素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

沖縄返還が出来てなぜ基地1つ動かせなのだ!? (後編)

   



   沖縄返還時、中ソは厳しく対立していて、米中国交正常化をはかりソ連を追いこみたい米
  国にとって日本に配備されたサイロ型核兵器「メースB」の撤去の申し出は、“ 渡りに船 ”
  だった。

   キッシンジャーが見せた中国国境付近に配備されたソ連軍の衛星写真とともに「メース
  B」の撤去は、米国にとって中国の信頼を勝ち得るうえで重要だった。
   (もっとも、今や事情が異なるようだが、それは後述)
   米国は中国と国交正常化し、80年代、レーガン大統領のチキンレースのような軍拡競争
  によってソ連の国防費は増大する。膨れ上がる国防予算にソ連の国家財政は耐えられなく
  なり、ソ連は崩壊へと向かう。ソ連を崩壊へと導いた大統領として退陣後、レーガンの評価
  はうなぎ上りとなり、空母のその名が冠せられるようになる。
   
   米中国交正常化から20年でソ連崩壊。
   アジェンダどおりうまく行った、佐藤栄作よ、ありがとう。
   あなたはノーベル平和賞に値します。ということになるだろう。
   これは20世紀までの解釈で、21世紀現在、ソ連崩壊は別の理由によるものと言われま
  すが、今回はとりあえず割愛します。

   やはり沖縄返還は対ソ連封じ込めという米国の世界戦略なかで位置づけられ
  よう。

   とは言うものの外交交渉の最先端では、こんな「大きな絵」は描けないだろう。
   目の前のパズルを埋め込むのに精一杯だと思う。
   米国がどうあろうと、首相が意気込んでも外務省がおよび腰なら沖縄返還はズレ込んで
  いたと思う。

    今日でこそ、日本は米国との関係を最優先し、米国とちがう立場をとることは、
    ほとんど考えられません。しかし、1960年代の外務省はちがったのです。
    1966年2月18日、朝日新聞は次のような下田外務次官の発言を報じてい
    ます。
    
    「核を所有する国が自分のところはは減らそうとせず、非核保有国に核をもたせ
     まいとするのはダメで、このような大国本位の条約に賛成することはできるは
     ずがない。『 他国の傘に入りたい 』などと言ったり、大国にあわれみをこう
     て、安全保障をはかことを考えるべきではないと私は考えている。
     現在の日本は米国と安全保障を結んではいるが、日本はまで米国の傘のなかに
     は入っていない」
    
    ときの外務次官が「日本はまだ米国の傘のなかには入っていない」「『 他国の
    核の傘に入りたい 』 などといったり、大国にあわれみをこうて、安全保障を
    はかることは考えるべきではない」と発言しています、今日ではとても考えら
    れない発言です。 
    この発言にもとづいて、日本は、

     ① 保有国の軍縮義務

     ② 非核保有国の安全保障の確約

     ③ 原子力の平和利用を妨げないことを積極的に推進する。

    という政策を打ち出します。

               ~ 孫崎 享 著 「戦後史の正体」 ~



   「米国との関係を最優先し、米国とちがう立場をとることは、ほとんど考えられない」
  が常識となってしまった昨今の外務省からは想像もできないくらい60年代の外務省は
  違うということです。
   辺野古への基地移転には安保マフィア、環境マフィア等々日米の様々は利権が複雑にか
  らみ合っているのでしょう。それに撤去したはずのサイロ型核兵器が辺野古に残されてい
  るという説もあります。これが鳩山首相のいう「抑止力」?
   このような事情があろうと、端的にいうと米国の世界戦略が「対ソ封じ込め」から「日本
  むしりとり」に変わったこと、及び外務省が対米隷属の腰ぬけだらけになってしまったこと
  が大きいと考えます。さらに、それらについてマスゴミが報道することがタブーになってし
  まったことも忘れてはなりません。  

   鳩山首相は、「米軍の有事駐留」、すなわち米軍は緊急時日本に駐留するが、通常は日
  本国内にいなくてもいいと唱え、小沢一郎は「米海軍の第七艦隊だけで、米国の極東プレ
  ゼンスは十分だ」と発言し、共に自民党、マスゴミ、保守論客(すなわち悪徳ペンタ
  ゴン)から徹底的に叩かれます。孫崎氏は1969年の外務省の極秘文書を持ち出して、
  「有事駐留」が突飛な考えではないことを主張します。

    わが国の外交政策大綱 昭和四四年九月二五日 外交政策委員会(抜粋)

     〇 わが国国土の安全性については、核抑止力および西太平洋における大規模
       の機動的海空攻撃および補給力のみを米国に依存し、他は原則としてわが
       自衛力をもってことにあたるを目途とする。

     〇 在日米軍は逐次縮小・整理するが、原則として自衛隊がこれを引くつぐ。
      
     〇 国連軍(国際警察軍)、国連監視団に対する協力をする。状況がゆるせば
       平和維持活動のため自衛隊派遣を実施するように漸進的に準備する。

     〇 軍縮においては、日本が米国の走狗であるとの印象をあたえることの絶対
       ないように配慮する。

                      ~ 引用前掲同書 ~


   なぜ基地ひとつ動かせないのか、まとめると以下の理由によるものと考える。

    〇 日本が米国にとって「対ソ連橋頭保」から「エコノミックウォーの相手国」
      を経て「むしり取りの対象」へと変化したこと。

    〇 外務省をはじめ安保マフィア等が時代の大きな転換点に無自覚で自己保身
      に走っていること。
  
   属国は帝国に逆らうことができない。
   この状況が今後も続くとなると、悲観的になりがちであります。
   属国が帝国から自立できるとすれば帝国が自壊する時です。
   9月は結局、何も起きなかったが、「その時」は刻々と迫っている。
   ワシントンDCの財政はバーチャルに出来ても米国の州、市、群の財政はリアルな
  世界の出来事であり続々と破綻しているのだから。

                               (了) 
   
    

 


スポンサーサイト

政治 | コメント:0 |
<<橋下 徹はこの程度でへこたれる男ではない!? | ホーム | 沖縄返還が出来てなぜ基地一つ動かせないのだ!? (前編)>>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

| ホーム |