素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

資本主義は民主主義を凌駕する!? 前編

   



   保守、左翼(リベラル)、右翼、共産党、いずれの立場をとるにせよ、日本には本物の政治
  思想は乏しい。敢えていうなら、リアルな右翼ぐらいだろうか?
   なぜ、そうなのかと言えば、日本はいまだに社会的に「近代化」していないことに求められ
  るだろう。(もっともこれは日本だけではなく、中国、韓国の北東アジア全域で事態は同じだ
  と思われる。)
   さらに言うと、21世紀現在、保守だ左翼だと20世紀的パラダイムで思考しても齟齬
  (そご)ばかりが生じるのであって、つきつめれば根本的矛盾を内包しているといっても過言
  でないだろう。
  
   資本主義、社会主義、民主主義はその淵源であるヨーロッパを事例にして考察するのが
  よい。英米と共にリアルな政権交代を繰り返してきたフランスの大統領選に基づき思考
  しよう。
   フランスはオランド政権が誕生したわけだが、マリーヌ・ルペン女史率いる極右
  政党国民戦線(17.9%)、共産党を含む左翼戦線(11.1%)と両勢力で30%
  に迫る得票率を獲得したことは特筆に値する。
 
   両者は移民問題で反目しているのであるが共通するものもあって、それは、

    反グローバル化、反EU

   であります。
   彼らの発言に耳を傾けよう。
   
    国民戦線のマリーヌ・ルペン党首は選挙中、「EUはフランスを縛って
    いる。そのEUが守っているのはリベラリズムと資本主義だ」と繰り返し、
    父親で前党首のジャン・マリー・ルペン氏はかつて「グローバリズムは
    原則的に非道徳」と公言した。

             ~ 日刊 ゲンダイ 5月23日 ~


   国民戦線はどちらかと言うと、思想信条的主張だが、左翼戦線は、現実・生活的主張を
  展開している。

    左翼戦線の候補者メランション氏は人々の生活が苦しくなっているのは
    「不況を招く緊縮財政が元凶だ」と主張、財政規律強化を既定するEU
    新条約を批判した。

               ~ 引用 同上 ~
 

   オランド大統領の主張にも通じるわけであり、緊縮財政か経済成長とか言って日本の
  メディアにも取り上げられている。でも、「緊縮財政 vs 経済成長」という二項対立は浅薄
  な思考であって、「階級」、「移民」、「格差」、「人種」等の問題を抱えるフランスは、
  もう少し成熟していて、大人であります。
   
   結論を急ぐ前に現実・生活の視点に立ち返って考えよう。
   フランスはEUに統合され、日本以上に「グローバリズム」が切実な問題であり
  ます。

   グローバリズムとEUによって「勝ち組」にならなかった民衆はこれらは敵視している。
   もちろん、拡大EUは5億人の市場を形成したが、これらの恩恵に浴している国境を超え
  るビジネスエリートや専門テクノクラートばかりで一般大衆にとっては新たな貧困の創生で
  しかない。

   フランスはエリート教育の伝統が根強い国柄であって、当然、拡大EUの「勝ち組」が
  存在する。

    しかし、「勝てない」フランス人が相当数に上まる時、民族主義や社会主義
    が大きな声になる。重要なのは、今回、両党の民族主義社会主義的な政策が
    一部の中間層にも共感を持って受け止められたことだ。

                      ~ 引用 同上 ~


   フランスは現在、グローバリズム、EUに対する反動の時期であると考えられる。
   でも、オランド政権の政策は財源、メルケル・ドイツとの関係を鑑みるに果たしてどこまで
  実現するか疑問だし、そもそも、これは二者択一の問題ではないのであります。


    エリートに政治を託したほうが、自分たちの利益が守られると考える時、
    大多数の人々はエリートに政治的正当性を与える。同時に、自分たちや
    次世代がいつか「勝ち組」になれるかもしれないと考える時、現在の
    「格差」は許容される。

                      ~ 引用 同上 ~



   ミッテラン ⇒ シラク ⇒ サルコジ ⇒ オランドという具合にこの言説のように
  “ 振り子運動 ” によってフランスは政権交代してきた。
   本物の政権交代が行われたわけで日本より社会が成熟し大人な有権者だと言えるだ
  ろう。

   でも、“ 振り子運動 ”(政権交代)は民主主義が機能しているから成立し得るので
  あって、民主主義をも凌駕する事態が起こったときは、どうなるのであろうか?  


                                       (つづく)










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