素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

神保町シアターから 2 「 コント55号とミーコの絶体絶命 」

   



   神保町シアターでは川島雄三監督「赤坂の姉妹 夜の肌」以降も何本か観ているのだ
  が、書きそびれてしまった。今回は「コント55号とミーコの絶対絶命」であります。
   お笑いは時代と寄り添っていると言われる。80年代初頭のマンザイブームからしばらく
  続くギャグが今、観ておもしろいかというとそうでなかったりする。
   一方、チャプリンやキートンは時代を超えているわけです。
   果たしてコント55号は観て笑えるかどうか、これが今回のお題です。
   (以下、ネタバレを含みます。)

   二郎さん(次郎)と欽ちゃん(金作)の兄弟は、貧乏な市役所職員で財津一郎が上司、
  小松政夫、くるま団吉が同僚という配役です。これに県議会議員の我がまま娘、太地喜和
  子(桃代)、病気の母を支える健気な娘、由美かおる(秀子)が花を添えます。
   本作は勝手に余命いくばくもないと勘違いした次郎・金作兄弟の「勘違いコメディー」で
  あります。まあ~、喜劇は出世、金、色に身もふたもないくらいあけすけなのが常であって
  本作も金作は秀代に見染められ、事実上婚約を交わすことで昇進し、将来の出世も約束さ
  れるのだが・・・・・。

   欽ちゃんが兄貴役の二郎さんを飛び越して「係長」に昇進するまでは、二郎さんのドケチ
  ぶりが軽くくすぐり程度に笑わせるが、全盛時のコント55号を知るものとしては物足りない。
   私の記憶が確かなならば、コント55号の笑いはボケとつっこみというより、たいがい欽
  ちゃんの無茶ぶりに始まってどんどん常軌を逸して二郎さんを困らせることにあったと思う。
   さんざん二郎さんに酷い目に合わせておきながら、そ知らぬ顔した欽ちゃん無茶ぶりが
  エスカレートしたところがおもしろかった。
   本作も欽ちゃんが係長に昇進して「上から目線になって」からようやくエンジンがかかって
  くる。でも、コントと映画は違うのであって、欽ちゃんの無茶ぶりはあくまでスクリーンの
  中に収まっている。笑わせてくれるのはどちらかというと二郎さんだ。そもそも二郎さんと欽
  ちゃんでは演技力の差がはっきりしている。もちろん、うまいのは二郎さんで欽ちゃんは舞
  台(TV)でのアドリブで本領発揮するタイプで映画むけではないのだ。欽ちゃんの発想力、
  天才ぶりばかりが喧伝されるが、芸人としての基本力は実は二郎さんの方が高かったの
  ではないかと思わせる。美人局(つつもたせ)の倍賞美津子、田中邦衛のカップルが笑い
  を誘うのは受け手の二郎さんが当時TVの売れっ子だっただけでなく「喜劇役者」だったか
  らだ。
   
   太地喜和子はハワード・ホークスやビリー・ワイルダーの喜劇に出てくるセクシー派、要す
  るにマリリン・モンローのような存在だ。セクシーなだけでなく徹底的なわがままぶりが喜劇
  をドライブする。本作は松竹喜劇であるからしてセクシー派だけでなく「寅さん」や「釣バカ」
  のようにマドンナも登場させる。(因みに、田中邦衛はニセ寅さん、寅さんのパロディーとし
  て登場する)マドンナは由美かおるなのだが、勘違いからはじまった兄弟どうし恋のさやあ
  ては“ お約束 ”どおり医師(なかにし礼!)にさらわれる。
   マドンナ・秀子(由美かおる)の母親の入院費用捻出のため二郎さんが自殺したとしてニセ
  通夜をやって香典集めるのだが、遺影の背後の押入れに隠れた二郎さんが算盤はじいて
  いる様は笑わせる。お通夜でも見境ない桃代(太地)が金作(欽ちゃん)に迫るのだが、これ
  を拒む欽ちゃんに太地がキレて破談にすると騒ぎ出し、縁談の口利いた助役や課長が顔つ
  ぶされたと香典返せと迫ると、押入れに隠れていた二郎さんは「それはやめてくれ~!」
  とたまらず飛び出して一同「ひゃ~(幽霊だ!)」と逃げ回る様は大爆笑。
   そんなことあるわけないのだが、あたかもスクリーンから飛び出してくるかごときの
  二郎さんの突破力はすごい。
   二郎さんは「飛びます!飛びます!」のギャグで有名だけれど、本質はそんな
  ギャクではなくふりかかる災難、悲惨を払わんとしてもがいて突破しようとする様が
  笑いを誘うのだと思います。

   映画とコントは尺が違うので比較できないが、先日の「北野演芸館」では、ここまで大笑い
  することはなかった。

   コント、漫才はUP to dateを入れないと笑いをとれなかったりするのが、80年代から
  ずっと続く情報化時代のお笑いの常道でした。でも、UP to dateが笑えるのはその時代だけ
  だったりする。本作でも、UP to dateがにじみ出ているところは笑えない。
   でも、「スチュエーション」(にせ通夜)と「アクション」(たまらず押し入れから飛び出す)は 
  今でも笑える。つまり、「スチュエーション」と「アクション」は時を超えて普遍的だと
  思う。(もっともアクションは時として笑いよりも驚愕だったりする。CGがない時代の
  バスターキートンの諸作を見られることをお勧めします。)
   
   それにしても当時時代の寵児だったコント55号にセクシー派女優にマドンナと寅さんの
  パロディーの盛り合わせにUP to dateな和田アキ子とボクシング世界チャンピオン・西城
  正三をふりかけた本作は学生街の洋食屋のごときサービス精神満点でありました。

   そういえば、当日の昼食、ミックスフライ定食もカラっと揚がった白身魚は大きく、
  タルタルソースの海老フライとトマトソースの鳥フライとスパゲティーに山盛りのサダダ
  を盛り合わせ、ライスもこれまた山盛りというサービスでした。

   ごちそうさまでした。


コント55号

  





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