素晴らしき放浪者の戯言

100年に1度の世界の大転換、50年に1度の日本の政権交代を見届けるブログです。 政治、経済、メディア、都市、映画etcの各分野を放浪しつつ 時たま核心に迫ります。

日本史の中のTPP参加(TPPは白紙委任状)

   



   あさって、15日にも安倍首相はTPP参加を表明する。
   予想どおり、自民党内反対派は腰砕けになるのだろう。
   本気で反対するなら集団離党するくらいの覚悟がなければTPPに立ち向かえ
  ない。TVもさすがに農業だけでなく他の産業に関してもTPPを検証し始めた。
   相も変わらず個別産業のメリットとデメリットを検討して「攻めていけばTPPも
  メリットあるんだ」というくくりで放送している。
   「聖域なき関税撤廃」ではないのだから「交渉」次第で死守できるんだといいたい
  ようだ。交渉次第でどうにかなるんだという政治家、学者、経済人、マスゴミの人々
  の横っ面に「安倍首相TPP参加表明(TPPは闇鍋)」で紹介したパブリック・シ
  チズンのロリ・ワラック女史が冷や水をぶっかける。
    
   


   骨子はこんな具合だろうか?

    ○ 日本がルールづくりに参加する権利も何に合意するか知る権利もわからず
      TPPに参加しようとしている。

    ○ 900ページもあるルールを日本の既存、および未来におけるすべての
      法制度をあわせなければならない。

    ○ 貿易だけでなく医療品の価格やアクセス、食の安全や食品表示、郵便の
      規制やエネルギーや輸出サービス、銀行、消費者の権利保障等々多岐の   
      分野にわたる。

    ○ 何が書いてあるかわからず一文字の変更も許されないまま
      これを受けつけるしかない。 

  
    ○ 日本は「交渉」に参加するのではなく「すでに条件の定められた協定」
      に参加することになる。



   マスゴミ報道とのあまりの違いに唖然とするしかない。
   ロリ女史の発言どおりなら「TPPは闇鍋」どころか「白紙委任状」だ。 
   「白紙委任状」に署名などしてはいけないことは社会人の常識だ。
   しかも、TPPは締結後4年間は非公開だという。
   ある日突然、日本国政府がISD条項をたてにグローバル企業から提訴される。
   ISD条項などまだ可愛いもんでもっと恐ろしい条項が隠されていると思う。
   何なんだ一体?今何が行われようとしているのだ。
   TPPについていろいろ述べてきたが、もう結論に達してもいい頃だろう。
 
    TPPとは参加国に主権を放棄させることだ。

   そう断じることが先走り過ぎるというなら「主権放棄」の前段階に参加させることだ。
   TPPもまだ序の口でやがてグローバル企業が「国民国家の主権」を破壊し、強いては
  資本主義が民主主義を凌駕することになろう。

   アウトラインだけならこれは80年も前から計画されていたことだ。

    我々は現在、地域にとらわれた世界の国々から「主権」という名の奇妙な政治力
    を奪取する取り組みを、慎重に、かつ全力で行っている。そのことを改めて述べ
    るにとどめておこう。我々はこのような取り組みの存在については、表向きは
    否定し続けている。

     ~ アーノルド・J・トインビー 1931年 コペンハーゲンでの発言 ~


   
   アーノルド・J・トインビーは歴史学者にして英国王立国際問題研究所理事であり
  ます。彼がビルダーバーガーだったかどうかは定かではありませんが、王立国際問題
  研究所の理事ですからビルダーバーグ会議と連なるといって差し支えないでしょう。 
   王立国際問題研究所がシナリオを書きタヴィストックが洗脳、心理工作していくわ
  けですから、彼は歴史家であるのと同時に歴史をデザインしてつくった人かもしれま
  せん。

   世界史ではなく日本史にあてはめるなら、大作家のこの箴言が有名だ。

    このまま行つたら「日本」はなくなつてしまふのではないかといふ感を日ましに
    深くする。日本はなくなつて、その代はりに、無機質な、からつぽな、ニュートラル
    な、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済大国が極東の一角に残るのであらう。

                ~「果たし得てゐない約束―私の中の二十五年」~


   三島由紀夫のこの一文はあまりに有名であちらこちらで引用される。
   TPPが参加国の主権を奪うこととするなら、「日本はなくなつて ~ 或る経済大国
  が極東の一角に残るのであらう」とはTPP参加後の日本ではないか。
   もっとも三島の基準で言うと、とっくの昔に「日本」はなくなっていて、省略された
  部分、すなわち「無機質な、からつぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目
  がない」国になっているのかもしれない。

   TPPに参加して国家主権が著しく脅かされも国民国家・日本はまだ存在し続ける。
   村上龍はTPP導後から約100年後、22世紀の世界を「歌うクジラ」で描いて
  いる。

    わたしはあなたが日本人だと推察するがそれはあなたが日本語を話すことに
    よってだ。わたしは三十二年前に三十七歳で移住してきたがその時代にすで
    に国家は消えていた。

                 ~ 「歌うクジラ」下巻 p221 ~
  
    
   逆算すると2085年くらいに国民国家・日本は消滅していることになる。
   三島は彼がいう「日本」の消滅は予想したが、国民国家・日本の消滅までは予想して
  いない。村上龍はより冷徹かつ苛烈で容赦ない世界を描いている。

   もちろん、私はTPPがあろうとなかろうとグローバル化は不可避だと考えている。
   だからといって「白紙委任状」の署名するなんて愚の骨頂だ。

   「あの時が歴史のターニングポイントだった」とはよく言われることだ。
   私には3月15日が後に「あの時」といわれそうな気がする。
   「歴史の中のTPP参加」―― この視点で捉えている政治家がどれくらいいるだろうか?
   特に、グローバリズムを推進しながら自称「保守」をうたう支離滅裂な若い政治家の
  中に。


  TPP 主権







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