素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

忍び寄る国際連帯税!? (前編)

   
   既に述べたようにユーロ危機は、CDS等のデリバティブを駆使してヘッジファンドが仕掛
  けたものと見るのが妥当であろう。
   彼らは目先の利益しか関心がないのであって、リーマンショックの時、契約総額が8京円
  であったことに象徴的なように一国の財政規模を超えるレベルで暴れている。
   ヘッジファンドらの投機マネーを放置していたら、一国だけの経済政策では太刀打ちでき
  ないのは火を見るより明らかであり、国際的協調が必要であろう。
   そもそも投機的金融取引そのものを規制すべしとのスタンスは以前より根強いものが
  ある。
   それならばと、トービン税などの国際連帯税が検討されても不思議ではない。
   
    【注】 トービン税とは、ノーベル経済学賞受賞者ジェームズ・トービン
        (イェール大学経済学部教授)が1972年に提唱した税制度である。
        投機目的の短期的な取引を抑制するため、国際通貨取引に低率の
        課税をするというアイデアで1994年のメキシコ通貨危機以降、注目を集めた。

   もっとも、国際連帯税は、投機的金融取引のみならず気候変動や貧困、疫病などの地球
  規模の問題への対策資金を創出する税金であるが、各国が同時に導入しなければ効果
  が出ないという難点を指摘されている。

 「地球規模の問題解決」とあるようにグローバル経済に対応した租税と言えるだろう。

   メキシコ危機以降、2009年、英国で開かれたG20財務大臣・中央銀行総裁会議で
  英国のブラウン首相が、国際的金融機関の破綻に備えて、国際的な仕組みを構築すること
  の必要性を説いた。この時の「他国が我々と一緒に動かなければ、英国は動かないだろう」
  というブラウン首相の発言は、まさしくトービン税が39年前に提案されてから、いまだ
  に実現しないことを如実に表している。
   もう何度もトービン税のような国際連帯税は検討されているわけで、一部、抜粋すれば
  以下のとおりです。

    ○ 2003年 1月 英国が各国に先立ちIFF(国際ファシリティー)創設

    ○ 2003年12月 フランス大統領、「ランドーレポート」を発表

    ○ 2005年 1月 ダボス会議で仏国・シラク大統領が国際連帯税構想を発表

    ○ 2006年 2月 パリ会議にて「開発資金のための連帯税に関するリーディング
                グループ」(以下、LGS)が結成される(38ヶ国)
    
    ○ 2007年 2月 オスロ第2回LGSにてノルウェー政府主導で
                「タックス・ヘイブンと資金流出対策タスクフォース」
                が設置される。(46ヶ国)  

    ○ 2008年11月 ギニアのコナクリでLGS第5回総会開催。
                日本は初めて正規加盟国として参加        

   着実に国際連帯税は実現に向けて前進しているわけで、グローバル経済にあっては、別
  に投機的取引に限らず国際協調としての国際連帯税は必然の流れであって、不可避のよう
  であるかのようだ。着実に前進してはいるものの、国際連帯税への道のりはまだ遠い。
   
   我々はなるべく税金を逃れたいのだが、世の中には何とか税金とりたい人々がいること
  もまた紛れもない事実であります。
   投機的金融取引規制よりも、もっと誰もが認める目的ならば国際連帯税は実現可能性が
  あがるだろう。もっと万人に受け入れやすいものは何かというと、「環境」⇒ 地球温暖化
  であります。二酸化炭素による地球温暖化を抑止するため低炭素社会の実現を目指して
  炭素税が導入されている。
   欧州では2006年3月時点で、8か国(フィンランド・ノルウェー・スウェーデン・デン
  マーク・オランダ・イギリス・ドイツ・イタリア)が導入し、日本では、環境省が中心と
  なり環境税(炭素税)が2004年、2005年と検討されたが導入までには至らなかった。
   2011年現在では、政府税制大綱では、「地球温暖化対策税」の導入が閣議決定された。
   石油石炭税を、燃料の環境負荷分に応じて2011年度から段階的に増税する処置が骨子
  である。なお、自動車の燃料費高騰を避けるため、軽油引取税・ガソリン税の暫定税率を、
  石油石炭税増税に応じ低減させる処置も案の中に入っている。

   トービン税は投機的金融取引を目的としたものであり、この考え方を地球温暖化にあては
  めることは本来の目的を逸脱しているとするむきもある。しかし、グローバル経済の
  「外部不経済」として地球環境破壊(二酸化炭素による温暖化)が生じたと仮定するなら、
  炭素税はグローバル経済に即応した租税といえるだろう。

   つまり、ヘッジファンドの投機経済に関わらず、グローバル経済の“鬼っ子”として
  国際連帯税はついてまわるというわけであります。

 
                        (つづく)





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