素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

グローバリズムの時代、日本的雇用は是か非か?

   



   日頃、天下国家のことを綴っておきながらいきなり卑近な話で申し訳ないが、我が家の傘
  立ては「100均」のビニール傘であふれかえっている。
   考えようによっては無駄使いであって天気予報をちゃんとチェックしていればこんなことに
  はならない。コンビニのビニール傘は400~500円くらいで高いし、ビニール傘は
  「100均」だ。
   当然、よく壊れるのだが100円ならしょうがないか、と思いつつ「100均」でビニール傘を
  買い店を後にする時、こういう思いに捉われることが少なくない。

   「100均のものばかりが世の中を席巻すると、真っ当なものが淘汰されちまうよな」と。

   日常的なもの、すなわちコモディティーに限らず値段も品質もそこそこのものが姿を消し、
  ひたすら廉価なものかブランド品もしくは趣味性の強いものしか残っていかない様は、ファ
  ストファションか高級ブランドかというファッションに最も端的だが、そればかりではない。
   どうやら雇用もそうなりつつあるようだ。 
   派遣社員と1億円プレイヤーの取締役、両者の格差はやがてアメリカと同レベルまで拡大
  し固定化していくだろう。この格差を推進するのはもちろん中間層 ―― 真っ当なものの没
  落だ。
   アメリカの中間層の没落は今に始まったことではなく、クリントン時代、「ニューエコノミー」
  (今や死語、懐かしいフレーズだ)が陰りを見せる頃から始まっていた。
   ここへきて弁護士、税理士等専門家も景気回復しても職がないそうだ。
   業界最王手H&Rブロックは営業所200ヶ所を閉鎖し大規模リストラを敢行したという。
   PCソフトで自分で所得税申告が出来るようになりPCソフトに仕事が奪われしまった。
   これなどはIT化で職が奪われる典型だが、日本でも給与計算業務のIT化で社会保険労
  務士が価格競争に見まわれているという。社会保険労務士のみならずいわゆる専門家に
  価格競争の波が押し寄せていることは周知のことだろう。
   「『 スピリチュアル 』と『 実務 』の交点」で引用した山田 順氏の言葉が思い出される。
     
     若い人はIT化を享受し、スマホに夢中ですが、そうしたIT、ネット社会
     が自分たちの雇用を奪い、賃金を下げていることを知るべきです。
     おそらく、先進国では今後、一握りのスペシャリストと、低賃金の労働者に
     分かれていくと思う。二極化はとてつもなく広がります。これに対して、政治
     は無力です。
                     ~ 日刊 ゲンダイ ~

   
   現状はIT化だけでなくグローバル化の時代であって、海外生産の粗悪品が良質の国産品
  を駆逐するなんての一時代前のことです。半導体や電子産業では、今や日本でも新興国
 でも労働生産性はほとんど変わらないという。すなわち、自由な資本移動の下、多国籍企業
 が国境越えて最新の生産技術を導入し、労働生産性が均質化したといえる。
   TPPをはじめグローバリズムの説く「競争」、正確には労働市場における競争は
  ほんの一握りの例外を除いてグローバルに均質化した労働力に基づく「競争」を目
  指している。

   そうしたら価格の叩きあい、低賃金労働の大量出現を余儀なくされる。
   人と人との紐帯(ちゅうたい)が失われた世界で彼ら低賃金労働者が勝ち上がるには映画
  「カイジ」に描かれるように人を出し抜いていくしかない。

   製造業はそうでも専門職はそんなことはあるまい、と思っていたら大間違い。
   米国の会計事務所ではドラスティックに事態は進行しているようだ。

    「データ入力業務は、ほぼインドなどにアウトソースされてしまった。
     エクセルや監査ファイルの文書事務も、『 ロストアート 』 (失われた
     技術) 』と化した」

      ~ 東洋経済 3月2日号 「2030年 あなたの仕事がなくなる」~

 
   日本人のシステムコンサルタントもインドに仕事を奪われたと紹介されている。
   IT化で業務が効率化するどころではなくて、そのIT業務そのものが海外へアウトソースで
  なくなる。つくづく我々は恐ろしい時代に向かっている。

   IT化、グローバル化の行き着く先はどこなのか?
   前出、山田氏は続ける。

    IT化、グローバル化の流れは止めようもない。従って、政府は最終的に金
    持ちにもっと税金をかけて、低所得者にばらまくことになるでしょう。IT社会
    の行き着く先は社会主義なのですが、そうすれば、金持ちはさっさと海外に
    逃げていく。貧困者しかいない国になる。
   
