素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

明らかにされる戦時情報統制と隠ぺい体質(前編)



   もうかれこれ10日以上前になるが、NHKで注目すべき戦争ドキュメンタリーが放送
  された。

    「原爆投下 ~ 生かされなかった極秘情報 ~ 」

    「シリーズ 証言記録 市民たちの戦争」 

   既にTVのみならず動画でご覧になられた方も多いだろう。
   これら2本にふれながら、そもそも何故、いまこれらが放送されるに至ったか述べたい。

   「原爆投下 ~ 生かされなかった極秘情報 ~ 」は、従来、広島・長崎への原爆投下は
  全くの想定外であったと伝えられていたが、陸軍特殊情報部が「エノラゲイ」(広島)、
  「ボックスカー」(長崎)共に事前に爆撃を察知していたというものです。
   陸軍特殊情報部は参謀本部直属の情報部隊であり、彼らはマリアナ諸島から発せられる
  信号を傍受し、サイパン島(V400番代)、グアム島(V500番代)、テニアン島
  (V700番代)と発信地を特定する。それらを分析するうちに、日本のどこにいつ頃
  何機くらい爆撃にくるか事前に察知できるようになった。
   数百機の編隊であることが通常であるのに、わずか10数機のB29がいままで使用
  されることなかったV600番代のコールサインで通信していることが明らかになった。
   特殊情報部は、これら不可解なコールサインを有する編隊を“特殊任務機”として認識
  する。“特殊任務機”が原爆を登載することになることはまだ定かでなかった。


   8月6日、広島原爆投下の少し前、近畿、四国、中国の各地方がB29の爆撃にさらさ  
  れていて、軍部広島司令部は本部から指示を待っていた。
   特殊情報部は、豊後水道に気象偵察機がやってきてた後、V675の“特殊任務機”が
  広島に迫っていることを事前にキャッチしていた。
   それにもかかわらず、広島司令部には情報は伝えられなかった。

   空襲警報すら出さなかった。

   参謀本部に情報が上がっていなかったわけではなく、8月8日には広島爆撃のコール
  サインを突きとめたとして特殊情報部員は表彰されている。

   8月9日、一人のパイロットが出撃命令を待っていた。
   番組インタビューに応えた本田 稔さんは戦闘機「紫電改」でB29を撃ち落とした
  こともあるという。帰還する際にたまたま、広島原爆投下を上空から目撃し、もし次の
  原爆が投下される際には、自分が体当たりをしてでも阻止すると出撃命令を待っていた。
   特殊情報部は、原爆投下の5時間前に、V675、すなわち原爆を搭載したB29
  「ボックスカー」をキャッチしていたにもかかわらず、出撃命令をついに出さなかった。
   それごころか、

   空襲警報すら出さなかった。


   66年の時を経て、長崎原爆投下の5時間前に情報をつかんでいながら、参謀本部が
  何もしなかったことを知り、本田さんは、
   
    これが日本の姿なのですか

    こんなことまた起こるんじゃないですか

    これを許していたら。
 
   と悔しさをにじませながら呟く。


   実際、同じことは繰り返された。
   福島原発事故、3月11日にメルトダウンしていることを知りながら、保安院らは
  何もできなかった。

                (つづく)


  


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