、これらが核心の
   ようであります。
   
    【現存する仕事は間違っている】・・・変化を探す

     現存する仕事はすべて仕事であり、何がしかの貢献をしているはずであるとの先入観
     は危険である。現存する仕事はすべて間違った仕事であり、組み立て直すか、少なく
     ても方向づけを変えなればならないと考えるべきである。
    
                   ~ 「日本 成功の代償」 ~

       

   【本物の変化と一時の流行を見分ける】・・・変化とどう取り組むか ⇒ 変化と対応

     変化を観察しなければならない。その変化が機会かどうか考えなけらばならない。
     本物の変化か一時の流行かを考えなけらばならない。見分け方は簡単である。
     本物の変化とは人が行うことであり、一時の流行とは人が話すことである。
          
                   ~ 「ネクスト・ソサエティー」 ~


   これは「保守思想」の核の一つにも数えられるだろう。
   ただ、方法論(見分け方)は異論があるが。


    【イノベーションと起業家精神】・・・変化を機会として利用する

     起業家はイノベーションを行う。
     イノベーションは起業家に特有の道具である。

                ~ 「イノベーションと起業家精神」 ~


   一見、ストレートに照応していないかのようだが、変化のギャップを埋める方法論が
   イノベーションとするなら、変化を機会として利用することになるだろう。
   これが起業家精神の別の定義かもしれない。

   ドラッカーは「起業家の精神」を説きながらも、精神論(≒根性論)とは一番遠いところ
   に位置する。次の一節によく現れている。
  

    【体質は会っているか】

     イノベーションの機会は、イノベーションを行なおうとする者と体質が合っていなけ
     ばならない。重要であって意味がなければならない。さもなければ、忍耐強さを必要
     とし、かつ欲求不満を伴う激しいいイノベショーンの仕事はできない。

                   ~ 「イノベーションと起業家精神」 ~



   イノベーション以外の忍耐、欲求不満は不要というわけだ。
   昔、村上龍氏が「我慢しちゃいけないよ」と言っていたことにつながる。
   先生の主張は脈絡ないようで首尾一貫していて、「強み」を中心にやるべしと締めくくる。


    【イノベーションは自らの強みが基盤】

     イノベーションほど、自らの強みを基盤とすることが重要なものはない。
     イノベーションにおいては、知識と能力の果たす役割が大きく、しかも
     リスクを伴うからである。

                   ~ 「イノベーションと起業家精神」 ~


   「強み」を基盤とするからこそ、山あり谷ありであっても「楽しい」のであって、うまく
  歯車が回り始めるとどんどん好回転する。
   
    その姿は光輝いていてカッコイイので起業家はスポットライトを当てられるのだろう。







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