                         ~ 日刊 ゲンダイ ~


   優秀な人材が集まらない都市は貧困層だらけとなってしまう。
   だからこそ都市間競争が必要なんだ、と素朴な資本主義信仰者たる地域主権論者は
  いいます。でも、「敵の敵は味方」、「地域」の敵は「国」、「グローバリズム」の
  敵は「国」、一見ピンとこなくても地域主権の推進はグローバリズムを助長します。
   
   「IT社会の行き着く先は社会主義」は私の「未来の共産主義」と符合する。
   現実問題として、アメリカでも下準備ができつつあるようです。

    アメリカの40人の億万長者たちが、ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットの
    展開するキャンペーンの一部として、少なくともかれらの財産の半分を慈善
    事業に寄付することを誓約した。

    このニュースは、アメリカ、そして、今後の世界の行く末を示すものだと
    思います。それを牽引するのは、NWO賛同者たちでしょうけれど。

         (中略)

    資本主義アメリカのカラを脱ぎ捨て、新生アメリカへ脱皮させたい?!
    このプロジェクトは、ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットの精力的な
    説得によって、さらに広がっていくでしょう。

         (中略)

    このリストの中には、誰でも知っているグローバル・エリートが何人か
    入っています。彼らは、「世界統一政府」を樹立したいと考えている
    NWOグローバリストです。

      ~ カレイドスコープ 「アメリカは社会主義化の道を歩む」 ~


   山田氏は「金持ちにもっと税金をかけて、低所得者にばらまく」といいますが、
  米国の場合、超超大金持ちによる究極のバラマキによって活路を見出す!?
   この頃になれば「バラマキはいかん」と日本の国会でやいのやいの言っていたのが
  懐かしくなるのでしょうな。
   でも、これはそんな先のことではなくダンディー・ハリマオ氏は「米国で経済戒厳令が
  発動された後」としています。

   
   さて、こんな時代、日本的雇用は意味があるのでしょうか?
   「そんな時代遅れのものは止めてグローバルスタンダードの雇用形態にしないといけ
  ない」、そう素朴な資本主義信仰者の政治家、経済学者、エコノミストが言いそうです。
   果たして日本的雇用形態は切り捨てるものでしょうか?
   
    2025年の「日本以外の」世界が『 ワーク・シフト 』に描かれた
    景色に近いという点には同意する。すなわち、世界規模で人材市場の
    統合が進み、英語を共通語として、地球の反対側同士でウェブを通じ
    た協同が増え、上位の優秀層は生まれた国を問わず大活躍するチャンス
    が増える。一方、先進国の中間層以下は“ 先進国生まれのプレミアム ”
    が失われ、新興国の人材に浸食される形で賃金が下がる。

     ~ 東洋経済 3月2日号 「2030年 あなたの仕事がなくなる」~

    
   My News Japan 編集長の渡邊正裕氏はこう分析しながらも、グローバル化を前提
  にした未来の働き方を説いた「ワーク・シフト」の著者・リンダ・グラットン教授の
  示唆も紹介している。
  
  「あえて“ 血だらけの赤い海 ”に突っ込まない日本の方が賢明かもしれない。」
   
   グラットン教授のこの言説をTPPを推進する政治家、学者、マスゴミに聞かせてやり
  たいものだ。雇用からみたTPPは“ 血だらけの赤い海 ”に先頭切って突っ込む
  ことだ。
   渡邊氏はさらにトヨタ、コマツ、任天堂といったグローバル競争に勝った企業が
  外国人を主要幹部にいれてないモノカルチャー企業であることも指摘する。
   もちろん、硬直化した既得利権には競争原理を入れなくてならないが、グローバリ
  ズム時代の「競争」の本質も知らずして「競争!競争!」声高に叫ぶのは止めにして
  もらいたい。

   TPPに参加しようがしまいが、IT化、グローバル化の行き着く果てが「社会主義」
  なら、日本的雇用形態は可能性があると思う。
   なんとなれば戦後日本はいわば日本的社会主義もどきで世界第2位の経済大国
  になったのであります。日本の場合、「社会主義」にはならず適当に「競争」も
  入れていた。それになにより「主義(ism)」ではなかったからよかったのです。
   今後、世界で顕在化するであろう「社会主義」はかの人々が推し進めることと
  「主義(ism)」であることが問題なのです。

   来るべき「社会主義」の時代、例によって周回遅れのようで逆に日本の雇用形態
  が有用になると信じている。








 
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