素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

「樅の木は残った」、そして「本気」は去った(前編)

   



   NHK大河ドラマ50周年を記念して、「大河ドラマ50」という特集番組をやっている。
   第3回「樅の木は残った 総集編(前・後)」にi興味惹かれ観てみた。

   私の記憶にある大河ドラマは「樅の木は残った」の前作「天と地と」からでありますが、
  この「樅の木は残った」はとにかく陰鬱(いんうつ)で、当時、子供の私には怪奇映画みた
  いに恐ろしいという印象が強かった。何分、子供だったのでストーリーはほとんどわから
  なかったのでありますが、最終回、平 幹二朗が血まみれになって白目むきながら畳の上
  を這っていく鬼気迫る演技だけは強烈な印象として脳裏に焼き付いていました。
   大人になって改めて見直しても重くのしかかかるような陰鬱さはさして変わるものではな
  く、やはり本作はNHK大河史上画期的な一本であったという感慨を深くする。

   ご存知のように本作は、歌舞伎などでお馴染みの「伊達騒動」の悪役、原田甲斐が実は、
  一命を賭して伊達家を守った名臣であるとして定説をひっくり返しています。  
   見方を変えれば、NHK大河ではお目にかかれない「武士道残酷物語」であります。
   信長も秀吉も家康も様々の視点、解釈で描かれておりますが、ここまで見事に定説を
  ひっくり返した作品は他にあるまい。
   この調子で、他のいわゆる「史実」もひっくり返してほしいのですが・・・。
   それは後ほどということで次へ行きましょう。




 〔信じれられないほど豪華なキャスト〕

   いつの時代でもNHK大河ドラマは、オールスターキャストでありますが、本作も信じられ
  ないくらいの豪華キャストであります。
   本作の翌年、大映は倒産するわけで撮影所システムはもう崩壊している時代であります。
   まだ、映画会社専属のスター、看板役者がいる頃でありまして、これらに新劇、新派、
  小劇場の看板役者、スターが大挙して出演しております。
   昨今は、これらの注目の新人、看板役者が乏しく、ドラマ、CM、バラエティーでちょっと
  売れたという程度の役者で新鮮味を出すという具合で、どう~も薄っぺらでツマラナイ。
   昨年の「龍馬伝」も龍馬ファン、福山ファンにはたまらないのでしょうが、私としては
  スタッフのクオリティーの高さで出来あがったように思います。

   さて、前おきがながくなりましたが、具体的にキャストを列挙していきましょう。

    【新劇】

      平 幹二朗(俳優座)

      
      栗原小巻(俳優座) 藤岡重慶(俳優座、声優として「あしたのジョー」丹下段平) 
    
      伊吹吾朗(俳優座) 高橋昌也(俳優座)佐藤 慶(俳優座 大島渚の常連)


      神山 繁(文学座) 江守 徹(文学座)
      
      芥川比呂志(文学座 芥川龍之介の長男) 森 雅之(文学座)

      岡田英次(劇団青俳) 蜷川幸雄(劇団青俳 あのニナガワです。)
    
      吉行和子(劇団民芸) 下条正巳(劇団民芸 「寅さん」のおいちゃん)
   
      草薙幸二郎(劇団民芸) 加藤 嘉(劇団民芸 「砂の器」が有名)

      内田朝雄(劇団雲 声優として「刑事コロンボ」)

      日下武史(劇団四季)



    【新派】

      安井昌二(劇団新派 元祖「ビルマの竪琴」)


    【新国劇】
      
      辰巳柳太郎  若林 豪


    【歌舞伎】

      尾上松緑 尾上菊之助(現・尾上菊五郎) 澤村精四郎(澤村籐十郎)


    【その他】

      戸浦六宏(創造社創設に参加 大島渚の盟友の一人)


    【映画会社】

      吉永小百合(日活) 田中絹代(松竹 溝口作品に多数出演)

      北大路欣也(東映) 志村喬 (東宝) 加東大介(前進座 ⇒ 東宝)

      宮口精二(文学座 ⇒ 東宝) 乙羽信子(大映 ⇒ 松竹 ⇒ 近代映画社)

      香川京子(フリーで黒沢、溝口、小津、成瀬作品に出演)


    この他、富士眞奈美 千石規子 中尾彬、北村総一朗、菅井きん、田村亮、財津一郎
    等々。 

          ~ 主に出身母体を中心に記述、番組出演当時フリーも含む ~

            青字は「七人の侍」 
           
   
   
   本作放送時は、映画会社専属役者というものが存在したわけであります。
   北大路欣也などは、アイラインが入って、さらにアイシャドーもしているようでした。
   白塗り時代劇に時代はとっくに終わっているのですが、やはり東映のカラーが見てとれ
  ます。
   各社専属の役者でなくても、黒沢、溝口、小津、成瀬、大島らの遺伝子を受けつだ役者が
  多数出演する中に、新劇、新派、小劇場の看板役者が出ているのですから、繰り返します
  が何とも豪華という他ありません。
 
   これだけの先輩、芸達者の中で主役張る平 幹二朗のプレッシャーたるや相当なものだと
  思いますが、聞けばそもそもは市川雷蔵が主役に決まっていたが、急死したため平 幹二
  朗に“お鉢”が回ってきたとか。
   レーナード・バーンスタインにしろ誰にしろ名指揮者デビューのきっかけは誰かの代役で
  あります。
   千載一遇のチャンスをものにせんとする平 幹二朗の気合の程が伺えるというものです。


                         (つづく)






 
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