素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

説得力あるようで空虚な言葉 ペラペラのようでしみる言葉 (前編)

   



   尖閣諸島に上陸した香港の活動家らが強制送還となると決まって自民のイシバ氏が
  噛みついた。曰く、「強制送還はけしからん。送検してどういう背後関係だったのか、破
  壊活動する気はなかったのか、調査すべし」

   ナカナカ御立派な発言です。
   直角・保守は拍手喝采でありましょう。
   ところで、小泉内閣時、同様に尖閣に上陸して中国人を強制送還とした時の防衛庁
  長官は誰だったでしょう。イシパ先生じゃありませんか。
   これに対して先生は答える、

    「あの時は初めてで、何度も繰り返したのですから今回とは状況が違います。」

   ほう~そうですか?それで前回の漁船衝突の時のように送検したら、中国は次々と
  対日制裁カードを切ってきますが、大丈夫ですか?

   イシバ先生曰く、

    「領土、主権を守るために犠牲を伴います。政治家が国民にその点を説明すべし」 

   さらにたたみかける。

    「そもそも民主党が普天間基地移転に伴い『 最低でも県外 』 とか言って、
     日米関係を軽視する言動がいけないのです。」

   ナルホド、典型的な安保マフィアの発言ですな。
   それでは先生、米国は日本列島はもとより尖閣も守ってくれますか?
   
   イシパ先生 「――――― 」

   ですよね、漁船衝突の時、ヒラリーは「尖閣は日米安保の対象と明言」しましたが、
  その後訂正したじゃないですか?

   「尖閣の領有問題について立場を明らかにしない」と。

   今は、米国ヌーランド報道官は、

   「日中で解決して欲しい。米国は、どちらの味方もしない。」

  イシパ先生

   「私が言いたいのはそう言うことではなくて、日米同盟が強固でないから
    尖閣、竹島、北方領土と中韓ロがやってくるんじゃないですか、という
    ことです」
     (今まではほぼイシパ先生の発言を忠実に再現したが、これは想像です)

   そうかもしれませんが、自民党時代と今では中国の戦略が違うんじゃないですか?
   今や中国は空母を持ち、第一列島線、第二列島線とか公言しているくらいですから。
   尖閣に対して自民が曖昧だった点は反省すべきじゃないですか?
  
   イシパ先生

    「私もその点は反省すべき点だと思います」

    「良い知恵が出るまで粘り強く対処して先送りするしかないのです。」
     (これはイシパ先生の発言に基づいています。) 
  

   以上、イシパ先生の発言は一見、説得力があるようで実は何ら対処法が
  なくて実に空虚な言葉でしかないと思うのです。

    


   一方、昨日、「報道ステーション」における作家・高橋源一郎氏の発言は、一見、ふざけて
  いるようにペラペラで薄っぺらく、ゆるい発言のように思えますが・・・・。
   春名幹男氏(米国精通者)、富阪 聡氏(中国精通者)の発言を受けて高橋は

    「正直、どうでもいい。(中略)国内の問題、もっと大切な問題から目をそらす
     ことだと思います。こんなことよりもっと他のことをやってくれ。
     (福島原発の方が)はるかに大きいし、国民にとっては重要だと思います。」

  
   何とまあ~無責任な!!直角・保守にとっては許し難い発言でしょう。
   だから、サヨク作家はダメなんだって言うでしょう。
   確かに「どうでもいい」だけ切り取ると、とんでもない発言です。
   「国内の問題、もっと大切な問題から目をそらすことだと思います。」―― 彼ら直角・保守
  はこれから目をそらすか、本当に見えなくなっている。この文脈の中で「どうでもいい」をとら
  えなければならない。さらに後述するが、どちらの処遇をしようと解決策にならない、
  どこまで有効か怪しいことに、しゃかりきになってもしょうがいないのなら、「どうでもいい」
  と呟くしかない。いや、熱くなればなるほど奴らの術中にはまるなら、「どうでもいい」と
  達観するしかないのかもしれない。

   中国のスタンスに問題があるのは誰の目にも明らかだけど、やっていることは相も変わら
  ず人間の愚かな行いだともいえる。こんな風に考えるのが文学者というもんでしょう。
   ポストモダン以来、現実にコミットする作家は旗色が悪く、あたかも韜晦(とうかい)こそ
  が文学というスタンスでありました。このスタンスに必ずしも異を唱えるものではありま
  せん。
   でも、そうは言っていられないのが「21世紀」だと思うのです。

   そんな時、政治、国防、インテリジェンスに素人の文学者がどんな言葉を紡げるのか、ね
  じり鉢巻して青筋立てている人にも腑に落ちる言葉を吐けるのか、これが文学じゃないで
  すか。
   高橋氏は続けます、

    「この尖閣問題で今まで一番シャープなだと思った意見は鄧小平さんが70年代
     の後半に言った、『先送りしよう、つまり、今は解決できない。』
     『 我々より知恵のある後の世代に託そう 』です。」


   あっさり言ってしまうと、尖閣に限らず、領土問題は基本的に解決できないのです。
   二国間だけで考えるなら制裁カードを双方で切り合って「戦争」寸前までのチキンレース
   を繰り返して妥協点を見出すか、実際に戦争するくらいしかないのです。
   
   もう一度、イシパ氏の発言を思い出して頂きたい。
   
   「粘り強く対処して先送りするしかない」

   鄧小平と妥協した時を超える知恵は何もないじゃいないですか!
   先ほどの高橋発言の続きにあるように今のところ政治家に解決に資する知恵がないので
  あります。詮方ないことに徒らに力を傾注している様を客観的に見た場合、人はこういう
  のです。「どうでもいい」と。
  
   高橋源一郎 ――― 実は結構バカにしていたが、今回見直した。さすが文学者だ。

   一見ペラペラの言葉のようだがしみわたる。

   でも、本当に何の知恵もないんでしょうか?

                         (つづく)









 
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